のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 8

2009-10-04 | 小説 忍路(おしょろ)
しばらく私たちはそれぞれの本に見入っていた。  私は詩集の文字面を辿ってはいたが、読むことなどとても出来なかった。心を本の上に留めておくことが出来ずに、もうこれで里依子と会えないのかという思いばかりが繰り返す浪のようにやって来る。  里依子が私と一緒に帰るのを拒んだのは、あるいは私が彼女の寮まで未練たらしく付いて行くことを嫌がったのかも知れない。  いろいろに考えあぐんだ末に私はそう思いいた . . . 本文を読む
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