オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

TIG溶接機の冷却水循環装置を作ってみる その7 CNCフライス盤で作ってくれたお洒落なファンカバー

2016-02-27 09:29:14 | TIG溶接機用冷却水循環装置の製作
製作中の溶接機の冷却水循環装置の続き、その7です。
前回に続き、大まかな配線を終えたので基本的な動作チェックと修正(デバッグ)です。


前回のブログの終わりに書いた電源ONの際に数秒間、冷却用のポンプやファンが作動してしまうというやつ。
大した事でもないし別に実害もないという微妙な存在。
でも気持ちがスッキリしないのはハッキリしている。


こんな予想外な事に対して実害がないとスルーできる人と、立ち止まって悩む人がいる。
世間では
『細かな事を気にしてたら前に進まない』だとか
『成功したいなら細かな事は気にせず前に進め』とか言う。


シグナルタワーに割り付けた青LEDの光がこんな時には反って目障りな感じ。

成功する人になりたくて、もちろんスルー。









・・・・・分かっちゃいるけど何度も電源を入り切りしてしまう。

なんにもしていないので、何も変わらない。

点かないで欲しいときに点いたり、回って欲しくないときに回るのって作り手としては鬱陶しい。



電源を入り切りしているとその間、温コンの内部リレーの音がするのと前面パネルの小さな緑色の表示が点灯している。
準備時間の間に接点がONしてるという事。

3.8Aほどあった起動電流(ピーク値)はどちらかというとファンが食うみたい。








接点がONで冷却系を起動さていたのをOFFで起動するようにリレー回路を見直して、温コンの出力動作を逆にする事で対策したけど、
そのうち何故か電源を入れてもその現象自体出なくなった。

理由は何か分からないけど新品でも無いのでそんなのもあるのかもしれない。
このままでもよかったけど不自然な回路になるので回路や設定を元に戻した。





お次はアラームについて。

流量低下時にはシグナルタワーの黄色LEDが点灯し、温度異常時は赤色LEDが点灯するようにしている。
溶接作業中はLEDが光っても気付かないと思ったのでブザーも併用することにし、ブザーを回路図に書き加えようとしたときに
気づいたのが、信号は2系統(黄色LEDと赤色LED)、ブザーは1個。
ブザーを共通にするとそのままでは片側の信号で両方のLEDが点灯してしまう。
干渉しないようにするか、ブザーを独立してそれぞれに付けなければならない。

音色を変えるとか理由があって2個にするならいいけど、意味もなく分けるのは芸が無いように思う。

干渉しないようにするには1個10円そこそこのダイオードが2個あれば済む話だけど手持ちにはなく、昔なら日本橋まで
買いに行ったけど今は面白みも無い日本橋にわざわざ行く気にもならない。
(昔は電子パーツを求めて電気屋街にオタクがいたけど、いまはオタク街にオタクがいるだけ。
電子工作が好きなんて女の子に言えない時代を過ごした自分としては、変に市民権を得た『オタク』には違和感を感じる。
がんばれ本当のオタク達)


ネットを探してマルツオンラインというショップに注文した。

25本で120円。送料が掛かるけど電車賃と変わらない。ガラス管ヒューズや熱収縮チューブも一緒に頼んだ。









実はこれ、今年の正月2日の話。
この頃のことを今頃ブログにアップしているのも遅いといわれそうだけど、それよりも元旦に組んでいてダイオードが必要になって
早く欲しいからとあれこれ探し、2日からやっていたこのショップに注文し3日に手元についたのは驚いた。



ダイオードは熱収縮チューブに納めるため“蛇の目基板”を細長く適当に切って取り付けた。
基板は安いからと言って紙フェルールとか使うと良くないと思っている。
特に車とかバイクをいじる場合は温度も上がるので紙だと何年かしたら飴みたいにになってしまう。









昔、親父に半田付けを習った。
半田の表面がツルンとして光ったようにならないとダメだと言われた。
熱を入れすぎると光沢がなくなり半田コテを抜く際に糸を引く。
“ぬれ肌”になっているか、他人が作った基板を見る時そんな半田付けを見てしまう。










こんな小さな基板やミニチュアリレーなどを配線の途中に入れた時にその処理のことを考える。
そのまま配線の途中でぶら下げることもあるけど、小さなリレーとかはどこかに固定しておいた方がいいのではないかと思う事がある。
タイラップも有効手段だけど、そればかりではこれまた芸がない気がする。


ときどきブログの写真のバックに写り込んでいるるCB750F。
こいつをいじってた時に気付いたことで、エンジン付近のハーネスの結束はアルミ製のバンドが使われていた。
安全じゃ何じゃと言われる最近のことではなく30年くらい前のこと。
当時、ホンダはこういった所に気を配っていているなと感心したのを覚えている。


真似てみることにした。










ホンダ純正は裸のアルミのままで、形状はベルト通しがあってそこに通して折り返して固定するようになっていた。
なのでちょっとタイプ違い。
熱収縮チューブは私の優しさのおすそ分け。素材には優しく。

女性には言い寄られないけど“素材”が現実にいたらきっと好かれているだろうと思っている。ああ妄想・・・・。










ミニチュアリレーに巻き付けて近くにあったターミナルのネジで固定した。
安心してリレーが動作してくれそうに思う。 ああ妄想・・・








来客あり。









二つ目の問題というか課題は、温度が上がって冷却系のポンプが起動した際、流量が上がって設定流量を超えるまで流量低下で
アラームが鳴ってしまう。
ほんの1秒ほど。なのでこれもさほど問題では無いけれど、冷却系が立ち上がる度にアラームが鳴るのは格好いいものではない。


ものの出来上がりを考えた時に、自分一人だとこんなことはきっと自分の中で消化してしまう。
これが仮に誰か第三者がいて、『今の音、何?』って聞かれたらあれこれ説明する羽目になる。
それは格好悪いし、それこそ完成度の低い機械ということになる。


これは遅延させるしかない。
“大人のおもちゃ箱”から遅延リレーを見つけだして回路に追加した。










1.5秒ほど遅延させると流量低下で引っかからなくなった。
動作的にはステキになった。何か嬉しい。
できればステキな女性も言い寄ってきて欲しい。 ああ願望。








温コンや流量センサーの出力は大抵、『抵抗負荷』となっている。
ヒーターなどは抵抗負荷だけどモーターなどは誘導負荷で突入電流が大きい。

壊れたら簡単に買い換えるほど資金をガレージワークに充てれないので壊れないように、それと何より機器に優しいようにとメーカーの指定に従い、
一旦小型リレーで受けてからモーターを駆動させている。

そんなことをしたり、余計な機能を増やしたため、電気部品の構成がごちゃついてしまった。










カバーは相変わらず何かに使っていたモノを再利用。
傷もあるけど懐にはやさしい。

冷却ファンが熱気をはき出すために側面のカバーにホールソーで空気取り入れ口を開けた。








冷却水の水は腐敗するため定期的に入れ替えが必要。
なのでその面のパネルは手で回せるネジにした。











職場に装置のメンテナンスをする人がいて、手袋をした手でやりにくそうに、パネルのネジをしょっちゅう緩めて開け閉めしていた。
お世話になっている人だったので作業性が良くなるようにとネジにちょっと細工してあげた。

ネジの先端を殺す。








ネジを殺した部分が案内役になり、スゥ~っとねじ穴に入ってくる。
ネジ部も必要なところだけ残すことで、無用にねじを回さなくてすむ。








自分のにも同じ事をした。








便利で効率的になるものは、ちょこっとしたことでも作っていて楽しい。










熱交換器の高さを上げたため背面のパネルを作り直したけど、ファンの開口径がちょっと大きくなってしまいブサイクになってしまった。
それをご近所の工作友達のkagayakiさんに見つかってしまった。







あまりの“ぶちゃいくさ”に同情してくれたのか、自作のCNCフライス盤でお洒落なファンカバーを作ってくれた。
材料はペット樹脂と言っていた。








『Double-pomp cooling system』
名前負けしそうなネーミング。
実はこれを見てちゃんと作らないといけないと思った。







ファンと背面パネルには隙間があるので旋盤でカラーを作ってみた。








引き締まった感がして稚拙な機械がかっこよく見えた。








アレコレ触っていて怒られて、しょげた。








随分掛かりましたが機械的には一応完成しました。
これから溶接機に接続して本当に使い物になるか検証していきます。






お次は溶接機本体とこの冷却水循環装置を載せるラックを作ります。
続きはまた今度。


TIG溶接機の冷却水循環装置を作ってみる その6 制御系電気配線

2016-02-11 06:04:56 | TIG溶接機用冷却水循環装置の製作
製作中の溶接機の冷却水循環装置の続き、その6です。

主要な部品の取り付けが完了したので電気系の配線になります。







工作マニアの中には強度や能力の計算が出来て、その上で材料の厚さや部品選定出来る人もいて憧れてしまいます。
自分にはそんなスキルが無いので、それを補完するように機能を持たせることにしました。

昔、バイクにオイルクーラー付けたら圧が下がってカムが焼き付いたなんて話がよくあって、圧力損失って大事だとと知りました。
ポンプが二台あるのも溶接機への送水と熱交換器の循環を独立させることで、圧力損失で送水量不足となる問題を考えずに済ますためです。
所詮、素人の工作なのでレベルの低いモノにならないようにとだけ、いつも心に留めています。







通電するとシグナルタワーの緑LEDが点灯し溶接機に送水するポンプが起動します。
水量が足りないと溶接機本体が『異常』と検知して溶接できなくなるので、送水量が不足していなかをキーエンスの流量センサーで監視します。
一定流量以下になると赤LEDが点灯しアラームが発報し分かるようにします。


冷却については冷却能力が足りずに『あっちっち~』となってしまわぬようにオムロンの温度コントローラーで水温を監視します。

冷却用のポンプとファンは通常停止させておいて水温が一定以上に上がったら起動するようにします。
ファンの音で起動しているかどうかわかりますが、4連のシグナルタワーの青が余りそうなので割り当てました。

冷却用のポンプは恐らく滅多に起動しなさそうなので、万が一エア噛みで流れない状況を考えてこちらも流量監視をします。
キーエンスのセンサーが一台しかなかったのでこちらは単純な浮き子式の流量計(面積流量計)を使いました。
流量が低下すると青LEDから黄LEDに切り替わりアラームが鳴って分かるようにします。


冷却しても水温が下がらず一定の温度(過熱)に達したら赤LEDが点灯しアラームで知らせます。


こんな仕様になるように電気配線を行います。









とりあえず配線図を書いてみました。

制御盤など組んだことがないので、その手のルールというか文法みたいなものは知らないため、ある意味適当な書き方です。

最初は温コンやリレーの端子上で配線しようとしていましたが、一つの端子に何本も線を接続できない事が分かり、急遽端子台で配線するように
しました。









端子台を取り付けるためにはステーが必要。









厚さ2mmのアルミ板。









こんなモノ作るのも、ちょっと楽しかったりします。








後からこんなモノを取り付けるのにアルミフレームは便利です。

さて何から配線していっていいか分かりません。
とりあえずリレーを手前に出してきて配線していき、元に戻した時に電線が長かったら切り詰め直すということで、順番に
配線していきました。

それとオムロンの温コンには警報出力が無いと言うことが後で分かったのでRKCの温コンと交換しています。
パネルのくり抜きサイズが同じだったが幸いでした。
(変わったことに気づいたあなたはプロかよっぽどのマニアです。)









回路図は実配線に合うよう書いていますが、書いた人と配線する人が同じなので間違いないか都度考えて作業するのですが、
頭が凝り固まって良いのか悪いのかが分からなくなります。









手書きで回路図を書いていましたが、水魚堂の回路図エディタ『BSch3V』と言うのがあったので、そちらで書き直してみました。
慣れるまで面倒に思えましたが一週間ほどしたら慣れてきて、素子も作図出来て意外と便利でした。
フリーソフトです。ありがたいです。










端子を圧着して熱収縮チューブを被せますが、これまで絶縁のためとばかり思っていました。
でもチューブを被せておかないと端子の付け根で電線の素線にストレスが掛かり、断線しやすくなるのが分かりました。
電線も被覆があっての強度。そのためにも熱収縮チューブが大切なのがよく分かりました。










センサーも温コンも“お古”なのでちゃんと動作するか不安だったので仮配線で動作させてみました。

通電と同時に送水ポンプの他に、冷却用のポンプとファンが数秒間回ってしまいます。
冷却用のポンプとファンはRKCの温コンが作動させています。
取説をよく見ると、電源ONのあと準備時間に約4秒間が必要ですと書かれており、この間接点がONしてしまっているようです。
必要なら遅延回路を入れるようにと書かれていました。







大人の事情で電流は3A以下に抑えたいと思っているのに起動時はピークで4A近い。







準備時間の間の制御出力を設定を変えると起動しないように出来そうな気がしたので、取説と格闘してちょっと深いところの
設定をいじってやることにしました。









段ボールであっても敷物があると、言ってもいないのに靴を脱いですわります。
考え事していない時は癒やされます。








ハンマーを使っていると、真似したがります。
考え事している時は、きついオヤジになってしまいます。嗚呼反省








まだつづきます。



ではまた

続きはコチラです。