ブレーキフルードの交換作業でのお話.
先日,バイク仲間のKikkoさんからブレーキフルードの交換方法を教えて欲しいと相談がありました.
「いいですよ~」っと気軽に返事した私.
ただ,よくよくお話を聞くと普通の整備のための交換ではなく,ライディングスクールで練習していたら
沸騰したので交換したいとのことでした.
「ライディングスクールで沸騰!?」
ライディングスクールって「運転技能の向上」くらいにしか思っていなかったのですが,本気な人は
アイドリングは3000rpmまであげておき,リアブレーキは低速域の安定性のため絶えず引きずって
走るというハードな走りみたいです.
フルードの沸騰,いわゆる「ベーパーロック」ですが,この用語,一見して「ぺ(pe)」か「ベ(be)」か
見分けが難しく,恥ずかしながら私は「paper lock」と思っていました.
で,調べてみると,「vapor」(気化,蒸気)であることを知り,用語と意図することが頭の中で
ようやくつながりました.
さて用途を聞いて,いささか困った私.
町乗り程度のマシンの整備ならまだしも,半ば競技用ほどの使い方.
エア抜きが甘くて「すぐ沸騰した」なんてことになると恥です.
まして,それを整備ビギナーの女性に教えるとなると何を教えれば良いのか・・・と.
さて当日
友人も様子を見に来たので,先ずはコーヒー飲んでおしゃべり.
フルード交換方法は大別して二種類.
一つは一旦全部抜き取ってから新しいフルードを入れるやり方.新旧のフルードが基本混ざらないので
気分的にも良い感じなので私はいつもこれです.ただし,エアが入るので必ずエア抜きが必要となり
悪戦苦闘する人も多いです.
もう一つは新しいフルードを補充しながら抜いていく方法.シームレスなので基本エアが入らず,
作業時間も短かくラクチン作業.
ただし,変色するほどヘタッたフルードなら見分けも付きやすいけど,定期的に交換している場合は
入れ替わりの判別が分かりにくく無駄に消費してしまいがち.
今回は作業の簡単さとリスクの少なさから後者を選択.
「ペダルを踏んで圧を掛けながらブリーザをさっと開閉」
写真に写っている(シートレールの上)ブレーキフルードは私が普段使っているスズキ純正品.
お値段,千数百円.
対して,Kikkoさんが用意したのはワコーズ製で3000円以上する高級品.気合が違います.
今回,作業を覚えたいと言うことだったのですが,今の彼女にはフルード交換そのものを覚えるよりも
ネットや雑誌で書いてあるフルード交換を読んでも知りえない作業の感触や難しさやを,その身をもって
知ってもらうことの方が大切なのではないかと思いました.
聞きかじった情報であたかも出来ると錯覚するよりも,実際にやってみて自分が上手く出来なかった
失敗を知ることの方が重要と思います.
今回,「フルードが沸騰したので交換」とのことでしたが,ブレーキパッドやピストンのオイルシールや
ダストシールもダメージを受けている可能性があります.
一般車にDOT5は不向きという意見もありますが,適切なメンテナンスを行うことでその選択も候補に入れて
みるのも有りだと思います.
人の話を鵜呑みせず,その理由や原理原則を意識して作業するようになってもらえればと思います.
何度もチャレンジしてください.必要ならいつでもどうぞ.本気な人はウエルカムです.
===============================
話は変わって我が通勤快速のスズキヴェクスター125.
10年ほど,7万キロに達したのですが,さすがにあちこちガタがきます.
先日,センタースタンドを立てようとペダルに体重をかけたらポキッと折れてしまいました.
とりあえず折れたモノを溶接でくっつけます.
「とりあえず」というのは,これもかなりガタが来ていてるからです.
センタースタンドの軸受け部分ですが,左は丸穴ですが,右は磨耗して楕円になってしまっています.
ここまでなるとスタンドの跳ね上げが不十分になり,カーブを曲がる度にガリガリ地面に擦れます.
では左側の良いほうを使えばいいのですが,こちらは先日購入した事故車のモノで片足が折れてありません.
しかたなく,以前積み替えたエンジンについていたスタンドを鉄屑入れから探し出してきました.
ただこいつも同様にヘタっていてそのままでは使えません.
ということで,良いとこ取りのニコイチにします.
事故車のスタンドの破断部分を整えて,ヘタったスタンドの片足をそれに合うように切断,整形します.
治具で固定したらあとは溶接.
芯棒を入れないので開先を取って裏波を意識して溶加棒をいれていきます.
ついでに,以前強度不足で外れた補強プレートも全周溶接しておきました.
復活したスタンド.
右側は踏んで折れた方のスタンド.
事故車はフレームが折れ曲がって車高短になっているのでサイドスタンドが掛けられなく困っていたので
そちらに取り付けます.
ニコイチのスタンドは缶スプレーで適当に塗装して通勤ヴェクスターに装着します.
寄せ集めなのでこれでサンコイチかな.
そのほか事故車からリアタイヤ,シート,フロントブレーキ一式,ヘッドライト,配線などなど移植.
オイルとエレメントを交換し,全くメンテナンスしていなかったフロントブレーキのマスターシリンダーの
カップ/ピストンも交換.
気付けばZZ-R1100とゼファー750,ヴェクスターと,3台のブレーキフルードの交換が続きました.
朝からはじめた作業,終わったのが夜中に2時,疲れました.
しばらく元気に走ってもらいます.
================================
今日の寅次郎.
土曜日の朝,ふと空を見上げるとくねくね曲がった飛行機雲が目に留まった.
こんな風に飛行機って飛んだっけ?
その向こうにも飛行機が飛んでるし,変な感じ.
この瞳を見ると子犬のころのあどけなさを失っていない気がします.
今週のスイーツ
大阪吹田の松竹堂のフルーツ餅.
友人が持ってきてくださいました.
初めて見た柿の餅.
見た目の本物っぽさに惹かれました.
もちろん中に本物の柿が入っていています.
すぐに売切れてしまうほどの人気の品,美味しくいただきました.
では,また
先日,バイク仲間のKikkoさんからブレーキフルードの交換方法を教えて欲しいと相談がありました.
「いいですよ~」っと気軽に返事した私.
ただ,よくよくお話を聞くと普通の整備のための交換ではなく,ライディングスクールで練習していたら
沸騰したので交換したいとのことでした.
「ライディングスクールで沸騰!?」
ライディングスクールって「運転技能の向上」くらいにしか思っていなかったのですが,本気な人は
アイドリングは3000rpmまであげておき,リアブレーキは低速域の安定性のため絶えず引きずって
走るというハードな走りみたいです.
フルードの沸騰,いわゆる「ベーパーロック」ですが,この用語,一見して「ぺ(pe)」か「ベ(be)」か
見分けが難しく,恥ずかしながら私は「paper lock」と思っていました.
で,調べてみると,「vapor」(気化,蒸気)であることを知り,用語と意図することが頭の中で
ようやくつながりました.
さて用途を聞いて,いささか困った私.
町乗り程度のマシンの整備ならまだしも,半ば競技用ほどの使い方.
エア抜きが甘くて「すぐ沸騰した」なんてことになると恥です.
まして,それを整備ビギナーの女性に教えるとなると何を教えれば良いのか・・・と.
さて当日
友人も様子を見に来たので,先ずはコーヒー飲んでおしゃべり.
フルード交換方法は大別して二種類.
一つは一旦全部抜き取ってから新しいフルードを入れるやり方.新旧のフルードが基本混ざらないので
気分的にも良い感じなので私はいつもこれです.ただし,エアが入るので必ずエア抜きが必要となり
悪戦苦闘する人も多いです.
もう一つは新しいフルードを補充しながら抜いていく方法.シームレスなので基本エアが入らず,
作業時間も短かくラクチン作業.
ただし,変色するほどヘタッたフルードなら見分けも付きやすいけど,定期的に交換している場合は
入れ替わりの判別が分かりにくく無駄に消費してしまいがち.
今回は作業の簡単さとリスクの少なさから後者を選択.
「ペダルを踏んで圧を掛けながらブリーザをさっと開閉」
写真に写っている(シートレールの上)ブレーキフルードは私が普段使っているスズキ純正品.
お値段,千数百円.
対して,Kikkoさんが用意したのはワコーズ製で3000円以上する高級品.気合が違います.
今回,作業を覚えたいと言うことだったのですが,今の彼女にはフルード交換そのものを覚えるよりも
ネットや雑誌で書いてあるフルード交換を読んでも知りえない作業の感触や難しさやを,その身をもって
知ってもらうことの方が大切なのではないかと思いました.
聞きかじった情報であたかも出来ると錯覚するよりも,実際にやってみて自分が上手く出来なかった
失敗を知ることの方が重要と思います.
今回,「フルードが沸騰したので交換」とのことでしたが,ブレーキパッドやピストンのオイルシールや
ダストシールもダメージを受けている可能性があります.
一般車にDOT5は不向きという意見もありますが,適切なメンテナンスを行うことでその選択も候補に入れて
みるのも有りだと思います.
人の話を鵜呑みせず,その理由や原理原則を意識して作業するようになってもらえればと思います.
何度もチャレンジしてください.必要ならいつでもどうぞ.本気な人はウエルカムです.
===============================
話は変わって我が通勤快速のスズキヴェクスター125.
10年ほど,7万キロに達したのですが,さすがにあちこちガタがきます.
先日,センタースタンドを立てようとペダルに体重をかけたらポキッと折れてしまいました.
とりあえず折れたモノを溶接でくっつけます.
「とりあえず」というのは,これもかなりガタが来ていてるからです.
センタースタンドの軸受け部分ですが,左は丸穴ですが,右は磨耗して楕円になってしまっています.
ここまでなるとスタンドの跳ね上げが不十分になり,カーブを曲がる度にガリガリ地面に擦れます.
では左側の良いほうを使えばいいのですが,こちらは先日購入した事故車のモノで片足が折れてありません.
しかたなく,以前積み替えたエンジンについていたスタンドを鉄屑入れから探し出してきました.
ただこいつも同様にヘタっていてそのままでは使えません.
ということで,良いとこ取りのニコイチにします.
事故車のスタンドの破断部分を整えて,ヘタったスタンドの片足をそれに合うように切断,整形します.
治具で固定したらあとは溶接.
芯棒を入れないので開先を取って裏波を意識して溶加棒をいれていきます.
ついでに,以前強度不足で外れた補強プレートも全周溶接しておきました.
復活したスタンド.
右側は踏んで折れた方のスタンド.
事故車はフレームが折れ曲がって車高短になっているのでサイドスタンドが掛けられなく困っていたので
そちらに取り付けます.
ニコイチのスタンドは缶スプレーで適当に塗装して通勤ヴェクスターに装着します.
寄せ集めなのでこれでサンコイチかな.
そのほか事故車からリアタイヤ,シート,フロントブレーキ一式,ヘッドライト,配線などなど移植.
オイルとエレメントを交換し,全くメンテナンスしていなかったフロントブレーキのマスターシリンダーの
カップ/ピストンも交換.
気付けばZZ-R1100とゼファー750,ヴェクスターと,3台のブレーキフルードの交換が続きました.
朝からはじめた作業,終わったのが夜中に2時,疲れました.
しばらく元気に走ってもらいます.
================================
今日の寅次郎.
土曜日の朝,ふと空を見上げるとくねくね曲がった飛行機雲が目に留まった.
こんな風に飛行機って飛んだっけ?
その向こうにも飛行機が飛んでるし,変な感じ.
この瞳を見ると子犬のころのあどけなさを失っていない気がします.
今週のスイーツ
大阪吹田の松竹堂のフルーツ餅.
友人が持ってきてくださいました.
初めて見た柿の餅.
見た目の本物っぽさに惹かれました.
もちろん中に本物の柿が入っていています.
すぐに売切れてしまうほどの人気の品,美味しくいただきました.
では,また