のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 6

2009-10-02 | 小説 忍路(おしょろ)
 私はそんな里依子を見て、どうして彼女がこれほど私が札幌に残ることに執着したのかどうしても理解できなかった。一人で帰りたいというどんな理由があるのだろう。私は電車の中でそんなことばかり考えていた。  札幌から千歳に向かう列車の中で二人の間には重苦しい空気が流れ、互いに口を開こうとはしなかった。ただ列車だけが動いて車窓の風景が白々しく流れてゆくのだ。私は虚ろに走り過ぎる景色を見つめるばかりだった . . . 本文を読む
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