二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「髑髏と酒場」正宗白鳥

2024年07月23日 | シャッフル/books
講談社文芸文庫から坪内祐三選で「白鳥随筆」「白鳥評論」がセットで刊行されている。
この2-3日「白鳥評論」を読んでいたが、そこへ新潮日本文學全集12巻がくわわった。
昨夜、見当をつけて、日本文學12巻所収の「髑髏と酒場」を読みはじめたら、これがおもしろかった!! 

白鳥は晩年にはめぐまれ、文化勲章をうけた。
「髑髏と酒場」は昭和6年(52)、名高い「明治文壇総評」と同じ時期に発表されている。
小説ではなく随筆になる。
妻をつれ、花のパリへ出かけていったのだ。そこで味わった“幻滅”についてあれこれ書いてある。引用はひかえるけど、まさに白鳥節全開じゃ^ωヽ* 

ドイツ文学の高橋義孝の解説もすばらしい一語。
白鳥は小説はへただというのが定着しているが、随筆を読む限り文体はジャーナリストらしくシャープ。
青空文庫に資料があるかと期待したけど、ダメだった。

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