熱帯で聞いていたら、ニュー・リリースとありこのアルバムがあった。これは知らないから、ちょっと興奮した。
5曲で30分を切る演奏でCDでは出ていないのだろう。どこが出しているかもよくわからない。
でもファンにとっては嬉しい音源になった。
聴きながら、バートンとコリアのこれまでの共演を、バートンの自伝の中から調べてみることにした。
まず二人の初共演についてうは
「1968年にギグを何度かこなした間柄。」ということでカーネギーのころにギグが始まっている。
そしてアルバムに通じる道になるわけだけど、それが1972年夏、ミュンヘンで行われた大規模なフェステバル、ソロ演奏だけで構成されたもので、チック・コリア、ジョン・マクラフリン、ジャン=リュック・ポンティ、アルベルト・マンゲルトドルフなどが出演していた。
各20分ぐらいのソロ演奏を連ねたもので、開催者はそれだけではパフォーマンス不足とみて最後にジャムを要求した。ところがベースもドラムスもいない状態でほとんどが拒否。そこで、そこにいたバートンとコリアがデュオを引き受けたわけだ。
ソロを聞き続けていた観客はこれに熱狂、ステージを下りたわけだけれど、ここからが大切。
「何度か礼をしてからステージを下りるとき、ECMレコードーチックが当時所属していたレーベルーの創始者マンフレード・アイヒヤーがそばにきて、この演奏は絶対にデュエットアルバムとして残すべきだと熱心に語る。しかし僕はコンサートの熱気に浮かされてそんなことを言ったんだろうと思った。」
というのが1972年夏のこと。そして今度見つけた演奏とリリースされたアルバムとの記述が自伝にある。
「その夏、僕とチック・コリアがミュンヘンで行ったデュエットを熱心に褒め称えたドイツ人のレコードプロデューサー、マンフレード、アイヒャーはなかなかしつこい男だった。彼はデュオアルバムをレコーディングするよう僕ら二人に電話や手紙で繰り返し訴え、ついにはそれに成功する。かくして僕らふたりは秋に催されるベルリン・ジャズフェスティバルで演奏することとなり、次いでマンフレードが頻繁にレコーディングで使っているノルウェーのスタジオに飛ぶことになった。」
ということで、バートンとコリアのデュオ・アルバム「CRYSTAL SILENCE」は1972年11月6日に数時間で録音された。その前11月4日に録音されているのがこのベルリン・フェスでの演奏になる。残された二人のデュオの最初の音源はこれになるのだろう。
演奏そのものはアルバム「CRYSTAL SILENCE」の方が落ち着いてきけるけれど、2日前ということでそれなりに価値あるだろう。
ということでこのアルバム?のあとの共演作を順に並べておこう。(リリース年順)
「CRYSTAL SILENCS」1973年
「DUET」 1979年
「IN CONCERT,ZURICH,OCTOBER 28,1979」 1980年
「Native Sense」 1997年
「THE NEW CRYSTAL SILENCE」
ラリー・コリエルが入ったカルテットのものが発掘されないかの、このアルバムが出て思う。
Berliner Jazztage 1972 / CHICK COREA & GARY BURTON
CHICK CORIA piano
GARY BURTON vibraharp
1 Desert Air
2 Children's Song
3 La Fiesta
4 Senor Mouse
5 Day Waves