園長のつぶやき

こんにちは 長坂保育園の園長です。日々成長する子ども達を見ながら、日頃の思いを綴ります。

全員主役

2009-10-03 10:58:54 | 日記
 最近テレビのCMで面白いなあと感じたものがあります。ダイハツのタントという自動車のCMです。保育園か幼稚園のお遊戯会のことなのでしょう。遅刻しそうな桃太郎に扮した子どもをせわしげに「主役、主役」とせきたてて、着いてみたら全員が桃太郎になっていて、思わず「全員主役?」・・というCMです。微妙な親心が醸し出されていて、最近の親の心理を良く表しているものだと思います。親にしてみれば桃太郎の主役は桃太郎であり、犬やキジではありません。まして赤鬼や青鬼の役は論外です。でも、桃太郎の話には、心の優しいおじいさん、おばあさんや忠誠心が熱い、犬、キジ、猿そして準主役でもある赤オニ、青鬼が登場します。それこそ全部がそれぞれ主役であり、どれが欠けても物語りは完成しません。
 少子社会になり、親の期待を一身に背負うことに疲れている子ども達が増えているそうです。少ない子どもを大事に、大切に育て、なに不自由させることなく、子どものいうことを聴き、欲しいものを与える・・。友達感覚で子どもと接し、子どもから叱られることに子どもの成長を感じると言います。・・ちょっと待って。何か変じゃない。子どもは親の持ち物ではありません。ましてペットみたいに振舞ったり、ドレスを着飾ったりさせることが親の務めとは思われません。自分の好きな通りに育ってきた子どもは、ある時期になると親に反抗するようになります。これが一次反抗期、二次反抗期となるわけですが、それまで静かに親の言うことを聴いてきた子は、爆発するそうです。だって、そのように親自身が育ててきたのですから・・。しかし、面白い情報があり、保育園に小さいときから入園している子ども達は、子供同士の関わりを通して、人との関係を深め、爆発することは少ないそうです。本来、親子の関係は最も絆が深い訳ですが、親の接し方、関わり方によっては、逆効果にもなるようです。テレビのCMを見ながら、全員が主役・・桃太郎だけが主役と言うことではなく、犬もキジも猿も鬼も、全員が主役であって欲しいと思いました。
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