温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

白老温泉 ポロト温泉

2011年05月12日 | 北海道
白老といえばアイヌのポロトコタン(アイヌ民族博物館)が有名ですが、その傍にポロトの名前を冠する日帰り温泉浴場があるので行ってみました。

 
白老駅を出てから改札を背にして左に回ると人専用の跨線橋がかかっているので、それで駅の反対側へ出ます。駅の裏手にある製材所をかわして広い道(公園通り)に出たら、そこを右折して公園通りを東進。やがて左手に公園が広がってきます。

 
そしてポロト公園入口の十字路を左に曲がり、公園構内に入て真っ直ぐ進むとその突き当たりに一軒の緑色の屋根が見えてきます。それがポロト温泉。

 
温泉は風光明媚なポロト湖畔に建っています。訪れた2月某日、湖面は結氷しており、その上を子供たちがスケートしたり、あるいは親子でキャンプしたりと、北国ならではのアウトドアを楽しんでいました。


さて館内に入ってみましょう。一見すると湖畔に建つロッジのような佇まいですが、内部は結構草臥れており、相当古い建物であることが伺えます。建物中央に玄関があり、玄関に向かって右側にはかつて食堂があったようですが、いまでは使われている形跡が見られずデッドスペースになっているようです。
受付で直接現金を支払います。浴室は受付から左手に伸びる廊下を進んだ奥です。

 
脱衣所は元々何らかの部屋だったところを全て取っ払ってイスだけを置いたような空間でした。妙にガランとしています。一応棚もあるのですが、棚が設置されているのは浴室入口の狭い一角のみなので、常連さんは荷物をカゴに入れ、このガランとしたスペースの床へ直にカゴを置いていました。

 
男女別の浴室には10人サイズの長方形の浴槽がひとつずつあるのみ。シャワー付き混合栓は6基用意されており、お湯は源泉が出てきます。
浴槽のお湯は、窓側の湯面下の側面から投入されています。加温加水などは一切無い掛け流しで、浴槽の縁から静かにオーバーフローしています。湯口から出てくるお湯はやや熱く、湯船の湯加減もちょっと熱め。それゆえか、湯船に入る人はすぐに出てしまい、結構回転が早めです。
なお浴槽は中央から女湯側へちょっと寄ったところの底が一部だけ若干浅くなっているのですが、どんな意味があるんでしょうか。
濃い紅茶色の典型的なモール泉で、浴槽中の段すら見えないほど濃い色です。カランのお湯を桶に汲むだけでもお湯の色がはっきりわかり、そして沈殿物・浮遊物の混入も確認できます。分析表には誇らしく「腐植質」と記されていますが、まさにこれがその腐植質(フミン質)でしょう。もちろん浴槽内にもたくさん浮遊しています。
モール臭はそんなに強くないものの明瞭に香り、ガスのような匂いも混じっているようです(分析表に天然ガス付随と表記されているので、その臭いだと思います)。モール独特の風味+重曹味+甘さ+微ほろ苦さがミックスされた味。ヌルヌル感を伴うスベスベツルツル浴感でとっても気持ちよい肌触り。美人の湯ですね。熱めのお湯なので結構火照りますが、陽イオンはNaが93.11mval%、陰イオンはHCO3が68.30mval%という重曹型の成分構成なので、重曹のおかげか湯上りはベタつかずにとっても爽快でした。


温泉水を持ち帰る方も多いようで、このようにPETボトル持参の常連さんが多く目立ちました。

施設はあまり冴えませんが、お湯は掛け流しのモール泉で、とっても爽快な浴感が楽しめました。穴場ですね。


アルカリ性単純温泉 47.4℃ pH8.8 湧出量不明(動力揚湯) 溶存物質0.767g/kg 成分総計0.768g/kg(腐植質4.0mg/kg 天然ガス付随)

JR室蘭本線白老駅より徒歩10分弱
北海道白老郡白老町若草町2-2-4  地図
0144-82-2355

11:00~20:00(冬季は19:00まで)
400円
シャンプー類あり、他なし

私の好み:★★★


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帯広温泉 アサヒ湯

2011年05月12日 | 北海道
帯広市街地に湧くモール泉のひとつで、温泉ファンの間では大評判の公衆浴場です。いままで何度か訪れているのですが、タイミングが悪いのかその都度混雑しており、じっくりお湯を堪能できず仕舞でした。先日(といっても3ヶ月前)ようやくお客さんの少ない時間帯に利用する機会を得たので、その時の様子を元にレポートさせていただきます。


2~3年ほど前に一旦休業したこのアサヒ湯ですが、熱心なファンがここを買い取って全面改修し、再びオープンするに至ったんだそうです。有志の方々、ありがとうございます。
こじんまりしていますが全体的にシックで落ち着いた雰囲気の建物です。券売機で料金を支払い、受付に券を提出。カウンターの方が公衆浴場には珍しく妙齢の女性だったのでちょっとビックリ&一目惚れ…。脱衣所も狭いながら手入れが行き届いており清潔感が漲っていました。


浴室に入った途端、芳しいタマゴ臭が香ってきたので、もうメロメロ。他の帯広の温泉同様、ここもモール泉なのですが、なぜかモール臭より硫黄的なタマゴ臭の方が強いのがここの特徴。

浴室左側には洗い場が並んでいます。押しバネ式カランとシャワーのセットが計6組。カランのお湯は源泉が出てきます。
浴槽は奥が水風呂、手前が源泉の温浴槽で3人サイズ。なお浴室正面奥は小さなサウナです。
温浴槽には脱衣所側に浅い段、洗い場側にそれよりちょっと深めの段がそれぞれ設けられており、壇の下にはまるでヤツメウナギの鰓孔みたいな湯口の穴が計5ヶ所あいていて、そこから源泉が供給されています。湯口にあたる箇所の底は泉質のために黒ずんでいるので、どこに穴があるのかは一目瞭然。浴槽の縁からは常時静かにお湯がオーバーフローしており、人が入るとさながら洪水のようにザバーっと溢れ出て、洗い場の排水が追いつかなくなるほどの状態になります。


若干薄めの烏龍茶色で透明。上述のように明瞭なタマゴ臭+モール臭で温泉好きにとっては極上の芳香。タマゴ味+重曹味Lモール泉独特の風味。
ツルツルスベスベ感が非常に強く、ひっかかりは皆無で、ヌルヌルに近い浴感です。あまりの気持ちよさゆえ、入浴中は何度も肌をさすりたくなる衝動に駆られます。まさに美肌の湯。
また気泡の付着が夥しく、あっという間に全身泡だらけ、湯面でも泡がはじけているほどです。
なお分析表には源泉温度が40.2℃と表記されていますが、浴槽ではそれ以上の温度でした。分析時に比べて源泉温度が上昇したのか、あるいは単に加温されているだけなのか…。

湯加減もちょうどよく、極上の浴感も相俟っていつまでも入っていたくなりますが、スペースの都合上長い間入浴しているわけにもいかず、混雑状況によっては速やかに後から来たお客さんに譲ってさしあげないと迷惑かけちゃいます。でも常連さんはその辺りを良く心得ており、皆さん互いに配慮して声を掛け合いながら利用していました。良いお風呂は良いお客さんによって支えられているんだということを実感させられます。



ピリカイコロユ アサヒ湯
アルカリ性単純温泉 40.2℃ pH8.6 溶存物質0.504g/kg 成分総計0.505g/kg

JR帯広駅より徒歩10分(約900m)
北海道帯広市東3条南14丁目19  地図
0155-24-1933

13:00~23:00(日曜は朝湯営業6:00~10:00) 無休
420円
ロッカー(100円リターン式)あり、ドライヤー10円/3分、石鹸シャンプー類の備え付け無し

私の好み:★★★
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

帯広温泉 たぬきの里

2011年05月12日 | 北海道
帯広は市街地に天然モール泉の温泉が沢山湧いているので、私のような温泉好き人間には垂涎の地でありますが、今回はその中の一つである「たぬきの里」を利用したときのことを書き綴ってみます。

 
帯広駅南口からまっすぐ伸びる大通りを歩いて約5分ほどという好立地。でも周囲はちょっとしたラブホ街なので、夜に一人でウロウロするのはちょっと心理的に難しいという人もいらっしゃるでしょう(私はちっとも気にならないので、全く問題なし)。建物自体はマンションなんですが、その下層階が公衆温泉浴場として開かれています。

階段を上がった2階に受付があります。訪問した時間帯がちょうど夜6時の混雑時間帯だったため、誰にも邪魔されずに湯浴みしたかった私は家族風呂を利用することにしました。こちらの家族風呂は一人でも利用可能です。受付で部屋の番号札を貰っていざお風呂へ。


家族風呂は建物の3階にあるので、受付脇の階段を更に上がります。上の画像は3階の廊下の様子です。一見するとマンションの部屋のドアが並んでいるように見えますが、これはすべて家族風呂(個室)です。ドアに開けられた格子状の換気窓が浴室であることの証しといえるでしょうね。
これより上層の階は一般のマンション(貸室)になるわけですが、こんなに沢山のお風呂がある上に居住するとなると、湿気やカビ・水が響く音などに悩まされたりしないんでしょうか。


今回宛がわれた部屋は16号室。札には「子だぬき16」って書かれていますね。ということは大浴場は大だぬきなんでしょうね。かなりの曲者だったりして。


室内の様子です。長椅子と洗面台と棚がそれぞれポツンと置かれており無味乾燥としています。一人で使うには勿体無い広さなので、スペースをもてあました私は、無意味に踊ってみたりしました。テレビが置かれているのは、利用者みんなで湯上りにでもゆっくり見てちょうだい、という意味なんでしょう。でもこのテレビはアナログですね。


浴室です。2人サイズの扇形ポリ浴槽がひとつとカランが1基。2~3人の利用を想定したような大きさかと思われます。この浴槽、安いラブホでよく見かけますね。それはさておき、湯口(というか浴槽用の大きなカラン)からは源泉そのままのお湯がドバドバ投入されており、浴槽に体を沈めると、勢い良くザバーンとお湯が溢れ出して、洗い場は大洪水状態になりました。この瞬間が何とも言えず豪快で気持ちいいんですよね。一応浴槽には水も入れることが出来ますが、源泉そのままでちょうど良い湯加減なので、水で薄めずにお湯を張ることができました。

お湯は帯広でよく見られる典型的なモール泉で、やや濃い烏龍茶色の透明。浴室に入った途端香ってくるモール臭がとっても芳しく、湯口では薄っすらですがタマゴ臭も匂ってきます。口に含むとモール独特の風味+微タマゴ味+微ほろ苦+微かなアルカリ的収斂が感じられました。ツルツルスベスベ感が強くて肌触り良好。間違いなく女性受けする浴感です。湯中でじっとしていると気泡も付着します。

色が濃いので味や匂いなどの知覚面も強いのかと思っていましたが、実際には帯広の他のモール泉より若干弱めかもしれません。でも浴感や湯加減は素晴らしく、小さな浴槽にドバドバ源泉を投入しているのでお湯は新鮮そのもの、非加熱非加水循環消毒一切無しのお湯を贅沢に独り占めできるのですから、文句のつけようがありません。


浴室の窓から外を眺めると、そこにはラブホのネオンサインが。でも名前が「赤坂」や「六本木」なんですね。どういうネーミングセンスをしているのかしら…。



アルカリ性単純温泉 42.7℃ pH8.8 500L/min(自噴) 溶存物質0.405g/kg 成分総計0.405g/kg

JR帯広駅より徒歩5分強(約700m)
北海道帯広市西5条南15丁目11-3  地図
0155-21-2683

12:00~24:00 無休(元旦休業)
大浴場370円・家族風呂600円
ドライヤーあり(大浴場は有料・家族風呂は無料)、各入浴用具類は販売(備え付け無し)

私の好み:★★★



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする