
ピアノの達人だと思っているミケーレ・デ・トロが気張らずに力をぬいてピアノを弾いているアルバムを出して、ピアノ・ソロ制作思想になにか変化が起きていると敏感に感じていたら、なんと、ステファーノ・ボラーニが鼻歌のアルバムを作ってしまいました。
ボラちゃんがフェンダーとピアノを弾いて歌もうたちゃうソロ・アルバムです。
1曲目、フェンダーのファンキーなオリジナルはメチャクチャ、カッコイイ、これを鼻歌とは言わないけれど、ECMとの落差には衝撃が走ります。
歌を歌っているのはオリジナルの3曲、8曲目ではオペラの1場面のように始まってカンツォーネを真面目に12曲目もオーバーダブでコーラス調にしてですから鼻歌なんて言ったら大変失礼、ファンの方に怒られるのは必至だと思います。
私が鼻歌のアルバムなんて失礼なことをいったのは、フェンダーの2曲目から6曲目まで、エンゲルベルト・フンパーディンクの“クアンド・クアンド・クアンド”に始まって次もおなじみのボサノバ、次がこれも“おいしい水”ホレス・シルバーの軽快な曲をはさんで、次はなんとハリー・ヴェラフォンテの“マチルダ”この曲並びは鼻歌です。
鼻歌て言ったて名手のする鼻歌、フェンダーでの表現が実にたのしい。こっちもECMでの表現のあとに、こんなのもいいんじゃないのと録音したんじゃないかと思えてしまいます。歌の部分はのぞいてフェンダー部分はきっと1時間かからなかったのではと想像してしまいます。(実際は3日かけて録音している)
なんだかあまり気張らないピアノ・ソロアルバムが出だして業界に異変が起こりつつあるのかもしれません。エンリコも方向を変えたみたいだし、ピアノ・ウォッチャーの方ご注意を。
arrivano gli alieni / Stefano Bollani
Stefano Bollani fender rhodes piano vocals
01. Alleanza (Ex Funk)
02. Quando, quando, quando
03. Sei là (A Vida Tem Sempre Razão)
04. Aquarela do Brasil
05. The preacher
06. Matilda
07. Gato
08. Microchip
09. Mount Harissa
10. Aural
11. Vino vino
12. Un viaggio
13. Jurame
14. Arrivano gli alieni
15. You don't know what love is