縄文体験会で拙宅に前泊した笛師、大倉雲龍さんを上路の「山姥の里」にご案内した。
雲龍さんは室町時代から続く能楽の囃子方「大倉流」家系の人だから、謡曲「山姥」の舞台となった上路にある山姥神社に案内することは、今回の重要なミッションの一つ。
山姥神社
祠が二つ並んでいるのは何故だろう?お供えの小さなリンゴは、信州に住む雲龍さんが持ってきたもの。
都の遊女が善光寺詣りする途中の上路で山姥の亡霊と出会い、舞を教わるのが「山姥」の粗筋だが、雲龍さんに同行した名古屋の女性が、縄文体験会の後に善光寺詣りする予定と聞いて奇縁に驚く。
山姥がシテ、雲龍さんとその女性をワキとすれば、案内した私はツレということになり、謡曲そのままの構成に心が騒いだ。狛犬は山姥神社すぐ近くの「十二社」のものだが、こちらには由来書きもなくどんな神様が祀られているのかは不明なのが残念。
今なお中世の雰囲気を漂わせ静かな語り口を持つ雲龍さんから、御伽噺のような幼少期の話しから能楽の歴史や謡曲の話など多岐に渡り、得難い体験をさせて頂いた。
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