のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 15

2009-10-11 | 小説 忍路(おしょろ)
 私の心は少しずつ和んで行った。千歳の自然はたわいない激情には取り合わず、逆に心を和らげて体を開かせてくれるようだ。   私は自分がこのように自然の中に抱かれてしか生きてゆけないような、甘えん坊のように思えた。社会の中で私のようなものは弱者に違いなかったが、しかし私の本心はここにしかありようがなかった。私は自分を惨めな人間と認めたくはなかったが、しかしだからと云って心を欺いて、苦痛を与える生き方 . . . 本文を読む
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