のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

里依子 16

2009-10-12 | 小説 忍路(おしょろ)
太陽はいつしか西端に傾き、弱々しい日差しに変わっていた。潤んだ太陽の下には頭を平坦に切り落とされたような林がどこまでも続いていて、灰色に煙っていた。そして私の背後には千歳川が流れている。  私はとにかく日が暮れるまで歩いて行こうと決心していた。千歳川を遡りながら支笏湖に向かう国道には民家が思い出したように点在するだけで、夕暮れがふと心ぼそさを持ってきた。  もう民家も尽きるかと思われる頃にま . . . 本文を読む
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