オクテック ガレージ ブログ OKU-TEC garage

大した人生ではないけれど,それでも読み返せば思い出されるあのときのこと.消えないように,そして生きた証になるように

続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 上塗り塗装編その2とHf蛍光灯に交換

2011-07-19 02:25:40 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
定番の「赤」でタイヤチェンジャーの本体や支柱を塗ったので,お次はターンテーブルや
機構部品の塗装です.

全部赤色ってのもちょっと変なので黒で塗ってみました.




大きくて重たい本体がなくなったので塗装ブースも少し広く感じて作業がしやすいです.

塗装の後は焼付け
燻製や干物がぶら下がっているようです.




ターンテーブルは単管パイプで吊っているので,時折回してあげて焼付け温度を保つように
してあげます.




満遍なく焼付けてあげて,ほぼ塗装は完了.


塗装した部品を並べてみました.
赤と黒の単調な色使いですが,まあご勘弁ください.




ウレタン塗装の優れているところの一つが「肉持ち」.

一度でラッカー塗料の数倍の膜厚に塗れます.
ラッカー塗装では味わえないこの肉持ちは,一度味わうと戻れません.




さて,あとは組み立て.
せっかくの塗装に傷が入らないように慎重に作業です.

でも,ばらしてからだいぶ時間が経ったので組み立て方を少し忘れてしまいました.

ふ~.


=====================

ガレージで作業していると,何か少し暗い.

よく見るとガレージの蛍光灯が片方点いていない.




この蛍光灯は片方が点かなくなると両方とも点かなくなるタイプ.
蛍光管がダメになったのではなく中の安定器が壊れていました.

この器具は親父がここで店を始めた時のヤツなので30年くらい.
ナショナル(現パナソニック)製のこいつは,よく働いてくれた方だと思います.


随分前に電気工事屋さんをやっている幼なじみに器具を貰っていたので,交換することに
しました.


電子式の安定器.すっごく軽いです.




貰った器具は「Hf」と呼ばれる,より高効率で低消費電力のもの.
もちろん電圧も周波数もフリーの良いやつです.




管もHfのをセットでくれました.




省電力な上に明るい.
技術の進歩ですね.


感謝です.

ではまた.







続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 上塗り塗装編その1と,にゃんぞうさんからの贈り物

2011-07-16 00:50:24 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
下塗りのプラサフ塗装を終えたタイヤチェンジャー.

プラサフ塗装の次は上塗り,新しく生まれ変わるためのお色直し塗装になります.

素敵なタイヤチェンジャーになるか,ショボショボ・タイヤチェンジャーになるかが決まる
大切な作業です.

色をたくさん買えばカラフルなタイヤチェンジャーに仕上がるのですが,プラサフに上塗り一色と
硬化剤にシンナーを買ったら1万円コース.


そんなに気合を入れてオーバーホールするつもりでなかったので白色を一色だけ買って純白の
タイヤチェンジャーにするつもりでした.

勝手なものでオーバーホールが進むにつれ,他にも色を加えたいなあと欲が出てきたりします.


少し前のこと親戚が亡くなって久しぶりに親戚が集まった.
悲しいかな親戚が一堂に会すのが葬式になってしまったことに寂しさを感じつつ,塗料メーカーに
勤める従兄弟に「二液型のウレタン塗料ってな~い? あったら欲しいねん」って言ってみたら

「いいよ」と返事が帰ってきた.


私より一つ年下の彼は,私よりも出世して課長さんになっていた.
ちなみに私は万年ヒラ社員です.


何が欲しいと聞かれたので欲張って,
「赤と白と黒とクリア,それとプラサフにシンナーも一式ちょうだい」と言っちゃった.

震災後の計画停電で大変だった時に送ってくれたのがコレ.



「サンプル」って表示が得した気分を盛り上げてくれます.
(業務に支障がでてはいけないのでモザイクをかけています.
従兄弟のJちゃん,ありがとうね~)


さて,お色を何にしようかと思ったのですが,やっぱり「赤」が一番お似合いな気がします.




硬化剤と混ぜるために缶から塗料を取り出すのに,下手をしたら缶の口に塗料がべったり
付いて汚くなるのでコレですくってます.



そう,洗濯洗剤についている計量スプーン.
便利です.



缶の口にマスキングテープを貼ると,塗料が滴っても大丈夫.



快適に作業をしましょう.おっさんは特に.
(マスキングテープをV字に貼って,缶を傾けて注ぐのも有りです.)


少量なのに主剤と同じくらい高価なのが硬化剤.
使い切る前に劣化してしまうこともあり,「冷暗所に保管」となっているので皆さん
冷蔵庫に入れられたりしています.

こいつの劣化は空気中の水分と反応によるものなので,使用後は空気を抜いてあげると持ちが
良いそうです.

「かつお節」などを不活性(窒素)ガスで封入して風味を保たせようとしているのも,
似たようなもの.

我が家には溶接用のアルゴンガスがあるのでそれでパージしてあげます.



長持ちしてね.



さて,塗装は先ずは裏側と塗膜が薄くなる角や端っこから先に塗っていきます.




低圧スプレーガンも要領が分かってきたので快適です.


実は頂いたこの塗料.焼付け塗料で本来なら120℃×30分で焼かないといけません.
従兄弟の説明では時間は掛かるけど自然乾燥でもOKらしく,その場合は7割程度の塗膜性能に
なるといっていた.




「理想は80℃×30分は欲しい」と書いてある.

そういうのを見たら焼いてみたくなるのが人情.
通常は高温釜に入れて焼くのですが,そんなのあるわけ無いので電気ストーブで焼きます.



このストーブ,親父が生前,店舗で使っていたヤツで,ヒータ線が4本入っていて200V 2KWと
一般用の電気ストーブの倍の能力があって,なかなかの働き者.
冬はこれ1台でガレージが暖かくなります.

こいつを2台使って焼いてやります.


せめて80℃以上では焼きたいところ.
どれくらいの温度になっているかは放射温度計で測定します.





熱が逃げるので温度が上がるようにあっちゃ向けたり,こっちゃ向けたりして,まんべんなく
焼きます.




背の高い支柱も向かい合わせたり




高くしたり




塗装ブースの中は当然暑いです.サウナのよう.

ストーブにかざしてもすぐに熱くなる訳ではないので,時折中に入って温度を測っては向きを
変えてあげたりします.

たくさんパーツがあるのと,火事になりそうものがたくさんあるので目が離せず,何度かに
分けて塗ったので,明け方4時くらいまで連日ずっとこんな作業です.



ターンテーブルなどは黒色で塗るので,続きはまた今度.

追伸
先日,湘南で研磨材を扱っている「富士研磨砥石商会」さんから,棚卸で出てきたモノを
送ってくださいました.




研磨材などの消耗品から工具まで色々と頂いて,ありがたいです.
にゃんぞうさん,ありがとうございました.



続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 下塗り塗装編

2011-07-11 03:24:47 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
少し工作(作業)ネタから離れた日記が続いていましたが,絵画やジョギングや食べ物なんかの
日記を書いている間でもガレージ作業は詰まっていて,休み無く続けています.


で,タイヤチェンジャーのオーバーホールの続きですが,現在塗装を終えようとしています.
まずはその始めの方のお話を少し.

塗装するワークのセッティングとマスキングを行い,さて塗装・・・と行かないのが塗装の面倒なところ.




油分が付着していると塗料を弾いてしまうのでプレソルベントで一つ一つ丁寧に脱脂を行います.
元の塗装を剥離してブラストや錆取り剤などを使って下地処理を行ってきているので,ここでいう
「油分」というのは,ほとんどが人間の油や汗によるものです.

なので素手で触るのはご法度.手袋を着用して作業です.




不織布をマメに取り替えて脱脂作業.塗装は段取りが多くて面倒です.


塗装ブース内は換気扇を回していても有機溶剤でいっぱいです.無防備で作業するとシンナーで
脳みそが溶けて,あんぽんたんになるので防毒マスクを着用します.
これはとら母が懸賞で当ててくれた塗装用のマスクです.感謝です.




目も大切.老眼の第一歩を踏み出したとはいえ大切な瞳,ゴーグルも着用します.
長袖長ズボンでこんな感じになります.




つぶらな瞳のおっさんです.


下塗りに使うプラサフはロックペイントのミラクルプラサフHBという二液型のアクリルウレタン樹脂
塗料です.

硬化剤を必要とするウレタン塗料の中でも比較的廉価版のプラサフになります.
とはいえ,ホームセンターで売っている自動車補修用の缶スプレーよりもずっと高く,塗膜も強いです.

塗料と硬化剤を重量比で5:1に正確に混合させます.
こんな時に便利なのがデジタル式のハカリ.
容器を載せても攪拌棒(割り箸)を載せてもゼロリセットが出来てちょ~便利.




アネスト岩田の低圧スプレーガンの使い勝手がよく分からないのでテストを兼ねて塗ってみます.
部品点数が多いのでブースに2時間近くこもって塗り上げました.



透明感が漂っていた塗装ブースが「冬景色」になったようです.



気温が高いのでシンナーを標準より5%ほど増やしたのですがガンのセッティングが分からず,ユズ肌に
なってしまいました.




ユズ肌をリカバリーしようとしたら垂れちゃいました.・・・難しいです.




ダブルアクションサンダーで表面をサンディングします.
一般的に塗装の際のサンダーはエアー式をよく使われますが,私のは電気式.
電動モーターが有る分,重いのですが電子式のスピード調整が付いていて夜間など低速に
することで静かにサンディング出来るので便利です.




翌日プラサフの状態をチェックすると,にっくき「錆」がプラサフを突き破って出来てました.




腹立つ~.

サンドブラストで剥離して更にリン酸系の錆取り剤で除去.




写真でチェックしていると裏側の見えにくい所にうっすらと錆が出ていたのに気付く.

あ~,腹立つ~.




その部分だけサンダーで一皮向いて,リン酸系の錆取り剤を塗布.




あ~,だから鉄は嫌い.


塗膜も薄く透けているところもあったので別の日に再度塗装することに.

その前にアネスト岩田に電話してアドバイスを受けますが,普通に使える人もいるみたいですが,
気難しくて使わなくなった人もいるみたい.

知り合いの工作仲間の方にもセッティングを教えてもらって再チャレンジ.

紙コップでは容量が足りないので大きめのカップで調合.




塗装しているうちに本体の裏側の見えない所や支柱の裏側も塗りたくなったので,併せて塗ってみました.




アネスト岩田の低圧スプレーガン(LPH-100)ですがパターン調節と塗料調節がシビアで1/4回転で
塗料の状態が大きく変わるようです.

またパターン調整を絞ると空気量が増えすぎるためレギュレータで0.03MPaほど下げないといけないことが
分かりました.


気難しいスプレーガンですが塗料の無駄が少なく,0.07MPaほどでも十分に霧化してくれるのは流石です.


次は上塗り.
ではまた.


続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 塗装の準備は終わりません

2011-06-09 02:18:41 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
タイヤチェンジャーのオーバーホール.

塗装ブースの準備がひと段落ついたので,実際に塗る準備に掛かります.
今度こそ錆びる前に塗装しなくてはと思いつつも,意外と準備にも時間が掛かっています.

今回の塗料は二液性のウレタン塗料を使います.
一旦,硬化剤を入れると使い切らないといけないので,段取り良く塗るために塗装する
部品を整理します.
百均で買ってきたSフックも全然足りなかったのでアルミの棒材を曲げてSフックを
追加しました.




重たいターンテーブルを塗るのにどうしようかと思ったのですが仮設用の単管パイプを
組んで置き台にしてみました.




今回塗装に使うガンは岩田の低圧スプレーガンLPH-100です.

もう随分前に買ったガンですが,当時吹き付け圧力が低くても塗料が微粒化されるという
低圧ガンが流行り始め,国産モデルで先駆け的なのがこれでした.




一般的なガンで吹くと周囲に塗料ミストが飛び散って粉だらけになるのですが,これは
圧力が低いため塗料を無駄に消費することがなく,ブース内で使用するにも都合が良いと
されています.

ただ,以前に一度だけラッカー塗料を吹いたのですが,思ったほどうまく霧にならず
ブツブツ状なミストになったのでお蔵入りしていました.


メーカーに確認すると気難しいガンで,ちゃんとセッティングしてならないとだめだと
いうことなので,今回は再チャレンジということでガンにレギュレータを付けてみました.



もう少し小さなレギュレータがあればよかったのですが,とりあえずこれでやってみます.


ブース内にエアーを引き込むのに,念のためレギュレータ付きのミストセパレーターを
追加することにしました.
ガレージの宝箱からそれらしいのを探し出してっと・・・




塗装ガンを引っ掛けておくホルダーも付けてみました.
単管クランプの「直交」タイプをリベットアウトして単品クランプにして,それを取り付けています.




ブース内の単管に取り付けてるとこんな感じです.




まあこんなことばかりしているので肝心な実作業が遅れてしまっています.
次回こそは塗装したことを書きたいと思います.

ではまた.



続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 塗装の準備ですがやっぱりジジ盆作業

2011-06-05 02:36:00 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
タイヤチェンジャーのオーバーホールの続きです.


錆取り剤と戯れながらようやく錆取りに目処がついてきたので次は塗装です.

屋外で塗るわけにはいかないのでガレージ内で塗装するわけですが,そのままガレージで
塗装したら,臭いし塗料のミストだらけになるので簡易的でも塗装ブースが必要になります.
なので塗装の前に,塗装ブースを準備します.

塗装ブースといっても周りを囲うだけの簡単なものです.ただ,周囲を囲ってしまうので
換気しないと塗料まみれになるので,先ずは換気対策です.


垂木を格子状に組んで




小窓を残してベニヤ板を貼って塞ぎます.




小窓に換気扇を取り付けてドアにはさみます.




上側は引っかかりがあって下側をレールに差し込むようにしているので,ドアが開いても
外れません.




塗装ブースの「囲い」は養生シートを利用します.囲うために柱を立てないとだめなのですが
こんなのを買ってみました.




名前は「サポートリフター」
天井に板などを貼る時に使う突っ張り棒です.
1本1680円で,意外と安いものです.




ある程度伸ばしておいて,ハンドルをコキコキ握るとロッドが伸びてくれて,こんな風に
天井と床の間でギュッと突っ張ってくれます.




換気扇で換気するのでどこかに吸気口が必要になります.

百均のメッシュ(網)に換気扇用のフィルターを貼り付けてブースのフィルターにします.




ワークを吊るすために百均でSフックをたくさん買ってきました.




サポートリフターを突っ立てて養生シートを貼りこんでいる最中です.




こんな準備をしている間に,ちゃっかりと「錆」が出てきやがりました.

塗装の前にまた錆取りです.


では,次は塗装中のブログを書く予定です.(予定ですよ)

それではまた.


続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 錆と戦う やっぱり鉄は嫌い

2011-05-27 01:45:02 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
もはや「ジジイの盆栽いじり的作業」になってしまっているタイヤチェンジャーのオーバーホール.

休みの日になると,地味ですが細々と作業をしています.

前回,ターンテーブルの軸が抜けてベアリングとOリングの交換が出来る状態になり,ベアリングは
手配済み.




あとは塗装と組み立て.
気軽に考えていたものの,塗装といえば下地作りが重要.

錆は塗装の大敵,グラインダーでギュ~ンって大部分は削り落とせたものの・・・・




こんな下地にめり込んだ錆がどうしても取れず,気になって仕方がありません.




ピカッと光った下地が見たいのに・・・.



「欲張り厳禁」「深追いはもっと厳禁」
そう自分に言い聞かせ取れる範囲で錆を落とします.

ターンテーブルの表側は作業面になるのでどうしても傷やヘコミがあって錆取りも厄介ですが
裏側は塗装を剥がしても旋盤の切削痕が残っているほどの状態で,上錆(うわさび)が少しある程度.

トイレ用洗剤で有名な「サンポール」でも十分に錆を落としてくれます.




全てがこんな感じなら良いのですが,表面は深い錆があるためそうはいきません.

ホームセンターで色々な錆取り剤を買って試したものの思うような仕上がりにならないので
昔,作ったサンドブラストで落すことにしました.




奥まった錆でもメディアが確実に削り落としていってくれます.
「あ~快感」



久しぶりに使ったサンドブラストですが,もっと大物が入るキャビネットと直圧式のブラストが
欲しくなりました.時間が出来たら作ってみようかと思っています.


きれいに錆が落ちるのを見ると他の部品もサンドブラストしたい欲求にかられます.
「欲張り厳禁」なので小物の部品だけをブラストすることにしました.





小さな部品もきれいになるように丹念にブラストをかけてあげます.
「ジジイの盆栽いじり的作業」は作業が進まないのに,時間だけがどんどん先に進んでいってしまいます.
週末の時間はあっという間です.


翌週末,作業再開.
ふと,先にブラストをかけたターンテーブルを見たら・・・・

ガビ~ン!!



当たり前ですが無塗装なので空気中の水分で錆ていました.
ブラストと塗装は連続作業が鉄則ですが,「ジジ盆作業」なのでこの始末.
こうなることは分かっていたものの現実を突きつけられると,錆がもっと嫌いになります.
錆を征服したい気分です

錆と格闘するために用意した錆取り達です.他にもあったのですが錆に負けて既にゴミ箱の中です.




思うような結果が得られず意気消沈.

世の中には「スチールアート」なる芸術があって,錆具合に味があるとか言いますが,私には
錆のどこがいいのか,さっぱりわかりません.

錆=鉄の酸化,腐った鉄,腐食.みすぼらしい.

な~んも良い事なんてありません.
あ~鉄なんて大嫌い!!


インターネットで検索して見つけた「RSR-2]という錆取り剤.

わらをもつかむ思いで買ってみました.




注意書きを見ると「強酸」という何とも頼もしい文字が.




で,使ってみました.
ターンテーブルのこんな錆が




RSR-2を塗ると
すぐに錆がなくなります.




強酸なので水で洗う必要があります.
水洗後,乾燥させると当然,水分で・・・



うっすら錆がでます.
だ・か・ら,鉄は嫌い~

そもそもブラストできれいに錆を落としたあとに出来た上錆なので,他の錆取り剤でも同様に
落せた気がします.


この「RSR-2」ですが,錆取りの能力は高いと思いますが,水洗が必要なのと防錆能力が
ないのが残念な点です.
それと強酸なので酸の蒸気で周辺のものが全て錆びてしまったりのには唖然としました.

こいつはもっと強烈な錆と戦わせてやります.



錆取り剤ですが,単に錆を取るだけの物と.錆取り後に防錆性のあるリン酸皮膜の出来る物があります.
オートバイのタンク内の錆取りで有名な「花咲かG」などがリン酸皮膜が出来るものです.

で,結局は最初にブラストで錆を落とした後にりん酸皮膜の出来る錆取り剤を塗ることにしました.




次の週末までこのリン酸皮膜が錆を防いでくれることを願います.




経験者やプロの方からすれば何てことない作業ですが,まじめに取り組んだ結果なので笑わないで
下さいね.


ではまた


続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 意地で抜いたターンテーブル軸

2011-04-26 01:48:03 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
タイヤチェンジャーのオーバーホールの続きです.


にっくき抜けないターンテーブル軸.



きちんと塗装してあげようと気持ちが切り替わると,ターンテーブルの下の部分が気になります.

ここはターンテーブル軸が抜けないと分解できないため中途半端にしか塗装が剥離できません.


「う~ん,腹立つ~.」



おっと,欲張り厳禁でした.
我慢して出来るだけ塗装をはがし,錆を取っていきます.

夜,寝床に入ると「う~ん,やっぱ,分解せんとあかんなあ~」と悪魔のささやきが聞こえてきます.


邪念を振りほどき眠りにつきます.

が,睡眠中は意識をコントロールできないため悪魔のささやきが容赦なく私の心に入り込んで
きます.



チェンジャーを目の前にするたびに「この天板(ターンテーブル)が抜ければなあ~」としみじみと
思ってしまいます.



夜な夜なささやく悪魔のささやきには勝てず改めて軸を抜くことにしました.


軸にはまっている回り止めキーが抵抗となって抜きにくくなっている可能性があるので先に
抜くことにします.
とはいえ抜くように作られていないので,タップを立ててネジを入れて引き抜くようにします.




M5のネジから試したのですがキーはピクリともせずネジが折れそうになるのでM6で立て直し.

それでも折れそうなので結局いっぱいいっぱいのM8まで太くしました.




このネジ穴にボルトをねじ込み,爪付きジャッキで引き上げます.



この爪付きジャッキ,2トンまで持ち上げられる頼もしいヤツです.

二丁掛けなのでボルトが曲がらないようにバランスよく油圧を掛けていきます.



ニュル~っと抜けてきました.




なかなかの手ごたえ.
もう少し.う~ん,たまりません.

まずは第一関門のキーが抜けました.



思った以上に長いキーです.



さて本題のターンテーブルです.

都合の良く四つ爪のプーラーなど無いため,当初天板の下にジャッキを咬ませてジャッキアップ
させようとしました.

ただ天板は写真のように十字にスリットが入っていて四分割の天板になっているため強度が低く
ジャッキアップの力に負けて変形してしまいそうになり,断念した経緯があります.




そこで今回はこのスリットに本来入る部品をはめて,力を分散することにしました.

同じくスリットに入る部品を治具にしてM16の太いステンレス製のボルトで力を掛けていくことに
しました.




ステンレス製のネジは熱膨張が大きく,熱伝導が悪いため焼き付きやすくこのような作業には
不向きですが,手持ちにそれしかしかなかったため,ネジ部にモリブデングリスをたっぷり塗って
作業します.


最初はびくともしませんでしたが徐々に抜け始めました.



モリブデングリスを塗ってはいるもののボルトは悲鳴を上げて,カジっいるのが分かるくらいの
抵抗を感じます.

何度もボルトを外してモリブデングリスを塗りなおし,少しずつボルトをまわしていきます.

ナットとボルトが限界にきたため天板下にボトルジャッキをかませボルトの負担を減らしてやります.



もう少し・・・・.



じゃ~ん,抜けました~





残るは一番下にあるターンテーブルを回すギアを抜くだけです.
駆動側のウオームギアとモーターも外します.




筐体とギアの間に当て板をはさみ上側からジャッキで引き抜くことにしました.




こいつは割りとスルスル~っと抜けてくれます.




またまたバランスよく油圧を掛けていきます.
もう少し.




抜けました~




軸を抜くと軸受けには今回交換したかった3本のOリングが見えます.
軸には2部屋に分けるための溝が見えます.




ターンテーブルの裏側にはホイールをチャッキングするためのエアシリンダーが付いています.
チャックを開閉させるには二本のエアー経路が必要で,なおかつターンテーブルが回転するために
フローティングさせる必要があります.
軸を観察するとそのエアー経路の構造(回路)と,それを実現させるための加工跡をうかがうことができます.



単純な機構ですが仕組みを知ることでモノ作りの深さを知ることができ,そしてより深いワールドに
入っていける気がします.


今回頑張ってくれたM16のステンレスボルトとナット.



残念ながらカジってしまってご臨終です.


ターンテーブルがばらせたので頑張って塗装の剥離と錆び取りです.
ベアリングと塗料,注文しなくては.

ではまた


続・タイヤチェンジャーのオーバーホール 抜けないターンテーブル軸

2011-04-15 00:52:42 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
先日お話したタイヤチェンジャーのオーバーホールの続き.


何でもそうですが,掃除やお手入れをすると不思議と気分がよくなるもの.

こんな作業も同じで,エアシリンダーと切り替えバルブを整備したことで気分もウキウキです.


・・・ただ一箇所分解できずにOリングの交換を終えていない箇所があります.

それはホイールを載せるターンテーブルの軸部です.
悲しいかな何をやってもターンテーブルが抜けずOリングが換えられません.

分解整備して気分がよくなると余計に分解できなかった箇所のことが思い出され気分が滅入って
きます.


気持ちを押し殺しオーバーホールをしたエアシリンダーやバルブ類を取り付けることにしました.




ネジはタップで一つ一つさらってあげて,グリスアップをしながら組みつけていきます.




今回は欲張らずに先ずは動くようにしようと決めていました.

「欲張り厳禁」です.


・・・でも塗装が剥げて錆びているのを見えると気分が悪くなってきます.


(欲張らないと決めたのに)「汚いなあ・・・・なんとかしたいなあ・・・・」と心の中で
悪魔が誘惑してきます.


ビートブレーカー部も別にスムーズに動くのですが,軸にグリスを塗ってあげたい衝動に
かられます.




CRC-556(潤滑スプレー)をシューっとスプレーしておしまい!!・・・・っと思ったものの,
やっぱり分解したい.

悪魔のささやきには勝てず軸を抜くことに.


これがまた,なかなか抜けません.
赤錆で固着しておりました.



錆びた本体が視界に入るたびにみすぼらしいなあと思ってしまいます.

(欲張らないと決めた・・・のに)ホームセンター売っている塗料ででもいいので刷毛で
チョチョチョと塗りなおそうかなあ・・・・と心の中で悪魔がささやきます.


いやいやダメダメ「欲張り厳禁」.

でも刷毛塗りなら簡単で欲張ったことにならないし・・・・.

アホみたいな葛藤ですが本人は至って真剣です.


悪魔のささやきには勝てず「ちょっとだけ」塗装することにしました.

「ちょっとだけ」です.


塗装をするには古い塗装をはがさないとだめで,こんなモノを買ってきました.




グラインダーに取り付けギュイ~ン・ギュイ~ンっと剥がします.




だいだい剥がれたかな~っと思ったものの支柱も外した方が剥がしやすそう.

更に分解は進むのでした.




唯一外せないターンテーブルの軸.
こいつです.腹立つ~.




続きはまた次回.

ではまた



続・タイヤチェンジャーのオーバーホールとマグラのセパハンをつけたSR400

2011-03-22 04:38:27 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
通勤に使っているヴェクスター125.

毎日乗るのでリアタイヤは割と早く減ってしまいます.


タイヤ交換はビートを落したり,タイヤレバーでこじったりと力技が必要で,エレガント(と思っている)な
私はあまり好きではありません.


勢いで買ったタイヤチェンジャーですが,「きちんと直してから使おう」などと欲張ったことを
妄想したために,結果として手付かず状態で今まで来ました.


・・・愚かな自分です.



反省の意味も込めてこのタイヤ交換を機に復活させようと思って作業をしています.




さてオーバーホールですが,本体やモーターは鉄で出来ているので痛むといっても錆びるくらい.
長年使っていて傷みそうなのはエアー駆動に使われているゴム類.


分解してみるとシリンダーの摺動部はOリングが使われていました.

Oリングのサイズですが一般的に「内径」と「太さ」でサイズが決まります.
「内径」はシャフト(軸)径を計るとすぐにわかりますが,「太さ」は潰れてしまっているので
正確には測れませんが,何となく近いものがJISの規格を見れば出てきます.

正確なサイズを知りたければOリング溝を測って外径を出します.
Oリングはたいてい10~20%のつぶしシロとなっているのでそこからお目当てのサイズが分かると
おもいます.


エアシリンダーのOリングですが,軸径とは特殊なものではなく規格品だったので入手も容易でした.

日本製のモノを買って良かったと思う瞬間です.



安価な輸入品は規格品を使っていないと聞いたことがあるので,そのときは・・・・泣きましょう.




エアシリンダーを組み立てる際の合わせ面に使われるガスケットは単純なので手持ちのフッ素系の
ゴムシートを円状に切って作ります.

この円状にスカッと切れるのが難しいです.


最初はコンパスをつかって針で溝を少しずつ入れていったのですがなかなか美しく切れません.




今度はテレビ用の回転テーブルに載せて回しながらカッターで切ってみました.




コンパスよりは楽しいです.
楽しい作業は仕上がりに反映される気がします.
精度はいらないのでハサミでチョキチョキでも構わないのですが美しいのに越したことはありません.





エアーの取り入れ口の継ぎ手も一旦外して管用タップでネジ山をサラってあげます.





オーバーホールしたエアシリンダーはやはり気持ちが良いです.



大きい方がタイヤのビートを落すエアシリンダー,2個ある小さい方がホイールをチャッキングする
ためのエアシリンダーです.





タイヤ交換する際にプシュ~って音がしますが,そのときにバイク屋さんが足で踏んでいる
あの部分がこれです.





切り替えバルブです.




これも分解すると中にOリングがあります.
バルブの形状が溝になっているのでOリングも溝状に変形しています.





磨いてあげてOリングを換えてグリスを塗って・・・地味ですが楽しかったりします.





きれいにすると気持ちが良いです.




「トイレの神様」のように「部品の神様」がいてくれたら私も男前になってたはずなのに・・・.




まだまだ作業は続きますがこのへんで.


===============================


今日,突然久しぶりに北海道ツーリング仲間がひょっこり遊びに来てくれました.


SR400に乗るタカさん.

貴重なマグラのセパハンが手に入ったので自分で交換したそうです.




ハンドルを換えるとメーターとのバランスが悪くなりメーターを交換.

トップブリッジのハンドルポストが残って不細工なのでトップブリッジも交換.

インジケーター類がなくなったのはいいけどニュートラルランプがない不便なので追加.

バイクいじりをあまりしない彼が今回は頑張って3ヶ月かけて組み上げたそうです.



ちなみにニュートラルランプのことを別名「セクシーランプ」と言っていました.



意味? ぜひ本人に聞いてください.



タカさん,また遊びに来てください.ウエルカムですよ~.





ではまた.



コンバインのエンジンマウント修理と眠っていたタイヤチェンジャーのオーバーホール

2011-03-03 00:56:10 | タイヤチェンジャーのオーバーホール
先日,親戚のおじさんからコンバインの部品を直して欲しいと電話がありました.

コンバイン?

農機具であることは分かるのですがトラクターとの違いすらよく分からない私.

聞くと「トラクター」は土を耕すもの.「コンバイン」は稲を刈ったり脱穀したりするものと教えてくれました.


修理内容はエンジンを固定するマウントがあって,そこにあるマフラー固定用のネジ穴がダメに
なっているということでした.

昔から優しくしてくれるおじさんなので,これは何とかしなくては.



早速送ってもらいました.



ネジが折れ込んでいるのと,ネジ山がバカになってしまっています.

側面のプレートもマフラー固定用らしいのですが溶接が外れてしまっています.



平成元年モノのコンバイン.

消耗部品はメーカーから取り寄せできたそうなのですが,こういった構造部品はもう部品供給が
ないらしく,修理も無理と言われたそうです.


機関が良好なだけにマフラーの取り付けだけで買い換えを考えないといけないのは困ったことです.

近所に親しい加工屋さんや農機具屋さんがいればいいですが,そうでない農家の人はこういった
故障で買い換えられる事も多いようです.




さて修理です.

プレートが外れたモノは溶接すればしまいですが,問題はネジ部.

裏側にナットが溶接してあるのですが,入り組んだ袋小路なので除去するにもアクセスできません.




母材がアルミならばヘリサートを入れますが,標準品のヘリサートタップはアルミ用なため,鉄には
あまりよろしくありません.



簡単な修理に思えるかもしれませんが,どうアプローチするか決まるまでは悩むところです.

さてどうしましょうか・・・・.




先ずは採寸.



ノギスとスコヤで貼り付けた厚紙に書き込んでいきます.

これもペン先の太さでマーキングが微妙にずれます.

なので書き込む方向を決めて誤差が出ないように気をつけます.



先ずは試しにナット部だけを除去しようと試みましたがしっかり溶接しているので外れません.

仕方が無いので一旦この部分を切り取って新しくプレートを溶接することにしました.

グラインダーで慎重に切除します.




アングル材からプレートを作りナットを溶接します.




裏表があるのでナットを溶接する面に「ナット」と書いています.

これを書いていても裏表逆に溶接してしまうことがあるので,よっぽどボケが入っているんでしょうね.


なんとか裏表間違えずにナットを溶接したのですが,どこで狂ったのか間隔が0.5mmほど
合いません.


気を遣ってケガいたり穴をあけたのですが,どこかで誤差が生じます.

嫌なのでやり直しです.



ハイトゲージでケガくほど精度はいらないですが,「急がば回れ」.
きちんとすれば,やり直しが減ってかえって効率がよかったりします.



開先をとって溶接です.





ラッカー塗料ですが,さび止めを塗ってから黒で仕上げました.



さてちゃんとマフラーが付くことを願っています.


==========================

こんな作業をしながら傍らで随分前に買って放ったらかしだったタイヤチェンジャーを復活させる
ためにオーバーホールをしています.





記録を見ると買ったのが2005年.

買ったら使えるか確認する前に分解整備をしたくなってしまう性格で,そのまま他の作業に気をとられ
放置プレイ.

よくない性格です.





ヴェクスターもそろそろタイヤ交換.

いろいろ嫌なこともあったので気持ちを切り替えるために毎夜作業しています.




仕事から帰ってなので2時間ほど.
ガレージに80年代~90年代の歌謡曲を流して,青春を思い出しながら作業しています.

これがまた楽しかったりします.


ではまた