オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

TIG溶接機の冷却水循環装置を作ってみる その5 表側のアクリルカバーの加工など

2016-01-26 07:28:05 | TIG溶接機用冷却水循環装置の製作

製作中の溶接機の冷却水循環装置の続き、その5です。

リアルタイムでは配線を終えデバッグして、中途半端な動作を詰めるため配線(回路)を見直しています。
それと、溶接機と一緒に載せるためのラックを製作中。

前回は後ろ側のパネルの製作にまつわる話でしたが今回は前側のパネル製作のお話。



前面のパネルには温度コントローラー(温コン)や流量表示器などの取り付けるため、四角い窓を開ける必要があります。
ドリルで四隅に穴を開けてノコギリで適当に切って最後にやすりがけをして仕上げてもいいですが折角なのでフライス盤で抜いてやります。

普通ならフライス盤のテーブルにクリル板を置いて加工するのでしょうが、テーブルには平行出ししたバイスが取り付けて有って
外すとまた面倒な平行を出さないとならないので、バイスはそのままで厚みのあるアルミ板を咥え、それにパネルを固定して
作業することにしました。








四角く窓をあけるだけの二次元的な加工なので四隅の座標を狙ってテーブルを横か縦に移動させるだけな単純な作業。

エンドミルと言うドリルのキリ先みたいな刃物(の外側)で、くり抜くのでテーブルの座標はエンドミルの半径分内側になります。







パネルの左上隅を原点とするため原点出しをします。
いつもはポイントマスターを使っていますが、今回は芯出しバー(アキュセンター)を初めて使ってみることにしました。







芯出しバーの構造は単純で上側と下側の二分割構造のものがスプリングで引き合ってくっついています。
作業方法も簡単で、わざと芯をずらしておいて回転させ、少しずつワークに接触させて振れを小さくしていきます。
やがて振れがなくなり一本の棒のように見えるのですが、そこからさらに接触させると一気振れが大きくなります。
その位置が測定位置で、芯出しバーの半径分足してやると原点になります。

誰が考えたか、すごい方法です。

でも何か誤差が多くてしっくりしません。










パネルの左上隅の座標が出たらデジタルスケールのX,Yをゼロ、ゼロにセットして、それを頼りにテーブルを移動させます。








四隅の角っこはどうしても刃物の半径分だけRが付く(丸まる)ので、後からヤスリで仕上げるか、さもなくば四隅だけでも小径の刃物で
加工してやる必要があります。
工作機械加工の先輩であるkagayakiさんに聞くと、先に小径ドリルで四隅に穴をあけておくと言っていたので、セオリーに従い真面目に
センタードリルでセンター穴を開けました。








その後Φ2mmのドリルで穴をあけています。








あとはエンドミルでくり抜くだけですが、Φ4mmのエンドミルをつかったので座標は内側に2mmオフセットした座標を
目標でテーブルを移動させます。







アクリル板なので柔らかく一気に削れそうなんですが、削る際の熱で切削面が荒れるので面倒でも少しだけ残して最後に仕上げが必要になります。







取り付ける温コンと流量計の表示器です。

開口寸法をゆるくすれば楽チンで入りますが、ゆるゆるな感じがして楽しくないので楽しい感じで取り付けられる寸法になるよう
現物合わせで開口してやりました。








大した加工でもなく、ただ手間だけかかって“費用対効果”の少ない作業。


それでも出来上がればやっぱばり嬉しい。

それなのに・・・縦横を間違えて違うところを開口してしまいました。

バカです。









隙間を空気取り入れ口とかにして何とかごまかせないか考えましたが無理でした。
面倒なパネルの切り出しからです。
お古のアクリル板の良いとこ取りの材料を使っているので残る部分はそれなり。
余計にテンションが下がります。


でもさすがに二回目。
開口寸法も分かり、追いかける座標だけ目立つように赤で書いたりして、余計なものに目が行って頭の中で混乱しないようしました。
バカはバカなりに、“ぼけオヤジ”は“ぼけオヤジ”なりに進歩です。








パネルにも『表面』と書いてやりました。

全く自分が信用できません。








Φ2mmのエンドミルがあったので、センターもみもドリルも省略して一発で行くことにしました。







あとはひたすら無心で座標を追いかけました。








さすがに二枚目は早いです。
心地よいスピードで加工できるとテンション上がります。
さっきの失敗がもう記憶にないのが『おっさん化』の証拠のように思えます。








部品もスッキリ入ったので上機嫌です。








動作表示灯に手持ちのシグナルタワーを組み込むことにしました。
そのままでは長すぎて入らないので旋盤でプラスチックの胴体を切って短縮加工です。







胴体の他、足も詰めてぎりぎりのサイズに短縮化。





浮き子式の流量計(面積流量計)はアルミのアングル材で作ったもので、その固定座部はLアングル部を縦に二叉に裂いて
曲げて作ったのもの。
真っ直ぐ立つように修正しながら作りましたが、それでも若干傾いているように見えて気持ち悪かったので
フライスで座分を仕上げました。






人間の目は正確と言われていますが、傾いていると気分が悪く、直角が出るとスッキリします。
スコヤで見て直角になっているのが分かると今度は喜びに変わります。
人間というのは不思議な生き物です。







ガレージに遊びに来た娘が『りんごジュース、りんごジュース』ってしきりに言っていいました。
何のこっちゃと思っていたら







六角レンチとシールテープの巻容器をストローとコップに見立てて私に見せようとしていました。

形から発想すら子どもの能力に感心したのと、そんな娘の姿が愛らしく思え思わずニンマリしてしまいました。







重量も増えて作業性が悪くなってきたのでキャスター付きの台車を作ることにしました。
普通合板が一枚だと強度が足りなさそうなので合板を2枚貼り合わせました。






次は電気配線。
あれやこれやと考えたらちょっと複雑になってしまいました。




続きはまた今度。
ではまた。

その6はコチラです。


TIG溶接機の冷却水循環装置を作ってみる その4 ホースの取り回しや裏のアクリルカバーの加工など

2016-01-12 04:14:56 | TIG溶接機用冷却水循環装置の製作
製作中の溶接機の冷却水循環装置の続き、その4になります。

前回は配管や電装部品のステーやサポートを作り、ポンプや熱交換器(HEAT EXCHANGER)を実装して、だいたいの構成部品を配置しました。







今回は温度コントローラー(温コン)や流量センサーの表示器などをパネルに取り付けたり、冷却水のホースの取り出しなどのパネル加工についてです。

パネルはスクラップの装置で使われていたアクリル板。
傷の少ない場所を選んで切り出すのですが、正確に真四角に切り出すのはきちんとやったつもりでも直角がでなくて苦い思いをすることが多いです。






樹脂板は切断や切削中の熱で溶けてくるので“たち”が悪いです。
樹脂を加工した人ならだれもが感じるんではないでしょうか。

金属と違って機械への負担は少ないですが樹脂加工はまた違ったノウハウが必要で、機械加工やさんも樹脂専門のところがあったりします。



切断箇所にテープを貼って切ると少し仕上がりがまっしなような気がします。








直角が出ていないと再度計測しなおして修正。
あまり楽しくないひとときです。







解けて出来たバリというより樹脂の『だまだま』をベルトグラインダーで整えます。









熱交換器の冷却ファンの口径は約Φ170mm。
手持ちのサークルカッターの有効径をはるかに越えているので、両刃で切るところを片刃にしてくり抜きです。
ウエイトが偏るため刃を外して土台だけ取り付けています。

刃物がビュンビュンまわるので結構おっかなびっくりです。








片側からだけではくり抜けないので初めにセンター穴をあけ、両側からくり抜いてやります。








そこそこな感じで自分としては満足したのですが・・・・・。







溶接機の下に置くつもりだったのでホースの取り出し口は、裏のカバーの上の方から取り出すつもりでいました。
でも製作を進めていくと、それでは隔壁パネルユニオンが冷却ファンのモーターの上に来ることになり、万が一継手から水が漏れたら漏電やショートになるため
予定を変更することにしました。

考えていたつもりでも現物を見ないと気付かないというのは悲しいことです。

冷却ファンの下側から出すとなると熱交換器を“かさ上げ”しなくてはらないので折角作ったパネルも作り直しです。






テンション下がったのでLアングルで作った熱交換器を取り付けるステーはこのまま使用し、カラーを作って“高床式”にすることにしました。


材料は17Sのアルミ材。旋盤で一皮剥いてやります。
ピカッとした面が出てくると気持ちいいです。







全長合わせて端面削って・・・・。








両面にタップ立てて・・・・。
タッパーがあるから快適。 うふふです。








底上げ用カラーの出来上がり。









熱交換器の位置が上がったのでアクリルパネルも・・・作り直し。
アクリル板を真四角に切り出すために苦悩の世界に逆戻り。








冷却水の取り出し口の取り付ける継ぎ手のことを『隔壁継手』とか『隔壁パネルユニオン』とか言います。








そのままパネルに取り付けただけだと継手を締めたり緩めたりしているうちにナットが緩んでしまうことがあります。
“ゆるゆる”な隔壁継手にならないようにメーカーでは継手が空回りしないようにパネルに突起を設けるなど処置がしてあります。


継手を締めたり緩める際に気をつければしまいな話ですが、セオリーに従って回り止めを作ってやりたくなりました。









新品の材料が使える潤沢な資金があればいいですが、男前な金使いが出来ないので使う材料はいつもながらの“お古”の材料です。
使えそうな材料を選んで、これまた使えそうな部分で加工しなければならないので余計に時間が掛かります。








フライス盤にセットして原点出しをしてナットを収まるための溝を加工します。

おおよそで削って、あとは現物合わせで両側を均等に削って広げて行きます。

こんなとき優秀な加工者はコンマ何ミリ広くすれば丁度いいというのを知っているので、ナットの幅を測って頭の中で削り幅をすぐに出してしまいます。









一般的な公差で設計屋さんが図面をひいて、図面通りに加工屋さんが加工して・・・・・。
それを何も感じずに組み立てる人もいますが、中には『ここ、こんなに“ゆるゆる”でなくてもいいのに』って思う人もいたりします。

量産やコストを考えると『許容差』は広くせざるを得ませんが、そうなると『ビシッと感』やフィットさせた際の『心地よさ感』は薄らいでいくように思えます。









ハイトゲージでセンターをけがいてポンチを打ってボール盤を使いホールソーで穴を開けます。










アルミをホールソーであけると切り子で目がすぐに詰まってしまって加工性が悪いです。
『ちょっとあけては切り子を取って』の繰り返し。







ホールソーのセンタードリルの食いつきで狂ったのか、穴とナット溝が合いません。
心地よいフィット感を求めて公差をきつめにしたのですが、ちょっとでも狂うと誤差を吸収できなくなってはまらなくなります。

心地よさを求めた代償です。







1mm大きいホールソーがあったのでフライスでセンターを拾って・・・・・








ずれた分だけオフセットさせて修正加工。










なのにどうして、こんなときに。

切り子がホールソーの目に詰まって『ぎゃっ』っという悲鳴にも似た音がして・・・・。







切り子で噛み込んで切り口が高熱でアルミが溶けてガタガタに・・・・・。

悲しくてテンションがたさがり。








日を改めてやり直し。
やり直すなら別の日が良いとつくづく思います。
寝るとリセットされるので前回の失敗を反省材料にしようとする思考が働きます。

私も猿ではないということです。


で、再作製ですが『心地よい』溝幅が分かっているので前回よりは作業がはかどります。








今回は『ハイトゲージでセンター出してポンチで穴の中心を出して・・・』みたいなことせず、フライス盤のデジタルスケールでセンターを出して
センタードリルでもみ付けまでしました。



さすがセンタードリル、ホールソーの粗いセンタードリルをものともせずに中心へ誘ってくれます。







機械加工で作ったので当然精度も出てピッタリと隔壁パネルユニオンが収まってくれます。
でも出て当たり前。
本当ならこんな程度の穴あけをフライス盤に頼るようではダメ。
ポンチ頼りにボール盤でパシッと出来ないようではあきません。

今回は機械に助けて貰ったというなんとも頼りない技能力でした。







それでもスッキリ付くと気持ちが良いです。
こんなことをよくするようになったので最近ようやくフライス盤が身近なツールになってきた気がします。








娘が遊びに来たら一休み。
見よう見まねで掃除をしたりします。







作業時に空きスペースがあったときはブランコに乗せてやります。













最近はみかんを差し入れしてくれます。








本当は自分が食べたいから私をだしにしているみたいです。







ホースの取り回しを考えます。
無理なく、そして水の入れ替え時にタンクを取り出すので余裕をみて。
どれがベストか答えがないのでこんな事も時間がかかります。







近所の工作友達の『kagayakiさん』が自作CNCフライス盤でこんなの作ってくれました。

『とわねモン』

茶髪の兄ちゃんですが勉強家で工作力の高さは脱帽です。





 
もう少し書きたかったですが、長くなったので続きはまた時間にします。
いつもながら“しょうもない”ネタを長々とすみません。
ではまた。

その5はコチラ

2016年 謹賀新年

2016-01-02 03:29:02 | 日記(家族)
年が明け元旦の朝。

いつもながらに朝が弱く、9時を廻ってもお布団と戯れました。

『お布団大好き』


初日の出を拝むとか出来る人がうらやましい。



待ち遠しそうにしていた寅次郎とみんなで散歩に出かけた。








いつもと変わらない風景が実は幸せだったりする。






『ゾンビランド』というゾンビ映画で好きなセリフがあります。

世紀末の世の中で最愛の娘を失った強面なオヤジが主人公の青年に言った一言。

『ちっぽけを楽しめ』








特別じゃない、いつもと変わらない事をかみしめて生きていくことが大切じゃあないかとよく思ったりします。










日が傾き始めた頃になって近所の神社に初詣に行くことにしました。






意外と結構な人が来ていた。






先月、七五三のお参りをした神社もここ。








大晦日に注文したみかんが届いた。






オークションでいろんな人からみかんを買ってたべたけど、今は同じ農家の人に直接注文して送って貰っうようになりました。

減農薬で防腐剤の使ってないみかん。









ネットで見つけた変わった皮のむき方。








娘はこの剥き方を何故か『怖いみかん』と言います。










夕方、娘が眠った隙にちょこっと二・三時間、製作中の冷却水循環装置をいじってみた。

だいたい動くようになったので温コン(温度コントローラー)や流量センサーの設定の見直し。

使い慣れてないので設定がややこしい。








そんな感じの元旦の一日でした。

今年はもう少し技術的要素の高いモノ作りをしてみたいとおもいます。

今年も一年宜しくお願いいたします.