温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

大光寺温泉

2011年05月14日 | 青森県
 
青森県津軽平野のどまんなか、旧平賀町の中心部から西へちょっと外れた辺りの六羽川沿いに建つ地元民向けの共同浴場です。
わかりにくい場所ですが、平賀駅の方から伸びる通り(かつては県道だった?)が六羽川を跨ぐ橋のたもとに黄色い看板が立っているので、それを目印にすれば問題ないでしょう。建物裏手にはちゃんと駐車場も用意されています。


その裏手に源泉井と貯湯タンク(1立米)を発見。タンクの製造年月が2010年5月だったので、つい最近源泉設備が改修されたものと思われます。ここの他、平川市内の温泉設備では最近改修されたと思しき源泉井が多く見られるのですが、おそらく市で音頭をとって一斉に改修にとりかかったのでしょう。


地元民向けですが、道沿いに看板が立っていることからもわかるように、お金を払えば外来者も入浴することが出来ます。あくまで地元コミュニティーのための浴場なので、津軽の一般的な温泉公衆浴場と比べてかなりこじんまりしています。うとうと居眠りしていた受付のおばちゃんに声を掛け、直接料金を手渡して中へ。脱衣所には弘前などで見られる扇ねぷたのミニチュアがぶらさがっていました。天井ではデカい扇風機がぐるぐる回っています。

 
お湯は無色透明。にもかかわらず弱めながらモール臭が漂っているのが面白いところ。口に含むとはっきりとした塩味に出汁味が感じられます。ツルツルスベスベでとっても肌触りの良い浴感。湯中には小さく薄い茶色の浮遊物が確認できます。湯口にガーゼを巻いて湯の華を漉しているんですが、目が粗いからすり抜けちゃうんでしょうね。見た目は薄そうなお湯ですが、意外にも溶存物質が9.575g/kgもある等張性の純食塩泉(Na:95.38mval%、Cl:97.86mval%)ですから、その実力はなかなかのもので、湯上りの温まりパワーはかなり強く、冬ならいつまで経っても湯冷めしないでしょう。逆に夏だと体が思いっきり火照ってしまうため汗が引かない状態が続きます。

浴槽は温度別に2分され、ぬるい槽は4人サイズで熱い槽は8~10人サイズ。両方に湯口となる栓が取り付けられているのですが、ぬる湯槽の栓は閉まっており、熱い槽からお湯を受けるような形になっています(双方は仕切りの底に開けられた穴でつながっている)。源泉温度が熱いため、水も同時に浴槽へ投入されています。お湯・水ともにドバドバ入れられており、浴槽からは贅沢にオーバーフローしています。
洗い場のカランはシャワー付き混合栓が10基。カランのお湯は源泉使用です。常連さんはカランのお湯を出しっぱなしのままにしておくので、浴槽の溢れ出しとカランからのお湯によって洗い場は排水が追いつかず、ちょっとした洪水状態になっていました。

シンプルで余計なものがない浴場ですが、お湯の鮮度は抜群。実に長閑なお風呂でした。津軽はこんな温泉が至るところに存在しているんですから、温泉好きにとってはまさに天国ですね。


ナトリウム-塩化物温泉 50.0℃ pH7.90 溶存物質9.575g/kg 成分総計9.587g/kg

弘南鉄道弘南線・平賀駅より徒歩15分程度(約800m)
青森県平川市大光寺字一滝本105  地図

4~10月→6:00~21:00 11~3月→6:30~21:00
200円
備品類なし

私の好み:★★★
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西の里温泉 里の森 森のゆ

2011年05月14日 | 北海道

上野幌駅から歩いて約10分ほど、北広島市と厚別区の境界線が蛇のようにクネクネ這っている丘の上に立地する山根園ウエストヒル「里の森」。ゴルフのショートコースを中心に、温泉とレストランが併設された郊外のレジャー施設です。このうち今回はお風呂だけ利用しました。

 
ゴルフ場のクラブハウスを兼ねた建物は比較的に新しく、全体的に温かみを感じるつくりになっています。大きな暖炉もあって、いい雰囲気です。


エントランスの右側が温泉のエリア。休憩スペースを通り抜けて浴室へ。広い館内には大きな窓が広がり、明るくゆとりのある空間が確保されています。ま、端的に表現するならばゴルフ場のクラブハウス的と言えばいいのかもしれませんね。

 
この休憩スペースには「飲む温泉」、すなわち飲泉所が設けられていました。コックを開けるとこの施設で使われている源泉がチョロチョロと出てきます。紙コップで受けてゴクっと飲んでみました。
赤ワインを薄めたような褐色透明、弱モール臭と腐葉土っぽい匂いが漂い、モール泉的風味と重曹味が舌に微かに残りました。塩味があるような感じもしますが、その辺りはちょっと微妙。口当たりは柔らかく、喉越しも良好。わかりやすいモール泉です。
札幌郊外では当別の「開拓ふくろふ乃湯」がモール泉みたいなお湯ですが、北広島でもモール泉が湧いているんですね。


内湯は手前から高温槽、中温槽、サウナの順に並んでいます。窓に面しているので採光や開放感はバッチリ。高温槽は43℃設定、中温槽は40℃前後で、中温槽は中央の底からジャグジーがブクブク作動しています。この中温槽は絶妙な湯加減、モール泉ならではのスベスベ浴感も手伝って、実に気持ちが良いのです。お客さんは皆さんここでじっくり長湯していました。
なお洗い場のカランはシャワー付き混合栓が20基設置されています。


露天は見晴らしの良い爽快なロケーション。周囲は木立に囲まれているため静寂さが辺りを包み、とても札幌近郊の市街地とは思えない環境です。彼方には山々の稜線がはっきり眺められ、眺望と開放感が素晴らしい。浴槽は10人サイズ、温度は41~2℃設定。私はこの露天風呂が気に入ってしまい、1時間近くも長居しつづけてしまいました。 





(↑画像クリックで拡大)
丘の斜面を下りきったところには千歳線の線路が横切っています。さすが北海道の大動脈、快速エアポートをはじめ、各種特急や貨物列車が次々に通過していきます。画像に写っているのは、たぶん「スーパーおおぞら」か「スーパー北斗」でしょう。


(↑画像クリックで拡大)
上述の飲泉所でも述べましたが、お湯はいわゆるモール泉。お湯の表面には白い微細な物が浮いていますが、これは源泉由来のものでしょう。ヌルヌルスベスベ感がとっても気持ちよく何度も肌をさすりたくなる浴感です。なお浴槽では匂いなどの知覚がちょっと弱めのように感じられました。源泉温度が40℃以下のため、各浴槽とも加温されています。

気になったのが湯使いに関する表示の仕方です。「源泉100%」と書かれているので、てっきり完全源泉掛け流しなのかと思い込んでいたのですが、あまりオーバーフローしないかわりに吸引口からの吸い込みが強い浴槽の様子や、実際に入ってみたお湯の状態から推測するに、どうやら完全掛け流しではないことに気づいたのです。湯上りに館内をよく探してみると、そのことについてちゃんと説明が貼ってありました。曰く、源泉100%で水位を維持するため全く何も加えない源泉が供給されるが、入浴に適した温度にするため加温し、衛生管理のため循環濾過している、また営業前と後には塩素を加え、営業中は銀イオン殺菌を行っている、とのこと。
つまり半循環なんですね。加水していないお湯を使っているから源泉100%という理屈が成り立つわけです。まぁ確かに嘘偽りは無いんですけど、ちょっと紛らわしい表示かもしれません。とはいえ、このようにちゃんと湯使いについてディスクローズしているのですから、その姿勢は評価すべきでしょう。安易に塩素に頼らず銀イオンにより消毒を実施している点も嬉しいところです。

半循環ですがお湯の浴感は素晴らしく、露天風呂もロケーションも絶好。落ち着きのある内装で使い勝手が良く、全体的に清潔感に溢れているため、おそらく万人受けするのではないでしょうか。(休日には大混雑するという話も聞くほどです)。基本的に私は循環湯使いの温泉はあまり好きではないのですが、例外的にここはリピートしたくなりました。


ウエストヒルホットスプリング源泉
ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物温泉 39.6℃ pH8.5 300L/min(動力揚湯) 溶存物質1.024g/kg 成分総計1.026g/kg

JR千歳線・上野幌駅より徒歩10分(約600m)
北海道北広島市西の里511-1  地図
011-375-2850
ホームページ

9:00~22:00
600円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★★

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