

青森県津軽平野のどまんなか、旧平賀町の中心部から西へちょっと外れた辺りの六羽川沿いに建つ地元民向けの共同浴場です。
わかりにくい場所ですが、平賀駅の方から伸びる通り(かつては県道だった?)が六羽川を跨ぐ橋のたもとに黄色い看板が立っているので、それを目印にすれば問題ないでしょう。建物裏手にはちゃんと駐車場も用意されています。

その裏手に源泉井と貯湯タンク(1立米)を発見。タンクの製造年月が2010年5月だったので、つい最近源泉設備が改修されたものと思われます。ここの他、平川市内の温泉設備では最近改修されたと思しき源泉井が多く見られるのですが、おそらく市で音頭をとって一斉に改修にとりかかったのでしょう。

地元民向けですが、道沿いに看板が立っていることからもわかるように、お金を払えば外来者も入浴することが出来ます。あくまで地元コミュニティーのための浴場なので、津軽の一般的な温泉公衆浴場と比べてかなりこじんまりしています。うとうと居眠りしていた受付のおばちゃんに声を掛け、直接料金を手渡して中へ。脱衣所には弘前などで見られる扇ねぷたのミニチュアがぶらさがっていました。天井ではデカい扇風機がぐるぐる回っています。


お湯は無色透明。にもかかわらず弱めながらモール臭が漂っているのが面白いところ。口に含むとはっきりとした塩味に出汁味が感じられます。ツルツルスベスベでとっても肌触りの良い浴感。湯中には小さく薄い茶色の浮遊物が確認できます。湯口にガーゼを巻いて湯の華を漉しているんですが、目が粗いからすり抜けちゃうんでしょうね。見た目は薄そうなお湯ですが、意外にも溶存物質が9.575g/kgもある等張性の純食塩泉(Na:95.38mval%、Cl:97.86mval%)ですから、その実力はなかなかのもので、湯上りの温まりパワーはかなり強く、冬ならいつまで経っても湯冷めしないでしょう。逆に夏だと体が思いっきり火照ってしまうため汗が引かない状態が続きます。
浴槽は温度別に2分され、ぬるい槽は4人サイズで熱い槽は8~10人サイズ。両方に湯口となる栓が取り付けられているのですが、ぬる湯槽の栓は閉まっており、熱い槽からお湯を受けるような形になっています(双方は仕切りの底に開けられた穴でつながっている)。源泉温度が熱いため、水も同時に浴槽へ投入されています。お湯・水ともにドバドバ入れられており、浴槽からは贅沢にオーバーフローしています。
洗い場のカランはシャワー付き混合栓が10基。カランのお湯は源泉使用です。常連さんはカランのお湯を出しっぱなしのままにしておくので、浴槽の溢れ出しとカランからのお湯によって洗い場は排水が追いつかず、ちょっとした洪水状態になっていました。
シンプルで余計なものがない浴場ですが、お湯の鮮度は抜群。実に長閑なお風呂でした。津軽はこんな温泉が至るところに存在しているんですから、温泉好きにとってはまさに天国ですね。
ナトリウム-塩化物温泉 50.0℃ pH7.90 溶存物質9.575g/kg 成分総計9.587g/kg
弘南鉄道弘南線・平賀駅より徒歩15分程度(約800m)
青森県平川市大光寺字一滝本105 地図
4~10月→6:00~21:00 11~3月→6:30~21:00
200円
備品類なし
私の好み:★★★