オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

ベルトグラインダーのオーバーホール 鋳物のプラテンの溶接修理と保護メガネ

2011-09-24 02:39:42 | ベルトグラインダーのオーバーホール
北海道ツーリングで中断していたタイヤチェンジャーのオーバーホール


一部塗り足しと塗り直しがあったので「ついで」にオーバーホール中のベルトグラインダーも一緒に
塗装しようということで下準備です.


適当にハケで塗られたベルトグラインダー.  ・・・・きたない



塗装を剥離しようとサンドブラストを掛けたのですが,油性塗料と思しきこの塗装は軟らかくて
ブラストが掛かりにくい.


しかたがないので剥離剤で塗装を剥離します.
ホームセンターに行くと剥離剤も数種類売ってます.
どれも同じと思いきや,これがなかなか

右のサンデーペイントのモノは「強力」と書いている割にイマイチ.
カンペはよく剥離できて好きです.




分解時に気付いたプラテンのクラック.




錆落しのサンドブラストで完全に割れてしまいました.




鋳物の修理は難しいので上手くできるかちょっと心配.

本来なら鋳物用の溶加棒(溶接棒)を使うところですが,持っていないので一般的な溶加棒で
溶接します.


先ずはガスバーナーで予熱します.




開先をしてから面(ツラ)が合うようにセッティングしてから再度加熱.




仮付けをしてはスコヤをあてがって歪んでないか確認します.
溶接熱での歪みを抑えるために裏から表,端から反対の端へと溶接を進めていきます.




次いで本溶接です.
プラテンの裏側から溶接を始めたところ表側にクラックが入ってしまいました.



溶接の前に放電しながらトーチを動かして全体的に予熱を与えて,表側を溶接します.
溶接のアークを止めたとたん「パキン,パキン」と金属の歪音がします.


裏側を見るとクラックが入っています.
プレート材ならこんなクラックなど入らないのですが,さすが鋳物です.




「パキン,パキン」の音の源は金属内部のストレスで金属組織が移動するときの音と
「素材の妖精」が教えてくれました.


鋳物はもろいので砕けて飛んでこないか心配になります.

普段.溶接する際は遮光面の下に保護メガネはしないのですが,チェックのために遮光面を
開けないといけないので,念のため保護メガネを併用しました.

破片は熱いので眼球を焼いてしまうので本当に怖いです.


予熱時間を延ばして温度を上げながら溶接します.




徐冷はそっと自然冷却させます.
冷却後,ワイヤーブラシでこすってクラックがないかをチェックして,一応完了




終わってから「素材の妖精」が出てきて私にこう言ってくれました.

「次はストーブに乗せて,もっと熱くしてから溶接してね」と.


もし割れたらそうします.


サンドブラストして錆をとっても鉄はすぐに錆びるので市販のリン酸皮膜の出来る錆取り剤を
塗って塗装までの間,防錆処理をしておきます.



鉄って面倒で嫌い.



余談ですが
作業用の保護メガネ.

以前はこれを使っていました.




幼なじみからは「老眼鏡?」と聞かれ,友人の河童ちゃんからは以前笑われたことがあったので
今はこれです.



ちょっとかっこよくなりました.
なので雨の日にジョギングする時も使ったりします.


ではまた.







「ついでに」という魔物 ベルトグラインダーのオーバーホール

2011-07-28 03:13:19 | ベルトグラインダーのオーバーホール
整備や工作などしていると当然ながら必要なものが出てきます.
ホームセンターで買えるものもあれば部品商社やメーカーに発注するものなどいろいろ.


最近はありがたいことにモノタロウのような商社があって,ネットで簡単注文できて助かっていますが
送料が必要な場合もあるので,まとめ買いや金額が達するまで待って買うようにしています.


先日のエアコン修理の際のベアリングもモノタロウで購入したのですが,「ついでに」他のものも
一緒に注文しようという思考が必然的に湧いてきます.


ガレージで使用しているベルトグラインダー.




帯状の研磨紙がぐるぐる回って鉄や木を削ることができる機械ですが,最近ベアリングがダメに
なったようでキュルキュル音がします.

ベアリングを交換すれば直るのですが,元来DIY向け機械なので耐久性やパワーはそれなりなので,
先日(といっても随分前)中古のベルトグラインダーをネットオークションで買っていました.


三菱製のベルトグラインダー.
一般的なベルトグラインダーは片側にしか研磨ベルトが無いのですが,こいつは左右両側にあるため
粒度(粗さ)の異なるが研磨ベルトを装着しておいたりできる便利なタイプです.




こんな風に片側だけ角度を変えておけたりするので,シーンに合わせて作業するのにも手間入らず.




年式は不明ですが恐らく20年以上は経っているだろうと思います.
昭和の香りがプンプンする機械です.

掃除もせずに刷毛でササッと塗られた塗装を見ていると,きちんとしてあげたいと思ってしまいます.




研磨ベルトを外すとこんな感じです.




買ったものの使わずに車に積みっぱなしにしていたのですが,冒頭でお話した「ついでに」この
ベアリングも注文したくて,急きょ引っ張り出してきました.

モーターの両端とキラリと光るローラーの中にベアリングが入っているのですが,この状態では
ベアリングの型式が分からないので分解が必要です.


分解したら先ずお掃除です.長年の汚れを落としてあげます.

昔,親父が修理するために持って帰ってきたモノを掃除するのはいつもおふくろでした.
まじめだったおふくろがせっせと掃除していたのを思い出します.

あの世のおふくろに会いたくなることが今でもあったりします.




タイヤチェンジャーのオーバーホール中にもかかわらず浮気して,他に注力してしまうことが
いけない事だと分かっているものの「ついでに」という言葉には勝てません.

勿論ですが女性に対しての浮気心には負けたことがありませんです.はい.

ヒナドリエアコンがかなりうるさいそうなので早く注文するために夜なべして作業です.

汚れた上から塗装なんてしやがって・・・なんて思いながら歯ブラシでゴシゴシ掃除していると
クラック発見.




何かをぶつけたのでしょうか,プラテン(研磨面)を横から見るとクラックが入ったところが
曲がっています.



溶接で補修するしかないですが,鋳物なので注意が必要です.


ばらしたらこんな感じになりました.




夏のツーリングの準備もあるのですが,こんな作業をしているので全く手付かず状態.
かなり心配なのですが「ついでに」という言葉は魔物で,悪魔のささやきには勝てない日々を
送っています.

でも本来「ついでに」は,効率を良くするためのものですが大抵が効率が悪かったりします.
そんなことありませんか?

嗚呼,反省.
ではまた