のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

無言館 遺された絵画からのメッセージ

2020-09-19 | 地球の爆弾すべて花火となれ!

15日、所用で出かけた先で、この展覧会に行ってきたと、画集を見せてくれる方と出逢いました。さっそく行って観ました。久しぶりの美術館。とても素晴らしかったので、今回は連載を中断して紹介します。

 (ポスター裏面)

 

無言館は、窪島誠一郎館長の元、戦争に巻き込まれて若い命を奪われた画学生たちが残した遺作を全国を巡りながら収集し、慰霊をこめた美術館として長野に設立した戦没画学生慰霊美術館です。

 

 

あなたを知らない


遠い見知らぬ異国くにで死んだ画学生よ
私はあなたを知らない
知っているのはあなたがのこしたたった一枚の絵だ

あなたの絵は朱い血の色にそまっているが
それは人の身体を流れる血ではなく
あなたが別れた祖国のあのふるさとの夕け色
あなたの胸をそめている父や母の愛の色だ

どうか恨まないでほしい
どうかかないでほしい
愚かな私たちがあなたがあれほど私たちに告げたかった言葉に
今ようやく五十年も経ってたどりついたことを

どうか許してほしい
五十年を生きた私たちのだれもが
これまで一度として
あなたの絵のせつない叫びに耳を傾けなかったことを

遠い見知らぬ異国で死んだ画学生よ
私はあなたを知らない
知っているのはあなたが遺したたった一枚の絵だ
その絵にきざまれたかけがえのないあなたの生命の時間だけだ


窪島誠一郎
一九九七・五・二(「無言館」開館の日に)

 

 

窪島誠一郎は、幼少で生き別れた小説家水上勉と劇的な再開を果たした話が有名で、自分のルーツ探しを綴った「父への手紙」は大きな話題となりました。夭折の画家を集めたデッサン館も有名です。

 

今回の神戸ゆかりの美術館の特別展示は、無言館で普段は常設展示されていない130点余りの作品を紹介しています。

写真撮影不可のため、展示風景を紹介できませんが、私の心に衝撃的な印象を受けた作品を一点、カタログからご覧ください。

 

 

 

昭和20年4月、ルソン島で戦死、27歳

 

 

窪島誠一郎館長直筆サイン入りカタログ 購入できました。

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2 コメント

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20数年前に行きましたが (チトセ)
2020-09-21 20:52:02
薄暗い部屋で重苦しいテーマで辛かった。私の知り合いの方の作品があったことを覚えています。確か種子島出身(鹿児島県)もしかしたら日高さんだったのでは(種子島には日高姓が多い)書籍も2冊買って今も手元にあります。その後娘が川中島に住んでいるので、また機会があればと思いつつ、もう80才のばあちゃん、コロナのせいもあり旅もできません。
 今年になって般若心経を70枚書いていますが、深くなまんでいません。描かれたものを拝見してもさっぱりです。
80の手習いで、水彩画始めましたが、一番苦手の分野です。
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チトセ様 (のしてんてん)
2020-09-21 23:40:34
おっしゃる通りです。
紹介した作家は
カタログによれば、種子島で生まれ、昭和12年東京美術学校に入学とあります。
日高安典さん。私の子供でさえ30を大きく超えましたが、それを考えると27歳の戦死とはあまりにむごいことですね。
この自我像に思いを残したまま戦争の犠牲になって異国に躯をうずめてしまったのですね。

私は戦後まもなくの生まれで、その戦争を知りませんが、母から空襲のことはよく聴かされていました。二度とこんなことは起こしたくありませんね。

般若心経を写経されたのですね。
この70枚の意志と思いが般若波羅蜜多そのものだと思います。
チトセ様のお心は、すでに菩薩に通じておられると思います。
心安らかに、水彩画をお楽しみ下さい。

私の母は80歳から、それこそ生まれて初めて画用紙に線を引いて色を塗って、最初はいやいやでしたけれど、それが二年目には生き生きとした楽しみになっておりました。

このブログで、母のリハビリ絵画録と言うタイトルで紹介していますので、よかったら見てやって下さい。左の欄の「カテゴリー」にある「心のデッサン無料公開授業」をクリックして頂きましたら、その記事に行き着きます。

どうぞ苦手と思わず、その苦手を楽しんで下さいネ

菩提心がきっとチトセ様を包んで下さいます。

コメントありがとうございました。
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