キッチンリフォームの続きになります。
吊戸棚には「電動昇降吊戸棚」が付いてます。
スイッチひとつで棚が電動で上がり下がりするヤツです。
スーっと降りてくるのを見ると初めて見た人は多分"おおっ"となると思います。
なんでもそうですが手動が電動になるとちょっとゴージャスに感じてしまうのは小市民だからでしょうか。
実際はというと昇降機構がある分、収納容積が少ないです。
使う人には無関係ですが据え付ける人には重くて、下地の補強が要ったり設置も重くて大変です。
一人で作業しているので力業では何ともならないのでリフターを使って苦労して取り付けました。
一見、華やかなこんな商品ですが、自分の自宅に付けたいとは思わないものの一つです。
展示品を買ってきたので仕方がなかったのですが、電動モノなので機構も複雑で壊れたら修理代は安くはありません。
部品もいつまでもあるとは限らないので、こういった据え付け品はシンプルなものを選ぶべきだと思います。
壊れたら厄介だろうなと思って見てたんですが、ハイそれが壊れました。
まだ使ってないのに・・・。
ショールームとか行って動作を見て良いなあ思ったアナタ。
止めときましょう。
前面のアクリル扉を外すとメカ部を隠すためのカバーがあって写真はそれを外しています。
中央に見えるのがブレーキ付きのモーターです。その奥に制御基板があります。
棚の昇降はベルトの巻き上げで行われます。
見て分かるようにメカ部がデットスペースになって収納容積が少ないです。
取り付け当初は何も問題なく動作していたんですが、ある日久しぶりに動かしてみようとしたら「ピーっ」って音がするだけでウンともスンとも言いません。
最初はこんなにすぐに壊れるものかと思ってアレコレ試してみたんですが、LEDが点滅するだけとか、リレーの音が一瞬するだけとかで
何が悪くて動かないのか見当もつきませんでした。
取扱説明書には詳しくは書かれていなかったのですが、アラーム音は何かの異常を示しているらしく、自己診断ができるということは制御基盤は
生きてるんじゃないかと思いました。
こういったものをキッチンメーカーが独自で作るってのはあまりなくて、たいてい機器メーカーのOEMです。
なので修理について細かな話を聞こうとキッチンメーカーに電話しても気の利いた答えは返ってきません。
ということで、キッチンメーカーの方から製造メーカーの連絡先を聞いて電話してみることにしました。
症状を伝えると
「基盤が壊れています。基盤だけではないかもしれませんが、先ずは制御基盤の交換が必要です」
活字で書いたらこんな感じですが、話し方もこんな感じでした。
・・・なんかちょっと、こっちの事を置いてけぼりにして話す人。
「もしも~し、私の存在を忘れていませんか~」って思いながら、いろいろと聞いてみようと思ったものの、この雰囲気に押されて
聞くことも思いつかず会話が終わってしまいました。
部品の購入はキッチンメーカー経由。
基盤らしき基盤は一つしかないのですがキッチンメーカーからは間違ったいけないのでということで送られてきた部品図に印をつけて返信。
販売元が製造元じゃないからこういった話が通じにくく、ちょっともどかしい。
下の写真の緑色の基盤が制御基板。
右の茶色の基盤は照明用のインバータ基盤。20Wの直管型蛍光灯が内蔵されていています。
制御基板と分離されているのでLED管に変えるにはこの基盤を取っ払って直結したらいいので都合がいいです。
ディップスイッチの設定とROMのバージョンが違うのがちょっと気になりました。
しかし棚を昇降させるだけなのにやたらと部品点数が多い基板だこと。
電動昇降吊戸棚に貼ってあった結線図を見ると、単純に上下させているだけではなく、停止前に減速させる他に過加重や中間位置での速度を見たり、
左右のバランスを見たりと制御は複雑。
電動で動かすとなると異常時にはモーターのパワーも加わる可能性があるので、しっかりしたメーカーだとどうしてもこういうふうな複雑な
制御になってしまうのかもしれません。
その分故障リスクも増すわけで、良いようなそうでないような・・・・・。
やっぱり吊戸棚は手で開け閉めするシンプルなのが一番です。
コネクタの形状やピン数がすべて違うので交換はそう難しくないです。
ディップスイッチの設定については何も言われてないし下手に変えたら逆に壊れることもあるので。そのまま基盤を交換していざ試運転。
心配性な私はこれで直るのかといつも疑心暗鬼、何も信用していないのでいつもハラハラ。
「下降スイッチON」
"ウィーン"ってモーターが回て吊戸棚が下りてきました。
「おお~動いたぞ」
ん? ん?
直ったと思ったんですが減速せずにそのままリミットまで行って停止。
上昇も減速なしでそのままリミット叩いて停止。
あらら・・・・最初の頃ってもっと繊細な動きしてたはず。
結線図をみると「CN13」に「センサー上(下)」(スローダウン用)ってのがあって、どうもこれが機能していないみたい。
制御基盤以外にこのセンサーも壊れているのか?
"他も壊れているかも"と言っていたメーカーの人の言葉が思い出される。
でもそうアレコレ壊れないだろうに・・・。
これが減速用のセンサー。多分リードリレー。
センサーを上下入れ替えたりしてたけど症状は変らず。
基盤のディップスイッチの設定が違うのが気になりながら、もう一度メーカーに電話した。
症状の話をして、センサーを入れ替えたりして試したことと、ディップスイッチの設定が違うことを伝えました。
そしたら
「設定が間違っています。キッチンメーカーごとに機能が違っていてそれぞれ設定が違いますので注文するときにキッチンメーカーの仕様に合うように
言って購入してください」
・・・・。
"おいおい何かおかしいぞ"そう心の中で叫びました。
キッチンメーカーから購入しているのに設定してないのはそっちがちゃんと設定して納入してないからちゃうん。
そう思った私は変でしょうか。
設定の注意書きも入ってないし。そもそも前回この人と電話で話しをして購入に至ったのにそんな話一つもしてないし。
なんかイラっとした。
「それなら前に話した時に教えてくれたらよかったのに」と、ちょっと語気が強めに言ってしまいました。
「それは、それは失礼いたしました」 謝り方もなんがたどたどしい。
会話が噛みあわんなと思いながら電話を切りました。
ディップスイッチの設定を合わせて改めて動作確認。
「下降スイッチON」
"ウィーン"ってモーターが回て吊戸棚が下りてきてセンサー付近で減速してリミットで停止。
「おお~そうそうこの動き、すばらしい~」
続いて「上昇スイッチON」
ん? ん?
上昇時は減速せずにそのままリミットまで行って停止。
あれ?減速は?
後日、また電話した。
同じ人。
また症状を伝える。減速のセンサーを入れ替えてもダメなことも併せて。
そしたら
「減速のセンサーのケーブルの断線なども考えられます。」と
エッ?!
"そりゃ、絶対無いとは言えないけど本気で言ってるのか?" そう心の中で思いました。
「そりゃケーブルも切れる可能性はありますけど、使用状況から考えて可能性は低いでしょ。
もっと可能性の高い不具合ってないですか」
減速センサーを入れ替えても症状が変わらないということは、残る異常は制御基板そのもの。
「買った制御基板がおかしいってことないですか?」
初回は雰囲気に押されて言いたいことも言えなかったので、今回は飲まれないように頑張って意見を言いました。
「新しい基盤を送りますのでそれで試してみてください。設定もそのメーカーの仕様に合わせておきます。」
ということで新しい基盤を送ってもらうことになりました。
その後
"ケーブルの異常の可能性は低いでしょ"って言った手前、念のため導通確認。
ケーブル両端で導通確認しましたが問題なし。まあそりゃそうです。
新しく送られてきた制御基板と交換して動作確認。
下降時はOK。
上昇時は・・・減速しませんでした。
あれれ。同じやん。なんで?
更に念のために制御基板のコネクター部での接触不良もチェック。
コネクターにプローブ付けて上下動させてセンサーが"ON"するか確認。
モーターが動いてセンサーを通過するとテスターから一瞬「ピー」の導通信号が聞こえてきてました。
はい普通に正常です。
減速に関わる部品はこのケーブルとセンサーだけ。
モーターは制御基板からプラスマイナスの線二本でつながっているだけで、単に電圧で動かしているだけ。
なので上昇時に減速しないって故障モードは多分ないと思います。
そうなると、おかしいのは制御基板しか残ってないです。
ふ~、また電話するのか・・・・
次も飲まれないようにもう少し調べておくことにしました。
制御基板からモーターに出される電圧を測ってみました。
デジタルテスターなので細かな電圧の変化はよみとれませんでしたが、下降時は36Vくらいで上昇時が55Vくらい。
動画に撮ってみました。
電動昇降吊戸棚の動作チェック
新品の制御基板が二枚とも壊れているってこともないでしょうから、そうなると制御プログラムの問題しか考えられません。
で、電話しました。
同じ人。
減速センサーのケーブルの断線を見て、上下動させてセンサーの動作チェックも見て、モーターの電圧も見たと全部を伝えました。
その上で「この制御基板のプログラムの問題じゃないですか?」そう言うと返ってきた答えが
「すみませんが、自分ではもう分りません。いっていることが全然理解できないです」
「専門じゃないんですか?」という問いかけに「カスタマーサービスです」と。
「・・・・じゃあ設計の人をお願いします。」
不在とのことで後日お話を伺うことになりました。
さてどうなるのか。
吊戸棚は手動が一番。
ではまた。