のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 11

2009-10-07 | 小説 忍路(おしょろ)
 私は歩いた。どこに行こうなど頭には何もなかった。ただ私の前に真っ直ぐに伸びて行く道があった。私は降りかかってくる重苦しく悲しい思いを振り切るように必死で歩いた。  もしや里依子が追いかけて来はしまいかと、そんな思いもあったが、私はもう振り向くまいと決心した。そしてただ歩くのだと思った。こうして必死で歩いているうちは、自分に歩くという目的を持たせておくことができるのだ。歩くために歩けばいい。   . . . 本文を読む
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