コロナ禍前は毎年、何組もの団体ツアーガイドをしていたのが夢のようだ。
天津神社参拝の後に「ぬなかわヒスイ工房」で拙宅出土の勾玉見学、稚児ケ池でヌナカワ姫の慰霊、長者ヶ原遺跡でライブと焚火の縄文キャンプ、翌日はヒスイ峡でゆっくり過ごすのが定番のガイドコース。
八千鉾神に能登に連れ去られたヌナカワ姫が逃げ帰り、(茅芦原にお隠れになった・隠れているところを火を放たれて以後はお姿が見えなくなった)伝説のあるのが稚児ケ池。古代のラブロマンスとは真逆の伝説を持つ稚児ケ池に案内すると、祝詞をあげたり演奏したり、舞いを奉納したりと、各自の方法でヌナカワ姫の慰霊をしてくれる。
長者ヶ原遺跡の1号建物前で演奏するKnobさん。
同じく雲龍さん。友人にプロで活躍するミュージシャンが多いと面白い。
時間があればヒスイ拾いのオプション。今年の「ひすいこたろうツアー」では、海に沈む夕日を観るオプションも加わえたら評判がよかった。
ライブの後は焚火で食事をつくり、あとは大人の語らいの時間。
来年こそは・・・以前のように観光バスを雇った30人規模のツアーとはいかないまでも、世阿弥の女時(めどき)の過ごし方に学んで、ギャラリーを増築したので、10人規模なら発火法や土器作りなどの縄文体験がしてもらえるので、次の波の迎い入れ準備はできている。
左から滝沢泰平夫妻、Knobさん。
また3年前までは「縄文キャンプ」という言葉を使うと、教育委員会から「長者ヶ原遺跡はキャンプ場ではありません!」と、遺跡の使用許可願いの再提出を求められたこともあったが、今では行政が「縄文キャンプ」を行うようになっている。
私がUターン帰郷した11年前は、長者ヶ原遺跡とB&Gの艇庫は地元の人も知らない休眠施設だったが、昨年くらいからはどちらも行政絡みのイベントが行われるようになり、もしかしたら私の活動がバタフライエフェクトになったのかも?と感じている。
ヒスイ峡を望む高台で石笛を演奏するKnobさん。
次なるバタフライエフェクトはですねぇ・・・ヌナカワ姫の伝説が最も濃密でリアルな稚児ケ池をジオサイトとして認定してもらうことか。
西に長者ヶ原遺跡があり、「塩の道」にも連なる、「地質年代に姫川が作った高地段丘」の京ヶ峰エリアに位置し、「ヌナカワ姫の口碑が豊富な歴史的地区」である土地なのに、ジオサイトに認定されていないのが不思議な場所。一応は「旧奴奈川神社跡」として史跡登録もされているのだ。
ただ稚児ケ池をジオサイトに登録すると、行政が旗振りしている「古代のラブロマンス」と真逆の口碑が表に出てしまうので、どうなることか?もっとも表に出ていなくとも「古代のラブロマンス」は眉唾でしょ?という市民も多いし、観光案内を信じて糸魚川に来てから私のガイドに参加して「女として許せない!」と怒る女性客も多いので、観光施策としては逆効果という面も実際にはある。
バタフライエフェクト方式で、ゆっくりとじっくり取り組んでいきたい課題。同じような意味でも、以前はバタフライエフェクトという言葉より、ライオネル・ワトソンさんの「百一匹目の猿」という言葉が使われていたのに、最近は死語になったネ( ´艸`)
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