オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

ジャンク・キャノンG11の修理 「って,できるか~ぼけっ~」の続き

2011-11-06 02:33:43 | キャノンG11
キャノンG11のコントローラーホイールの真ん中にある「FUNC. SET」ボタン.
小指の先ほどの大きさのボタンの中にはスプリングと2個のボールが入っています.



この組み込みに悪戦苦闘しておりましたが,私も「サル」ではありません.

細かい部品なので手先だけではどうしても無理なので挿入治具が必要です.


「治具」

「じぐ」と呼びます.「ちぐ」と言う人がいますがチト違います.


10×15mmのアルミの棒材からこんなのを作って見ました.




スプリングとボールをセットしてピンで押し下げるれるような形状にしています.




進歩するとちょっと気分がよくなってしまいます.

気をよくして作業していたらビニル袋の隙間からボールがピョ~ンっと,また飛んでいってしまいました.



地べたにはいつくばって探索.


「おっ,あった.」

よく見たらハンダのカスでした.(三回だまされました)





この治具,ボタンの最外径はφ7.8mmに対してφ8.1mmのキリであけたらちょっとクリアランスが
大きく,首を振ってしまい上手く挿入できません.

何回かやり直すうちに,ちょっとスプリングをくたびれさせてしまいました.




修理しているのか壊しているのか分からない作業はテンションが下がります.

はぁ~



しかし「サル」では無いことを証明するために,これを元に穴径を変えて作り直しました.





ボタンをセットして軸線を合わせスプリングを挿入.







強くピンセットをつまむとピョ~んってボールが飛んでいくのでソフトにつまんで穴に落とし込みます.




ピンで規定量押し込んで穴位置をずらすと・・・




治具にセット完了.




コントローラーホイールに挿入するときだけはビニル袋の作業です.




何とか挿入完了




ここまで来たら頭の中では復活したG11で撮影している風景を思い巡らせています.


コントローラーホイールの四隅の爪が全部破損しているので基盤に接着剤を滴下(ポッティング)して
ゆるゆるになるように接着します.




基盤に戻してあげます.

ゴール間近.




本体にフィルム基盤を接続して電源オン.

頭の中は嬉しさ満開.

十字キーは問題なし.

ホイールを回転させると・・・・・


・・・・反応なし


が~ん


ホイールが必要な機能はマニュアルフォーカスで,その他は何とか使うことができます.

・・・が,しかし

完成を夢見ていた私は脱力感と空虚な気持ちでいっぱいです.


何十回に一回ホイール機能が効きます.
これが厄介.
再現性を見て修理箇所を特定するのですが,何十回に一回なので確立的には数パーセント.


は~



しばらく頭を冷やします.


こんな結果で,ごめんなさい.


ではまた


ジャンク・キャノンG11の修理 見つけた1.2mmのボールペン

2011-11-02 01:46:24 | キャノンG11
しばらくご無沙汰していた「おまけで付いてきたジャンクのキャノンG11の修理」のお話.

φ1.2mmのボールを探す工作の旅の続きです.



φ1mmやφ0.7mm.φ1.6mmのボールペンの先っちょのボールは増えるものの,肝心な
「φ1.2mm」には,なかなか巡り合えません.

で,ホームセンターの文具売り場に行って来ました.


ボールペンコーナーで探すこと十数分.

ありました.「PILOT BPRF-8B-B 1.2極太 ブラック」




先端の丸みが,なんとなく「φ1.2mm」と訴えかけてくるように思えてなりません.




早速,ボールの取り出し作業です.

何個も取り出してきたお陰で緊張感も何処へ行ったのやら.
いつものように旋盤にチャッキングして虫眼鏡越しに突っ切りバイトを入れていきます.




ボールのお尻をつまむとポロリと取れるように斜めに切削.




ペンチで軽くつまむと何事も無かったようにボールがポロっと出てきます.




早速ボールの直径をノギスで計測.

φ1.2mmです.




ようやく役者が揃いました.




少し気が緩んだのも束の間.

真ん中の押しボタンの中にボールとスプリングを収納してコントローラーホイール本体に
挿入しなくてはなりません.




ピョ~んと飛んでも無くならない様にビニール袋の中で作業します.




中央ボタンにボールを一個だけ入れて・・・・

コントローラーホイール本体に少しだけ挿入し・・・

ボールを飛び出さないように気をつけて,そっとスプリングを圧縮して・・・・

残るもう一つのボールをピンセットでつまんで・・・入れる・・・




って,できるか~ボケっ


ガラス張りのガレージ(元・電気屋さんなので)

深夜,ガレージの前を通る人がこれを見たら何と思うのでしょうか.




まだ作業は続きます.


ではまた

おまけで付いてきたジャンク・キャノンG11の修理と超極太1.6mm

2011-10-14 02:06:44 | キャノンG11
デジカメの中古バッテリーを買ったら付いてきたジャンク・キャノンG11の修理の続き.


分解点検中に飛んでいってしまったコントローラーホイールに内臓されたφ1.2mmのボール.

太字のボールペンってなかなか無いって日記に書いたら「Team bon 2号」さんが,わざわざ
速達で送って下さいました.

超極太1.6mm・・・なかなか強烈な太さです.




φ1.2mmに対して少し大きいけど,ボールの直径が1.6mmではなく書き味(線幅)が
1.6mmというのもあるので,とにかくボールを取り出してみることにしました.


新品は少しもったいない気がするのでこのペンからボールをいただきます.
さすが1.6mmは見た目も「極太」




もう一本は職場に転がっていた太そうなボールペン.これもついでに取り出すことにしました.
単体で見たら太そうに見えたけど,極太に比べたらやっぱり細く見えます.




先ずはウオーミングアップに職場に転がっていたボールペンから始めます.

旋盤にチャックし,作業しやすいように芯出しします.

精度と無縁なこんな作業に芯出しするなんてですが,振れてボールが無くなったら大変なので
真剣です.ちなみに振れは1/100mmです.




またまた虫眼鏡見ながらの作業です.



とりあえず,こいつはこの辺で良しとします.


続いて福井県からやってきた「超極太1.6mm」です.

芯出しして振れは5/1000mm.




虫眼鏡越しで見た「超極太」は「かなりの極太」に見えます.

さすがに回数をこなすと作業にも余裕が出てきます.
慎重に少しずつバイトを送っていきます.


切子を見ながら材質は何かな?なんて考えていた時・・・



あれっ!!



無情にも先端が潰れてしまいました.




ボールがありません.


でもこんなことが有りそうな気がしたので養生シートを貼っていたのでセーフです.




インクが残っていたので転がらず,へばりついていました





さて取り出した二つのボール.

えらく大きさがちがいます.




小さい方が職場に転がっていたモノで直径が1.0mm.

超極太1.6mmは残念ながら直径も1.6mmでした.




なかなか一筋縄ではいかないものですね.

明日,会社の帰りに文房具屋さんに寄って探してみます.


謝辞
「Team bon 2号」さん.
わざわざ探して頂いた上に,速達で送って下さりありがとうございました.



ではまた




おまけで付いてきたジャンク・キャノンG11と求む太字のボールペン

2011-10-10 02:05:27 | キャノンG11
注意
今日の日記は長いです.
ごめんなさい.

忙しい人,体調の悪い人は後日にしたほうがよろしいかとおもいます.
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私の愛用しているデジカメはキャノンG11.

使用頻度が高いので予備バッテリーをいくつも持つようにしています.

でも純正のバッテリーは結構高価.
安価な社外品バッテリーでも中に入っているセル(充電池)が国産品ならいいのですが,
G11用は中○製しかありません.

なのでオークションで使用頻度の少なそうな純正品があれば中古でも買ったりします.


先日買った中古のG11用バッテリー.充電器とセットで1000円.

デジカメを落として壊れたので出品されてというもので,おまけで本体も付いてきました.


自分のよりもきれいに見えます.




「ボタンが斜めになっている」と書いてあったが,背面のコントローラーホイールが歪んで
液晶カバーに傷が入っていました.




ホイールは回転しないけど,本体は起動し撮影もできるみたい.
よく見るとコントローラーホイール自身が右にずれてしまっています.




形が残っているだけに,直せないかとつい思ってしまう.

ちょっとワクワクしてしまった.
で,早速分解.
細かなネジ(ビス)がたくさんあるのでメモしながらばらしていきます.




関係ないネジと思いきや意外と全部のネジが利いているので全部取ります.
加減しながら本体を開くように力を掛けていくとパカっと裏蓋が外れてくれました.




用心,用心.
裏蓋と本体をつなぐフィルム基盤がつながっています.
切れたらオシマイ.




フィルム基盤は必ず片方がコネクターになっているので,それを外すのですが,部品が小さくて,
虫眼鏡で見ないと何も分かりません.




これがコネクター.
フィルム基盤はコネクターに挿入してロックされています.
さてそのロックを解除するのはロック部をずらすか,起こすか何かしないと抜けないのですが
コネクターメーカーによりバラバラなので分かりません.




これも加減しながら,あっちに力を加えたり,こっちに引っ張ったりとしていきます.
すると,少し浮き上がったりしてきて仕組みが分かってきます.


外れてくれました.
背面パネルのこの裏側がコントローラーホイールです.




透明フィルムを剥がしてネジを全部取ると基盤が出てきました.




コントローラーホイールを単体にしてもやっぱり回りません.
裏を見るとダメージが入っているのが分かります.

分解して中身を見るしかありません.




慎重にゆっくりと分解していったのですが,右耳にカサカサっと言う音が聞こえ,手元を
見ると小さなボールが一つ転がっていました.




あ~,やってしまいました.

ボールがあるということは飛んでいったのはスプリングです.


で,何のためのボールかを考えます.

内部構造からしてホイールを回した際にクリック感を出すためのボールで,仕組みを考えると
ボールの個数は2個.


手元にあるのは1個だけ.


は~~・・・・


スプリングとボールも飛んで行ってしまいました.

ボールの大きさは直径1.2mm.




狭いガレージですがこのサイズのモノを探すには広すぎます.

床に落ちているとは限らないのでオーバーホールしている機械の中や部品入れ,テーブルの隙間に
棚の間とかを必死で探しました.

だんだん士気が低下してきて,オークションでジャンクのG11や後継機種のG12が出て
いないかを検索してみたりしました.


あるわけ無いです・・・


気を取り直して捜索再開.

また,気力が低下して前モデルのG10やG7を検索してみますが,形状が少し違います.
いけそうな気もしますが定かではありません.


また捜索再開.

何時間か探して,オーバーホール中のタイヤチェンジャーに掛けていた布の間からスプリングが
出てきました.

ホッ!!




でもボールはもう分かりません.

何度も気を取り直して探しなおしましたが,どうしても無理です.


諦めて直径が1.2mmの鋼球をネットで売っていないかを調べてみました.


意外や意外,ありました.




「50個入り」

値段はいいけど,数が多すぎ.

でもあるもんですね.ちょっと感心しました.


「鋼球 1.2mm」と検索すると何とボールペンのペン先のボールの直径が1.2mmで
あるということが分かりました.


インターネットというのは何と素晴らしいものなんでしょか.

それによると一般的にボールペンのペン先は「0.7mm」と「1.2mm」のボールに
なっているというのです.

手元のボールペンを見ると0.7mmと表示されているのがほとんど.

中に「1.0mm」というのもあって???.


更によく調べると「1.0mm」もあって,「1.2mm」というのは「B 太字」というペン先
らしいです.


今度は太字のボールペンがないか我が家を探しまくりました.

でも,ありません.

ペン先がどんどんシャープになるご時世に1.2mmのボールペンってあるわけないです.

たしか土産モノか頂きモノで太字があったけど,「もっさり感」が嫌で捨てた記憶があります.

今思えばおいておけばよかった.


更に探します.

灯台元暗し.

分解する時にメモを取っていたボールペンが太いのを思い出しました.




ボールペンの芯から先端を引っこ抜きます.(虫眼鏡越しで写真を取るのって面倒)







「で,どうやって先端からボールを取り出すの?」

最初,ペンチで先端を切ろうと思ったのですが潰れてしまって無理でした.


「旋盤」しかありません.


旋盤のチャックが大きすぎてそのままでは細いペン先を掴むことができないので,小さな
チャックを挟んで二段チャックで何とかチャックできました.




さて,どのバイトを使ってどこを削ればいいのかさっぱり分かりません,

先端にアクセスしやすいのが「突っ切りバイト」だったので虫眼鏡を見ながらちょっとずつ
削っていきます.




初めてです.こんなの.


突っ切りバイトの角度を変えて刃先がボールの後ろ側を削るようにセットしてみました.




ボールペンのペン先をチップというそうですが,チップは真鍮ぽいので非常に削りやすいです.

ボールにダメージが入らないように薄皮を残すようにギリギリまで削り込んでいきます.

でもあまりに薄皮になりすぎてボールがポロって落ちたら大変.

真剣勝負です.




そっと旋盤のチャックから外してガレージの机の上で作業再開です.

チップをセットしてボールを見たら・・・

「無い!!」



・・・反対側でした.

「ホッ」



気を取り直して先端の確認.

ちゃんと有りました.




ボールの取り出しはペンチでチョンとつまんだらポロってあっけなく取れました.

ばんざ~い.




でも,大きさがちょっと小さいぞ.

測ってみたら1.0mmでした.





ふ~


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直りそうなデジカメを見て喜び

分解方法が分からず悩み

分解できて喜んだら部品を直し方に悩み

直りそうな予感がして喜び

飛んでいった部品を探すのに苦労し

身近なボールペンが代替になることを知って喜び

それが太字のボールペンで,探すのに苦労し

ようやく太いボールペンを見つけて喜び

ペン先からボールを取り出す方法が分からず悩み

上手くボールが取り出せて喜び

そのボールが小さいことと分かり落胆し



さて,太字のボールペンさえあれば役者は揃うものの

これでデジカメが直らなかったらどうなるんだろうか・・・



途中の寄り道が多いと,いつしか手段と目的を見失い半ば完成した気になってしまいます.


だれか太字のボールペン持ってないですか?




疲れたけど何か楽しかった「初めてのボールペンからのボール取り」.


追伸
頑張って虫眼鏡越しで写真を撮って日記を書いた私を誰かほめてください.


ではまた,つづく