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まるで知らない人だったけれど82歳でご存命のようです。図書館でたまたま手にとった本の2章が「チェロという楽器」というものだったので借りてみた。
日本の科学史家・科学哲学者で東京大学・国際基督教大学名誉教授というすごい方。高校2年のときに声楽をあきらめて同じ音域のチェロが頭に浮かんだそうです。始めるにあたって先生は山田耕筰、紹介の青木十良というのですからそこいらのチェロ弾きとはまるでちがう。科学者だからミュージシャンではないけれど、アマ・オケで弾いてCDまであるのだからなんとこれが血筋というのでしょうか。
本のほうは、弦から始まって、魂柱、駒、弓、ボーイングと指使い、ヴィブラート、チェロの持ち運びまですすんでいくのだけれど、さすが科学者、わかっていることとはいえ正しく整理された感じです。
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名称ではパーフル(縁飾り)って知りませんでした。
チェロ弾きの一角にいるようになったと思い始めているのに、こういう人もいるものですね。
この本はチェロ以外にも能であり落語であり映画とインテリジェンスの深みがすごくて、ちょっと距離がありすぎた。
ウーム、私は気楽なチェロ弾きっていうところにいるんですね。