三条大橋から大津宿までは10キロ足らずの行程。
昼12時過ぎに出発し、途中で道を間違えたりして夕方5時半を回って12キロを歩き、ここは滋賀県に入ったところにある大津市の追分という町。
(前回その3はコチラ)
大津宿まであと3キロほど。
昼間ならさほど苦にならない距離も、歩き疲れた夜の3キロは、あとどれくらいで着くのか予想もできないくらいに疲れた体に圧し掛かってくる。
国道1号線。主要道だけあって交通量は多い
大津に抜ける峠道は緩やかな登り道で、街燈も乏しく通る人もいない。
車の照らす明かりを頼りに暗い歩道をただひたすらに歩く。
前から待ち構えて写真を撮ろうと走って前へ出ようとするが、私をからかうように娘が走って付いてきて一向に写真が撮れない。
やっぱり一番元気なのは娘なんだと思った。
私にとって写真は旅の思い出だけでなく、生きた証。
いつか振り返る時が来た時に今撮った写真が活きてくる。
だから、せっかくだからと立ち止まったり先を急いだりしてシャッターを押す。
とら母(嫁)はそんな考えはなくただただマイペース。
その間ではしゃぐ娘。娘の存在に随分助けられているとつくづく思う。
店から明かりが漏れていた。
何のお店か分からないけど両頭グラインダーとちょこっとバイクが見えた。
バイクさんかなあ、なんて思いながらシャッターを切った。
両頭グラインダーって意外とマニアな機械。ピカピカに磨く機械で手間がかかるけど仕上がりは抜群によくなる。
地味な作業で普通のバイク屋さんはやらない。
そんな機械を置いてあるとこをみると、自分の店でいろいろいじるお店かなと思った。
バイク屋さんを過ぎてしばらく歩くと大谷町というところで旧東海道は国道1号線から少し逸れる。
駅の灯りがどことなく寂しく見える。
京阪京津線の大谷駅。
峠の途中にある駅で京都側に下っているためホームの地面も傾斜している珍しい駅。
ベンチはそのままでは傾いて座りにくいので水平になるように脚の長さを変えてあるとか。
Googleマップをみたら写真が投稿されていた。
出展:GoogleMap (https://www.google.co.jp/maps/@34.9941626,135.8536014,3a,75y/data=!3m7!1e2!3m5!1sAF1QipPezDz1oCngA6e15LVfo7M24BB2066EF1F8rBL1!2e10!6shttps:%2F%2Flh5.googleusercontent.com%2Fp%2FAF1QipPezDz1oCngA6e15LVfo7M24BB2066EF1F8rBL1%3Dw150-h150-k-no-p!7i5488!8i3088)
駅を過ぎるとそれまでと一変して明るくなってお店が並ぶ。
「かねよ」というウナギ屋さんでした。("かねよ"に"かねよレストラン部"、"かねよ出前部"とかねよグループみたい)
腹へった。
かつてこの地は走井茶屋(はしりいちゃみせ)と呼ばれる茶店が軒を連ね、名物の走り井餅を売っていたらしい。
広重の浮世絵、「東海道五十三次 大津」に描かれている。
逢坂の関(逢坂の関記念公園)
ウキペディアによると「山城国と近江国の国境となっていた関所」とある。
古代、都の防備のために設けられた三つの関所の一つで東海道・東山道の京都への入り口にあたる要所だったらしい。
トイレがあって助かりました。
逢坂の関を過ぎると国道1号線に戻り道は緩やかな下りになった。
道は左に大きくカーブし再び京阪京津線と併進する。
この辺りは名神高速の大津SA手前の大津トンネル付近で線路の向こうはすぐ山があり、線路と山の間に民家が数件並んでいた。
地元の人が利用するための踏切か、細い踏切が数か所あって遮断機も無いところもあった。
スマホでルート検索を掛けると距離は1.7キロと出た。
旧東海道は再び国道一号線を逸れる。
気温は5℃。
そう寒いとは思わない。
ただただゴールに着くことだけを願うだけ。
歩きで一番へばっているのが私。
腰は痛いし膝も痛い。
同じ距離をランニングするなら平気な気がするのですが、長い間立ちっぱなしは体が悲鳴を上げます。嗚呼おっさん。
決して娘がしんどいとか言った訳ではなく、退屈してそうなので気晴らしにたまにおんぶしてあげます。
もちろん悲鳴を上げたポンコツおやじなので長続きしません。情けない親父。
でも私、娘と触れ合えるのが好きなのでうれしかったりしてるのです。
銭湯を見つけた。
入りたい・・・・。
ご飯食べたい・・・・。
ゆっくりしたい・・・・。
早く横になりたい・・・・・。
・・・・疲れた。
踏切に差し掛かる。
線路がそのまま道路に通じている。
路面電車だと思ってちょっとワクワクした。
でもこの時、実は目的地を通り過ぎてしまっていたのでした
路面電車と言っていいのかわからないけどこの区間は電車が道路を走る。
電車が来た。娘に見せてやろうと私が興奮していた。(京阪京津線)
「京町一丁目南交差点」
ようやく目的地を越したことに気付いた。
悲しかった。
数百メートルだけどすごく長く感じた。
この歩き旅の目的地「大津宿」(大津宿本陣跡)。
ただこの看板があるだけ。
暗闇なので気付かなかった。
隣の石碑も表示柱も別のもの。
ほんと看板があるだけ。
「さ、帰ろう」ってまさにそんな感じのゴールでした。
最寄りの駅のJR大津駅までは500mほど。
晩御飯は王将にしようかなんて話しながら駅への道を急ぐ。
と、娘があとどれくらいと聞いてきた。
この先を曲がったら駅って話したら、トイレに行きたいと言い出した。
かなり切迫しているみたい。
スマホで近くのコンビニを検索する。
曲がった先を少し行ったらコンビニがある。
そう言ったけど、もう我慢できないみたい。
あ~どうしよう。もう見えてるのに、それでも我慢の限界見たい。
と、目の前にラーメン屋があった。
仕方がない、ここに入ろうってことでラーメン屋にインした。
焼きあごで取った出汁と書いてあって、食通でもない私に期待感大。
私は背脂が苦手なのでシンプルに「焼きあご醤油麺」
とら母は背脂だろうが何だろうが美味ければOKなので鶏がらスープに背脂を浮かせた「中華そば」
たまたま入ったラーメン屋。
これが思いもしなく美味かった。
大津駅からすぐ近く「らーめん みふく」
温まった体に冬の夜は寒かった。
午後8時。
大津駅から帰路につく。
今回歩いたルートと距離。
15キロ程度にしようと思っていましたが終わってみれば15キロ超えの17.3キロ。
夜で15キロを超えるとさすがに疲れました。
でも、それ以上に楽しかったです。
大津宿の次は草津宿で距離は14キロ。
次は歩くときは車中泊にして二日に分けて歩きたいと思います。
長い話にお付き合いくださりありがとうございました。
そして私達親に付き添ってくれた娘にありがとう。
ではまた
そういえば歩いて県境を越えた事ないなって思いました。
両頭グラインダーの首の長いのはバフグラインダーになるんですかね、ワークを動かしてもモーターに当たらないように長いんですかね。
うっかり買っちゃうとなんでもピカピカにしたくなりそうです。
ラーメン屋さんの前の地面に青いテープで紙が貼られてますが何が書いてあるんですか?
こんにちは
バフグラインダーというのが正しい呼び名でしたね。感覚ですが安い奴は軸だけ長くて、いい奴はハウジングも長い、そんな風に思っています。
バイクのエンジンカバーとかをバフ掛けしていた時はやっぱり軸が長いのがやりやすいなと思いました。たまにオークションにでますが地味な機械な割に高値になってしまっています。レストアラーにはひそかに人気なものなのかもしれませんね。
ラーメン屋さんの店先に貼られて紙は言われるまで気づきませんでした。
元写真を拡大しましたがよみとれませんでしたので一度行ってみてください。駅からすぐ近くなので行きやすいですよ、
県境を渡った件は、いつか地元をぶらっと歩いてみますか!? できそうなタイミングは引退したころなので、私はそう遠くない将来ですが・・・。
kagayakiさんは病気になってリハビリがてらってことにならないように気を付けてください。