パオロ・フレスがバラッドを吹くとなんともしっとりすることがあるから、チェット・ベーカーを素材にしたアルバムはきっと素晴らしいものになっただろうとこれは買いに行く。
フレスが企画したチェット・ベーカーへのトリビュート・プロジェクトである『Tempo Di Chet]の演劇のサウンド・トラック作だそうで、1曲目”But Not For Me”7曲目”Everything Happens To Me”10曲目”My Funny Valentine”14曲目”When I Fall In Love”以外はフレスやピアノを弾いているDino Rubinoのオリジナルになっている。
とはいってもアルバム通り、これはまさしくチェット・ベーカーへの深いトリビュート・アルバムに間違えない。
2曲目Dino Rubinoのオリジナル”The Silence Of Your Heart”を聞けば、タイトル通りまさにチェットの平安を願う曲で心にしみる。
チェットの最期の数日を描いた『マイ・フーリッシュ・ハート』があるけれど、キャッチには「音楽だけの、愚かな人生だったのか」というの最近みたけれど、謎の死といわれているけれど、完全に自死になっているし、最後の女性も完全に裏切った死はなんとも痛ましい。その痛ましいチェットだがバラッドを吹くとこれが素晴らしいという場面に出会えた。
最後を描いているので痛ましさが協調された映画であるが見ごたえがあった。
これ以外にチェットを敬愛する人が多いので「Let's Get Lost」というドキュメント映画がある。
また最後ではなく、チェットの再生なども描いたイーサン・ホーク主演の「ブルースに生まれて」という映画もあって、ホークがまさにチェットを演じて素晴らしかった。
もしみられるのであれば、『ブルースに生まれて』と『マイ・フーリッシュ・ハート』を合わせて見ることをお勧めする。カッコイイチェットと落ちたチェットが見ることができて良いと思う。
という事で、春の日差しの中でチェット・ベーカーに思いをはせた。
なんか無性にチェット・ベーカーが聞きたくなって、ただ一枚持っている(実はあまり得意でなかった)1LPを引っ張り出して、ターン・テーブルにのせた。1964年録音の「Baby Breeze」ってアルバムだけれど、今日はとても良い。
TEMPO DI CHET / PAOLO FRESU
Paolo Fresu (tp, flh)
Dino Rubino (p)
Marco Bardoscia (b)
Stefano Bagnoli (ds) #3 #12
1. But Not For Me
2. The Silence Of Your Heart
3. Palfium
4. Postcard From Home
5. The Beatniks
6. Fresing
7. Everything Happens To Me
8. Chat With Chet
9. Hotel Universo
10. My Funny Valentine
11. Hermosa Beach
12. Jetrium
13. Catalina
14. When I Fall In Love
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