8月10日
オロロンラインを北上し、午後4時前にサガレンにたどり着いた。
4年ぶりのサガレン。
久しぶりと言う感じでもなく、やっと来たぞと言った気持ちの高ぶりもない。
ただただ、普通な気持ちで降り立ったって言う感じだった。
受付してくれたのはライダーハウスの大将(オーナー)の奥さんだった。
『大将は?』と聞くと仕事だと教えてくれた。
ここも昔は、下(1F)が食料品や日用品などを扱う商店だった。
ライダーが減り大将が外に働きに出るようになって随分になる。
今では朝5時に出勤するのが普通らしい。
前は大将のお母さんが前面に出てきていたけど、高齢で足腰が弱ってきたということで今は大将の奥さんが切り盛りしている。
何でもはっきり言うタイプのお母さんと違って奥さんはおとなし目な人。
もっと前面に出て“看板姉さん”になってファンを作ればライダーも増えるだろうに・・・なんて思ったりしている。
『今日は何人?』って聞くと、今で(私たちを含め)6人と教えてくれた。
ライダーが3人ということになる。(その後3人増えて合計9人)
『少ないね』って言うと『昨日は2人だったんだよ』って少し寂しそうな感じで返事が返ってきた。
受付をしに中に入ると私たち宛に電報が届いていると教えてくれた。
『誰からだろう?』 『何故に、こんなご時勢に電報?』
最近電報と言ったら冠婚葬祭くらい。予想外な事にちょっと戸惑った。
くまのプーさんのぬいぐるみが付いた電報だった。
『いい旅になるといいですね・・・・・・GL』とあった。
GL(先生)・・・
もう、20年くらい前にここで出逢った岡山のライダーの方で、当時ホンダGL1500で音楽の先生だったので、あだ名が“GL先生”になった。
(勝手にそう呼んでた)
今はサイドカーが付いたGLに乗っている。
このライダーハウスが気に入って、最果てなのにわざわざ泊まりに来るライダーの一人。
何年かに一度しか会うことができないけれど、いまだにつながっている。
ここを気に入って、ここで出会って、また偶然再会して・・・・
北海道のバイク仲間のつながりはこのサガレンが基軸となっているように思える。
外に出る。
行き交うバイクも少ない。
足下のマンホールの蓋が南極観測隊の『タロとジロ』の柄になってると“とら母”から教えられた。
娘と歩くようになり地面と少し近くなった気がする。
道を隔てた向こう側にノシャップ公園があり、ワイヤーロープで滑る遊具とかがあるので早速行ってみることにした。
向こうに見えるのは自衛隊の基地。
球体はレーダー。
たぶんロシアを監視するためだと思う。
最果てなこんなところにこんな施設があるのは、いろんな意味を含んでいたりする。
広い敷地にパークゴルフ場や野球のグランドもあってその一角に公園がある。とにかく広い
グーグルアースで見るとその広さがよく分かる。
広い敷地にポツンと遊具がある。
白と赤の縞模様の建物がノシャップ灯台。
ワイヤーロープを滑車で滑る遊具。
一緒に乗るとすごく喜ぶ。
すごく楽しそうだった。
おとなしい寅次郎が、何故か昔からぶら下がっているものに極端に反応する。
何年かに一度しか見ることのない寅次郎の癖。
野生の本能がそうさせるみたい。
昔の写真を引っ張り出して見た。
寅次郎にこんな癖があるのを知った初めての出来事。
高く飛び上がってタッチする遊具。
飛んでるお尻に“がぶり”っと・・・・
通称:2008年の『がぶり事件』
2011年にも、ここノシャップ公園で“がぶられた”人がいた。
必死になっている姿を見てると、つい笑ってしまう。
友和子も靴を“がぶられた”。
奇妙なニョロニョロ。
ちょっと気味が悪い。
遊び始めると終わりを知らない。
日没までまだ時間があったので近くの温泉に行くことにした。
サガレンから3キロ、稚内温泉「童夢」。
露天風呂から利尻富士を拝むことができる。
北海道に来て天気があまり良くない。
結局この日も曇っていて夕日を見ることができなかった。
サガレンに戻ると2階の窓から大きな声が聞こえる。
外出していたライダーが戻って来たようだった。
それにしても豪快な笑い声。
繊細でナイーブな私はそういったタイプは苦手な方なのでちょっと気がかりだった。
声の主は福岡から来たライダーで奥さんとタンデムで来られていた。
話してみると気さくな人。
どうせなら日本一周をしようということで一ヶ月休みをもらい、奥さんはこのために仕事を辞めたと話してくれた。
豪快なしゃべり方はまさに九州の男、“福岡男児”って感じ。
“生き方”みたいな話になって、自分の子供や奥さんの兄弟がバイクに乗りたいと言いだしたときに、一国の主(あるじ)として
強い口調で『危ないからダメだ』とバイクに乗ることを一切許さなかったと話してくれた。
今時にない『強いお父さん』って感じに思えた。
こんな感じの大人が今の日本に沢山いたら、おかしな事件もなくて、子供も真っ直ぐに育ったくれるんだろうな。
そんな風に感じた。
ちょっと尊敬な眼差しで聞いていた・・・・けど・・・ふと、違和感を覚えた。
何気なく聞いていたけど、よくよく考えてみると周りにはバイクなんて絶対にダメで、でも自分はOK.
おまけに新しくバイクを買って仕事も一ヶ月休んで、奥さんの方に至ってはこのために仕事も辞めて、それでもって
夫婦そろって仲良くバイクで日本一周・・・・。
ひょっとして“福岡男児っぽい”だけのわがままオヤジ?
そんな風に思えてしまったのでちょっといじってみた。
『周りにはダメでも、自分はOKなんですよね』
その後も豪快(風)な話は続いて
『テレビとか見よりますか? うちにはテレビが無かとです』みたいな話になった。
“さすがテレビなんて低俗なものなんて見ないで本や新聞を見るような一家なのか”
なんて思って聞いていたら・・・・
『テレビがあるとずっと見てしまうので止めにしました』・・・・ですって。
単なる“テレビっ子”・・・なオヤジ。
『タバコは吸いよりますか? 私は吸いません』って話になった。
“福岡の男はそんな見かけ倒しなものは吸わないのか”と思ったら・・・・・
『4~5年前に止めました』・・・・・って、つい先日まで吸ってらしたのね・・・・。
“ドクターストップ”
健康を気にし出したオヤジな話でした。
口調だけ聞いていたら『一本筋の通った強いお父さん』って感じでしたが、よくよく聞くと筋なんて見当たらない。
『嘘つきオヤジですやん』って、ツッコんだらちょっとだけ小さくなった。
でも、なにか許せてしまう楽しい人。
『嘘つきオヤジってブログに書きますよって』って言ったら、また少し小さくなった。
私たち家族連れがライダーハウスに泊まることは、きっとライダーからしたら違和感を感じることだけど
そんなことなく、旅人として話をしてくれた。
楽しい夜のひとときでした。
翌朝6時に目が覚めた。
一階のバイクを置く車庫に寝ている寅次郎の様子を見に行くと福岡の夫婦が出発の準備をしていた。
バイクを見たら新車のハーレーだった。
やっぱり福岡男児“風”のオヤジだった。
このブログの検索方法を教えたけど、あれからずいぶん時間がたったので、もう見ていないかも知れない。
でも約束通りちゃんとありのままを書いたので許してください。
豪快なコメントがあれば嬉しいです。
楽しいひとときをありがとうございました。
来年北海道に来るときはフェリーに乗る前にカップ麺とおにぎりは持参してください。
それとロールマットを積んでると、より旅人“風”に見えるので嘘でもいいので買ってバイクにくくりつけておいてください。
また会えることを願っています。
という感じで、サガレンの一日目が終わりました。
ではまた。
オロロンラインを北上し、午後4時前にサガレンにたどり着いた。
4年ぶりのサガレン。
久しぶりと言う感じでもなく、やっと来たぞと言った気持ちの高ぶりもない。
ただただ、普通な気持ちで降り立ったって言う感じだった。
受付してくれたのはライダーハウスの大将(オーナー)の奥さんだった。
『大将は?』と聞くと仕事だと教えてくれた。
ここも昔は、下(1F)が食料品や日用品などを扱う商店だった。
ライダーが減り大将が外に働きに出るようになって随分になる。
今では朝5時に出勤するのが普通らしい。
前は大将のお母さんが前面に出てきていたけど、高齢で足腰が弱ってきたということで今は大将の奥さんが切り盛りしている。
何でもはっきり言うタイプのお母さんと違って奥さんはおとなし目な人。
もっと前面に出て“看板姉さん”になってファンを作ればライダーも増えるだろうに・・・なんて思ったりしている。
『今日は何人?』って聞くと、今で(私たちを含め)6人と教えてくれた。
ライダーが3人ということになる。(その後3人増えて合計9人)
『少ないね』って言うと『昨日は2人だったんだよ』って少し寂しそうな感じで返事が返ってきた。
受付をしに中に入ると私たち宛に電報が届いていると教えてくれた。
『誰からだろう?』 『何故に、こんなご時勢に電報?』
最近電報と言ったら冠婚葬祭くらい。予想外な事にちょっと戸惑った。
くまのプーさんのぬいぐるみが付いた電報だった。
『いい旅になるといいですね・・・・・・GL』とあった。
GL(先生)・・・
もう、20年くらい前にここで出逢った岡山のライダーの方で、当時ホンダGL1500で音楽の先生だったので、あだ名が“GL先生”になった。
(勝手にそう呼んでた)
今はサイドカーが付いたGLに乗っている。
このライダーハウスが気に入って、最果てなのにわざわざ泊まりに来るライダーの一人。
何年かに一度しか会うことができないけれど、いまだにつながっている。
ここを気に入って、ここで出会って、また偶然再会して・・・・
北海道のバイク仲間のつながりはこのサガレンが基軸となっているように思える。
外に出る。
行き交うバイクも少ない。
足下のマンホールの蓋が南極観測隊の『タロとジロ』の柄になってると“とら母”から教えられた。
娘と歩くようになり地面と少し近くなった気がする。
道を隔てた向こう側にノシャップ公園があり、ワイヤーロープで滑る遊具とかがあるので早速行ってみることにした。
向こうに見えるのは自衛隊の基地。
球体はレーダー。
たぶんロシアを監視するためだと思う。
最果てなこんなところにこんな施設があるのは、いろんな意味を含んでいたりする。
広い敷地にパークゴルフ場や野球のグランドもあってその一角に公園がある。とにかく広い
グーグルアースで見るとその広さがよく分かる。
広い敷地にポツンと遊具がある。
白と赤の縞模様の建物がノシャップ灯台。
ワイヤーロープを滑車で滑る遊具。
一緒に乗るとすごく喜ぶ。
すごく楽しそうだった。
おとなしい寅次郎が、何故か昔からぶら下がっているものに極端に反応する。
何年かに一度しか見ることのない寅次郎の癖。
野生の本能がそうさせるみたい。
昔の写真を引っ張り出して見た。
寅次郎にこんな癖があるのを知った初めての出来事。
高く飛び上がってタッチする遊具。
飛んでるお尻に“がぶり”っと・・・・
通称:2008年の『がぶり事件』
2011年にも、ここノシャップ公園で“がぶられた”人がいた。
必死になっている姿を見てると、つい笑ってしまう。
友和子も靴を“がぶられた”。
奇妙なニョロニョロ。
ちょっと気味が悪い。
遊び始めると終わりを知らない。
日没までまだ時間があったので近くの温泉に行くことにした。
サガレンから3キロ、稚内温泉「童夢」。
露天風呂から利尻富士を拝むことができる。
北海道に来て天気があまり良くない。
結局この日も曇っていて夕日を見ることができなかった。
サガレンに戻ると2階の窓から大きな声が聞こえる。
外出していたライダーが戻って来たようだった。
それにしても豪快な笑い声。
繊細でナイーブな私はそういったタイプは苦手な方なのでちょっと気がかりだった。
声の主は福岡から来たライダーで奥さんとタンデムで来られていた。
話してみると気さくな人。
どうせなら日本一周をしようということで一ヶ月休みをもらい、奥さんはこのために仕事を辞めたと話してくれた。
豪快なしゃべり方はまさに九州の男、“福岡男児”って感じ。
“生き方”みたいな話になって、自分の子供や奥さんの兄弟がバイクに乗りたいと言いだしたときに、一国の主(あるじ)として
強い口調で『危ないからダメだ』とバイクに乗ることを一切許さなかったと話してくれた。
今時にない『強いお父さん』って感じに思えた。
こんな感じの大人が今の日本に沢山いたら、おかしな事件もなくて、子供も真っ直ぐに育ったくれるんだろうな。
そんな風に感じた。
ちょっと尊敬な眼差しで聞いていた・・・・けど・・・ふと、違和感を覚えた。
何気なく聞いていたけど、よくよく考えてみると周りにはバイクなんて絶対にダメで、でも自分はOK.
おまけに新しくバイクを買って仕事も一ヶ月休んで、奥さんの方に至ってはこのために仕事も辞めて、それでもって
夫婦そろって仲良くバイクで日本一周・・・・。
ひょっとして“福岡男児っぽい”だけのわがままオヤジ?
そんな風に思えてしまったのでちょっといじってみた。
『周りにはダメでも、自分はOKなんですよね』
その後も豪快(風)な話は続いて
『テレビとか見よりますか? うちにはテレビが無かとです』みたいな話になった。
“さすがテレビなんて低俗なものなんて見ないで本や新聞を見るような一家なのか”
なんて思って聞いていたら・・・・
『テレビがあるとずっと見てしまうので止めにしました』・・・・ですって。
単なる“テレビっ子”・・・なオヤジ。
『タバコは吸いよりますか? 私は吸いません』って話になった。
“福岡の男はそんな見かけ倒しなものは吸わないのか”と思ったら・・・・・
『4~5年前に止めました』・・・・・って、つい先日まで吸ってらしたのね・・・・。
“ドクターストップ”
健康を気にし出したオヤジな話でした。
口調だけ聞いていたら『一本筋の通った強いお父さん』って感じでしたが、よくよく聞くと筋なんて見当たらない。
『嘘つきオヤジですやん』って、ツッコんだらちょっとだけ小さくなった。
でも、なにか許せてしまう楽しい人。
『嘘つきオヤジってブログに書きますよって』って言ったら、また少し小さくなった。
私たち家族連れがライダーハウスに泊まることは、きっとライダーからしたら違和感を感じることだけど
そんなことなく、旅人として話をしてくれた。
楽しい夜のひとときでした。
翌朝6時に目が覚めた。
一階のバイクを置く車庫に寝ている寅次郎の様子を見に行くと福岡の夫婦が出発の準備をしていた。
バイクを見たら新車のハーレーだった。
やっぱり福岡男児“風”のオヤジだった。
このブログの検索方法を教えたけど、あれからずいぶん時間がたったので、もう見ていないかも知れない。
でも約束通りちゃんとありのままを書いたので許してください。
豪快なコメントがあれば嬉しいです。
楽しいひとときをありがとうございました。
来年北海道に来るときはフェリーに乗る前にカップ麺とおにぎりは持参してください。
それとロールマットを積んでると、より旅人“風”に見えるので嘘でもいいので買ってバイクにくくりつけておいてください。
また会えることを願っています。
という感じで、サガレンの一日目が終わりました。
ではまた。