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モノとワタシの共同作業・・・長者ヶ原遺跡の牙状勾玉にみるモノつくりの原点

2022年09月02日 07時21分56秒 | ぬなかわヒスイ工房
長者ヶ原遺跡出土の牙状勾玉(きばじょうまがたま)は、縄文前期出土の頭部と尾部に刻みがある、あまり類例のない形状の滑石製の勾玉。
実物の牙状勾玉は滑石製だが、私はヒスイやネフライトで作っている
 
頭部に刻みがある勾玉といえば、弥生時代以降に出現する丁子頭勾玉(ちょうじがしらまがたま)があるが、牙状勾玉から4,000年くらいの断絶期があるので、牙状勾玉はプロト丁子頭勾玉とは言えない、と思う。
 
ではなんでこの形状???
ヒスイ加工の経験からいって、原石を小割した際に偶然できたギザギザを、作者が面白がって活かした結果、この形状になった可能性を感じている。
オレンジが混じった三ケ月形のペンダントは、原石屋さんが三ケ月をモチーフにしたペンダント作りをしようとして、歪になったのでリメイクできないか?と託されたもの。
ギザギザを強調して整え、石目に線刻して三ケ月を鳥状に変更したペンダントに仕立てて渡したら、非売品にする!と喜んでお店に展示されることになった。
 
最初にデザインを決めて作ることもあれば、原石の形状を活かして手遊びした結果にできる作品もある。実のところ、後者がモノ作りの原点では?と、私は考えている。
 
「大勾玉展」で上京する機会に、以前からお逢いしたいと思っていた縄文モチーフの造形作家さんの工房を訪ねることになった。
 
パソコンでデザインしたり、レーザーで外形をくりぬいた量産勾玉までが売られる昨今、「最初にモノありき、モノとワタシがセッションして産み出されるデザイン」について語りあえたら幸い。
 
 


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