のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 5

2009-10-01 | 小説 忍路(おしょろ)
そんな私を前にして、里依子はやがて悲しげに私が一緒に帰ることを認めた。どうして彼女が苦しそうなのか私には理解できなかったが、しかしこのように里依子を苦しめることしかできない自分に、熱い怒りのようなものを感じないではおれなかった。  札幌の駅で預けておいた手荷物を受け取っている間に里依子は千歳までの切符を買って、それを私に渡した。その時の里依子を私はどのように表現していいのか分からない。  そ . . . 本文を読む
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