とら母(嫁)が3年ほど前に懸賞で当てたネスカフェのバリスタというコーヒーメーカー。
豆ではなくインスタントコーヒー『ゴールドブレンド』専用なので、すごく美味しいとかはないけど、お湯を沸かしたりしなくてもいいのと、
エスプレッソタイプやカプチーノ、カフェラテなどが手軽に楽しめて毎日使っています。
先日のこと、いつものようにとら母がお手入れをしてたときのこと、
『あれ? 取れた』と言って小さな“かけら”をくっつけようとしていた。
手にしていたのは『攪拌部』というバリスタの主要部品の一つ。
ハッキリとは分かららないけど作動音を聞いた限りではお好みのメニューに応じたコーヒーが上部タンクから攪拌部に落とされ、本体のポンプから
送られた熱湯で溶かされ、下のカップに注がれるみたい。
高圧を掛けて抽出するエスプレッソと違うものの、細いノズルから熱湯を噴出させて溶くためか、よく泡立って見た目はエスプレッソ。
なのでエスプレッソタイプ(エスプレッソ風)と呼んでるみたい。
取れたと言ったものは本体との接続部分で、熱湯が送られてくるためOリングでシールされていて、その“Oリング溝”の先っちょが欠けた破片だった。
ただ、普通なら破断面って一致するはずななのに、どの向きにしても合わない。
ひょっとして本体側の部品かもって一瞬思ったほどだった。
よくよく見たら熱で炭化して脆くなってしまっているようだった。
ネットで同様に破損した人がいないか検索するがヒットしない。
それよりも詰まったとか動作しないとかあって、結構みなさんバラしている。
おまけに分解するのにカバーの爪が100%欠けるという、なんともバラしたくない商品。
それよりも攪拌部を検索したら先にメーカーのオンラインショップで補修部品として販売していることを知った。
1620円也。
何年も使っていて部品もそれなりに劣化しているだろうし、後継モデルは使い勝手も良くなっているようで、そう考えると微妙な値段。
オークションで中古品が出てないか探してみたものの、見向きもされていないかと思いきや意外と需要があって価格に旨味を感じない。
修理も考えた。
プラスチックで出来た部品なので、修理するとしたら先ずは接着剤。
でも熱湯が通る所なので保たない気がするし接着面積が小さすぎる。
半田で溶かして付けるのも上手くいく気がしないし、プラリペアでも同じく接着面積が小さすぎる。
あきらめて男らしく新型バリスタを買おうかと一瞬思った。
こんなときチマチマ修理して直そうなんて考えるよりも、あっさりお金を払って部品を買う方が男前。
そんな男を目指した。
やっぱり男前にはなれなかった。
先っちょだけ金属でつくろう・・・なんて考え始めた。
買うということから修理する方に舵を切ったら、あとは落ちていく一方。
1620円という僅かなお金にために時間という大切なものをを無駄にする自分。
材料はステンレスがいいけど加工が面倒。
アルミは加工しやすいけど水分でやられそうで何かイヤ。
真鍮なら加工性もいいし水廻りにも使ってそう。
真鍮で行くことにした。でも材料がない。
材料を手配して、なんてしてたらテンション下がるから手持ちで真鍮の部品を探してみた。
あった。
ローレットが付いて手締めが出来るネジ。
真鍮にメッキがしてある。
取り付け方法はネジ込み式。
真ん中に通し穴をあけないといけないので肉厚が余りなく、ちょっと気がかり。
図面とか段取りとか考えずに頭に描いたイメージで削りはじめた。
モノが小さいから加工しにくい。
段取りが命。
外形が3.4mmほど。
貫通穴を開けるためにセンタードリルでもみ付けしておいた。
とりあえず長いOリング溝の先端の部分だけを形作ってみた。
中心の穴径はΦ1.3mmにしてみた。適当
もうちょっとって所でチャックから外れて落っこちた。
・・・・掃除しておけばと思った。
切り子を全部掃除したけど見つからなかった。諦めかけた時、途中で引っかかっているのを見つけた。 ホッ。
お次は全長が合うように端面を削ってみた。
ネジ込んで取り付けるためネジを切る。
細かいので虫眼鏡の登場。
いつかCCDカメラで写してモニター画面を見ながら作業出来るようにしたい。
旋盤でネジを切る時最後は『切り上げ』ってのをしないといけない。
でもネジ部の長さが短いので切った瞬間に切り上げないとならないので無理。
なので左からネジを『逆ネジ』で切ることにした。
それならば切り上げる必要がなくなる。
虫眼鏡を見ながらねじ切りの刃物を左端ぎりぎりまで寄せる。
チャックとバイトの間隔もあまりない。
とりあえず、できた。
キャブレターのメインジェットみたい。
大きさはこんなくらい。
攪拌部に取り付けてみた。
・・・真っ直ぐにねじ込まれない。
真っ直ぐにねじ込まれない理由が分かった。
攪拌部の外形は真っ直ぐだけど、中の流路(穴)が斜めにあいている。
それはまだしも、穴が炭化してるのでネジ込みがゆるい。
ダメダメ
・・・・で、作り直し。
でも二個目は段取りが分かってるだけにちょっと楽。
外形を0.3ミリほど太めにして作り直した。
意外とすぐに出来た。
新旧並べてみた。
ちょっとだけクオリティも上がった。
取り付けてみた。
今度はしっかりねじ込めた。
斜めに付くのは見た目が不細工だけど、本体側の内径に干渉しないので問題はない。
でも斜めってるのはイケてない。
まあ、イケてないおっさんが作るものなので仕方が無い。
修理というか、修復完了。
復活バリスタ。
先日寅次郎が体調崩したと言いましたが、いつもに戻っての“まったり寅次郎”で元気にしています。
おっさんですが、またかわいがってやってください。
ではまた。
豆ではなくインスタントコーヒー『ゴールドブレンド』専用なので、すごく美味しいとかはないけど、お湯を沸かしたりしなくてもいいのと、
エスプレッソタイプやカプチーノ、カフェラテなどが手軽に楽しめて毎日使っています。
先日のこと、いつものようにとら母がお手入れをしてたときのこと、
『あれ? 取れた』と言って小さな“かけら”をくっつけようとしていた。
手にしていたのは『攪拌部』というバリスタの主要部品の一つ。
ハッキリとは分かららないけど作動音を聞いた限りではお好みのメニューに応じたコーヒーが上部タンクから攪拌部に落とされ、本体のポンプから
送られた熱湯で溶かされ、下のカップに注がれるみたい。
高圧を掛けて抽出するエスプレッソと違うものの、細いノズルから熱湯を噴出させて溶くためか、よく泡立って見た目はエスプレッソ。
なのでエスプレッソタイプ(エスプレッソ風)と呼んでるみたい。
取れたと言ったものは本体との接続部分で、熱湯が送られてくるためOリングでシールされていて、その“Oリング溝”の先っちょが欠けた破片だった。
ただ、普通なら破断面って一致するはずななのに、どの向きにしても合わない。
ひょっとして本体側の部品かもって一瞬思ったほどだった。
よくよく見たら熱で炭化して脆くなってしまっているようだった。
ネットで同様に破損した人がいないか検索するがヒットしない。
それよりも詰まったとか動作しないとかあって、結構みなさんバラしている。
おまけに分解するのにカバーの爪が100%欠けるという、なんともバラしたくない商品。
それよりも攪拌部を検索したら先にメーカーのオンラインショップで補修部品として販売していることを知った。
1620円也。
何年も使っていて部品もそれなりに劣化しているだろうし、後継モデルは使い勝手も良くなっているようで、そう考えると微妙な値段。
オークションで中古品が出てないか探してみたものの、見向きもされていないかと思いきや意外と需要があって価格に旨味を感じない。
修理も考えた。
プラスチックで出来た部品なので、修理するとしたら先ずは接着剤。
でも熱湯が通る所なので保たない気がするし接着面積が小さすぎる。
半田で溶かして付けるのも上手くいく気がしないし、プラリペアでも同じく接着面積が小さすぎる。
あきらめて男らしく新型バリスタを買おうかと一瞬思った。
こんなときチマチマ修理して直そうなんて考えるよりも、あっさりお金を払って部品を買う方が男前。
そんな男を目指した。
やっぱり男前にはなれなかった。
先っちょだけ金属でつくろう・・・なんて考え始めた。
買うということから修理する方に舵を切ったら、あとは落ちていく一方。
1620円という僅かなお金にために時間という大切なものをを無駄にする自分。
材料はステンレスがいいけど加工が面倒。
アルミは加工しやすいけど水分でやられそうで何かイヤ。
真鍮なら加工性もいいし水廻りにも使ってそう。
真鍮で行くことにした。でも材料がない。
材料を手配して、なんてしてたらテンション下がるから手持ちで真鍮の部品を探してみた。
あった。
ローレットが付いて手締めが出来るネジ。
真鍮にメッキがしてある。
取り付け方法はネジ込み式。
真ん中に通し穴をあけないといけないので肉厚が余りなく、ちょっと気がかり。
図面とか段取りとか考えずに頭に描いたイメージで削りはじめた。
モノが小さいから加工しにくい。
段取りが命。
外形が3.4mmほど。
貫通穴を開けるためにセンタードリルでもみ付けしておいた。
とりあえず長いOリング溝の先端の部分だけを形作ってみた。
中心の穴径はΦ1.3mmにしてみた。適当
もうちょっとって所でチャックから外れて落っこちた。
・・・・掃除しておけばと思った。
切り子を全部掃除したけど見つからなかった。諦めかけた時、途中で引っかかっているのを見つけた。 ホッ。
お次は全長が合うように端面を削ってみた。
ネジ込んで取り付けるためネジを切る。
細かいので虫眼鏡の登場。
いつかCCDカメラで写してモニター画面を見ながら作業出来るようにしたい。
旋盤でネジを切る時最後は『切り上げ』ってのをしないといけない。
でもネジ部の長さが短いので切った瞬間に切り上げないとならないので無理。
なので左からネジを『逆ネジ』で切ることにした。
それならば切り上げる必要がなくなる。
虫眼鏡を見ながらねじ切りの刃物を左端ぎりぎりまで寄せる。
チャックとバイトの間隔もあまりない。
とりあえず、できた。
キャブレターのメインジェットみたい。
大きさはこんなくらい。
攪拌部に取り付けてみた。
・・・真っ直ぐにねじ込まれない。
真っ直ぐにねじ込まれない理由が分かった。
攪拌部の外形は真っ直ぐだけど、中の流路(穴)が斜めにあいている。
それはまだしも、穴が炭化してるのでネジ込みがゆるい。
ダメダメ
・・・・で、作り直し。
でも二個目は段取りが分かってるだけにちょっと楽。
外形を0.3ミリほど太めにして作り直した。
意外とすぐに出来た。
新旧並べてみた。
ちょっとだけクオリティも上がった。
取り付けてみた。
今度はしっかりねじ込めた。
斜めに付くのは見た目が不細工だけど、本体側の内径に干渉しないので問題はない。
でも斜めってるのはイケてない。
まあ、イケてないおっさんが作るものなので仕方が無い。
修理というか、修復完了。
復活バリスタ。
先日寅次郎が体調崩したと言いましたが、いつもに戻っての“まったり寅次郎”で元気にしています。
おっさんですが、またかわいがってやってください。
ではまた。