この本を買うまではまったく知らなかったけれど、
TV出演や年間100本というコンサート活動をおこなっているというから、
ヴァイオリン・ファンはとっくにご存じの方が多いだろう。
わたしは本屋で立ち読みをして、これは!
・・・ということで買ってきて、たちまち読みおえた。
こういった形で顔文字が使われている本は、はじめて読んだ。
肩のこらない、女性らしいバランス感覚とウィットにとんだ、フレッシュな名曲紹介となっている。
現在高嶋さんの愛器は1736年製のストラディバリウス、ルーシー。
本書にその出会いのきっかけや、購入にいたる経緯が、興味深く書かれているし、
公式ホームページでもふれられている。
著名なコンテストを制覇したといったような「勲章」はないかわり、なかなかの美人さんだし、気むずかしいとか、エクセントリックなといった振る舞いもないようだ。
このところ、啓蒙書・入門書に類する本やクラシック音楽関連雑誌ばかりを読んでいるけれど、本書は超初心者にはいちばんにすすめられる好著。
スコアは出てこないし、肩肘はったような、大げさな表現がなく、率直さが売り物といえばいえる。音楽評論の世界も、吉田秀和さん宇野功芳さんあたりを頂点として、こむずかしい本がかなり出回っている。それはそれで読み応えがあり、気合いの入りぐあいがおもしろかったりする。しかし、高嶋さんは、評論家でなく、あくまでヴァイオリニストとして、名曲に柔軟にアプローチしている。著者が愉しんで書いているのが、読者にストレートにつたわってくるのもいい。
オフィシャル・サイトはこちら。
http://www.j-two.co.jp/chisako/
ここを眺めていたら、本書につづいて「高嶋ちさ子の音楽案内~心が10倍豊かになるクラシック〜」が刊行されている。読んでみようかな・・・それとも、CDを買うのがさきか?
「ピアノと弦楽のための五重奏曲」ドボルザーク
「弦楽四重奏曲12番<アメリカ>」 〃
「ロココ風の主題による変奏曲」チャイコフスキー
「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」ブラームス
「八重奏曲」メンデルスゾーン
ふん、ふん、おや・・・知らないぞ!
わたしはさっそくこういった「名曲」を手帖にメモ。
うれしかったのは、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」を絶賛していること。
第5番が皇帝なら、こっちは「お后」といわれるほどの名曲。甘くせつない旋律美もあるし、気品と繊細さが、絶妙のバランスをとってすすんでいく。モーツァルトのピア・コン20番、23番、27番などとならんで、聴いていると、背筋がぞくぞくしてくるような一曲なのである。
高嶋さんの協奏曲好き・・・というもの気に入った理由のひとつ。
彼女がいうように、ベートーヴェンが、ヴァイオリン協奏曲を一曲しか残さなかったのは、ほんとうに残念。これに右へならいをしたわけではないだろうが、ブラームス、チャイコフスキー、メンデルスゾーン、シベリウスなど、どの方々も一曲しか書いていないのはどうしてだろう。ま、すべて名曲だし、耳にする機会もよくあるから、それはそれでいいのだけれど。
おやおや、いま調べていたら、この高嶋さん、俳優の政宏、政伸さんとはいとこになるのだ。ふーん、やっぱり育ちのいいお嬢様なんだな(-_-)
しかし、ふつうに結婚し、2児をもうけている。え? もう40歳をすぎているの?
恩師の徳永二男(とくながつぎお)さんについて書かれているあたりが、もうひとつの読みどころ。一流といわれる演奏家の世界を、とても具体的にうかがい知ることができる。
評価:★★★★
TV出演や年間100本というコンサート活動をおこなっているというから、
ヴァイオリン・ファンはとっくにご存じの方が多いだろう。
わたしは本屋で立ち読みをして、これは!
・・・ということで買ってきて、たちまち読みおえた。
こういった形で顔文字が使われている本は、はじめて読んだ。
肩のこらない、女性らしいバランス感覚とウィットにとんだ、フレッシュな名曲紹介となっている。
現在高嶋さんの愛器は1736年製のストラディバリウス、ルーシー。
本書にその出会いのきっかけや、購入にいたる経緯が、興味深く書かれているし、
公式ホームページでもふれられている。
著名なコンテストを制覇したといったような「勲章」はないかわり、なかなかの美人さんだし、気むずかしいとか、エクセントリックなといった振る舞いもないようだ。
このところ、啓蒙書・入門書に類する本やクラシック音楽関連雑誌ばかりを読んでいるけれど、本書は超初心者にはいちばんにすすめられる好著。
スコアは出てこないし、肩肘はったような、大げさな表現がなく、率直さが売り物といえばいえる。音楽評論の世界も、吉田秀和さん宇野功芳さんあたりを頂点として、こむずかしい本がかなり出回っている。それはそれで読み応えがあり、気合いの入りぐあいがおもしろかったりする。しかし、高嶋さんは、評論家でなく、あくまでヴァイオリニストとして、名曲に柔軟にアプローチしている。著者が愉しんで書いているのが、読者にストレートにつたわってくるのもいい。
オフィシャル・サイトはこちら。
http://www.j-two.co.jp/chisako/
ここを眺めていたら、本書につづいて「高嶋ちさ子の音楽案内~心が10倍豊かになるクラシック〜」が刊行されている。読んでみようかな・・・それとも、CDを買うのがさきか?
「ピアノと弦楽のための五重奏曲」ドボルザーク
「弦楽四重奏曲12番<アメリカ>」 〃
「ロココ風の主題による変奏曲」チャイコフスキー
「ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲」ブラームス
「八重奏曲」メンデルスゾーン
ふん、ふん、おや・・・知らないぞ!
わたしはさっそくこういった「名曲」を手帖にメモ。
うれしかったのは、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」を絶賛していること。
第5番が皇帝なら、こっちは「お后」といわれるほどの名曲。甘くせつない旋律美もあるし、気品と繊細さが、絶妙のバランスをとってすすんでいく。モーツァルトのピア・コン20番、23番、27番などとならんで、聴いていると、背筋がぞくぞくしてくるような一曲なのである。
高嶋さんの協奏曲好き・・・というもの気に入った理由のひとつ。
彼女がいうように、ベートーヴェンが、ヴァイオリン協奏曲を一曲しか残さなかったのは、ほんとうに残念。これに右へならいをしたわけではないだろうが、ブラームス、チャイコフスキー、メンデルスゾーン、シベリウスなど、どの方々も一曲しか書いていないのはどうしてだろう。ま、すべて名曲だし、耳にする機会もよくあるから、それはそれでいいのだけれど。
おやおや、いま調べていたら、この高嶋さん、俳優の政宏、政伸さんとはいとこになるのだ。ふーん、やっぱり育ちのいいお嬢様なんだな(-_-)
しかし、ふつうに結婚し、2児をもうけている。え? もう40歳をすぎているの?
恩師の徳永二男(とくながつぎお)さんについて書かれているあたりが、もうひとつの読みどころ。一流といわれる演奏家の世界を、とても具体的にうかがい知ることができる。
評価:★★★★