のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 10

2009-10-06 | 小説 忍路(おしょろ)
もう私たちはだめなのかも知れない。そういう思いを打ち消すことが出来ずに私は自分の心を苦しめた。それでもこの列車がいつまでも千歳に着かなければいいと思うのだった。私には何より彼女の傍にいることが重要な事のように思われ、どんなに胸を焦がしてもこのままいつまでも立っていたかった。  しかし列車は千歳の駅に止まった。私たちは重苦しい気持ちで列車から降り、駅舎から出た。  「寮まで送りませんよ。」 . . . 本文を読む
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