JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

還暦老人 憂愁日記 極楽蜻蛉   山口 瞳 著

2015-06-04 17:28:40 | 


山口 瞳の日記形式の男性自身シリーズは処分してしまったのか、水につかってダメにしてしまったか、もう忘れたけれど、手元になかった。
山口 瞳に関してはblogをはじめてから氏の息子山口 正介氏の書いた著書を記事にしたりして、結構とりあげているけれど、何と言っても親しみを感じたのがこのシリーズだTった。
1990年代に出ていたから15年前に読んでいたのだけれど、なんだかこの年になって、急に読みたくてたまらなくなった。本屋の棚にあるわけもないので、検索したら熱帯で中古300円で2冊見つけた。300円はうれしくなったけれど送料もそれぞれ同じくらいかかりました。
それが手元にきて、思ったよりかきれいで、日にちを追うようにゆっくりゆっくりたどっていくことにしました。

四月二十四日(日) 晴後曇

 大国魂神社境内の植木市で苧環(五百円)を買い青木屋で饅頭を買った。
 繁寿司で乾杯。僕は盃半分の酒を一時間かけて飲んだ。ホロッと酔った気分になるから不思議だ。

この時の山口瞳は今の私と同じ歳。

六月二十二日(水) 曇
 銀座に向かって歩き、とらやで夏帽子を買う。鉢巻岡田で夕食。銚子半本。これを秘かなる快気祝いとする。

これは62才の時の日記です。ここまで読んで、久しぶりにアマゾンの電子書籍にいったら、このシリーズの最初の「還暦老人ボケ日記」があったので、その二年前の60才の時の日記にもどって読み始めました。62歳はしびれがではじめて身体の記述が多くなりますが、60才の時はまだ元気で文章も長い。
2年前の同じ日を引用してみました。




四月二十四日(土) 晴

 駿河台下文房堂で画材を買い、九段下寿司政で食事をする。ホテルに戻って、テレビの阪神・巨人戦を見て横になったが眠れない。初めての部屋では眠れない。

六月二十二日 月)晴れ

 小川軒で夕食。僕は仏蘭西料理が大嫌いなのだが、唯一許せると思っているのが小川軒だ。向田邦子と食事をして以来だから六年目になる。向田さんともそれが最後の晩餐になった。文藝春秋の豊田健次氏と二人で先に部屋にに着いてまっていると、向田さんは悪びれずサツと上席に座ってしまった。いかにも彼女らしいと思った。
コメント
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