レンタルのサイトをみていらら、マイルス関連の映画があったので借りました。
この映画、ドン・チードルが主演・脚本・監督を務めているということで彼の意向が多く反映した映画のようです。
映画はマイルスが引退していた1979年のほぼ1日の出来事で、ゴロツキプロデューサーに盗まれた自宅にあったマイルスの録音テープを取り返すという話を軸に、当時のマイルスを描いた作品。
最初に言っちゃうけれど、この人がマイルスの役もするわけで、これがマイルスとはかけ離れているから、マイルスについての映画を翻訳しながら見ているような感じになる。(映画自体の批判じゃないけれど実は残念)
思いでシーンで出てくる彼のオクサン、フランシスももっとチャーミングだと思う。
同じこというならば、思い出シーン、自宅でセッションいるんだけれど、このオジサンたちに”ネフェルティティを演ろう”なんて言う、ということでこのオジサンたちがショーターやカーター、そこら辺しょうがないのかな。
見ているとこんな場面が、これってギル・エバンスじゃない。
スケッチ・オブ・スペインを録音しているところの回想。
ということで音楽もマイルスの音を使っているから見ていておもしろいことはおもしろ。
話の方は帝王が帝王らしくないのが残念だったけど、ここで音楽を担当しているのがロバート・グラスパー、マイルスじゃない演奏で、オットと感じる場面がある。2分40秒位の街の場面のバック、これなんかグラスパー。
最期にマイルスが復帰を図った場面になって、演奏場面がある。この音楽もグラースパーでそこではハンコックやショーター、アントニオ・サンチェスなんかが演奏していてお得です。
マイルスは日本で「Agharta」を録音した1975年2月のあと引退する。そして5年後に帰ってくるわけだけど、この映画を観るにあたって勉強しておいたのでそれを並べてみる。
まず大ヒットの「BitchesBrew」が1969年「Jack Johonson」「at Filmore」f1970年。その後引退までにいくつかのアルバムを出している。
引退の理由を憶測するに、この時期の元メンバーたちの作品。
チック・コリアが「Reterm to Forever」をだしたのが、1972年ザヴィヌル、ショーターのウエザー・リポートがでヴュしたのが1971年でその後毎年アルバムを出し始める。ジョン・マクラフリンの「内に秘めた炎」が1971年に出る。ハンコックのヘッド・ハンターズが1973年。
マイルスが同じ時期アルバムを出しているものの、強力なソリストが面の演奏、元メンバーたちのメロディーとアンサンブルを重視したアルバムとで多くの聴衆はそちらに流れた。
ということで1975年に引退して、復活のサウンドつくりをしていたのだと思う。
ところでこ映画で一番うなずけたのが、必死になって取り返す、マイルスの録音・テープ。
いったい何いが火合っていたかというと、これが取り返して最後に回す。マイルスのペットの演奏が入っているかと思えば、(それを盗んで売ろうとしていた)マイルスが演奏するオルガンの音。最後にそこにペットを乗せていくところで、再起のバンドの演奏となっていく。