温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

沼尻温泉 沼尻高原ロッジ

2011年05月26日 | 福島県

沼尻温泉は源泉地帯である安達太良山中の沼尻元湯が大好きで、そこばかりに行って途中のお宿には行ったことがなかったのですが、元湯から引湯されて麓で供給されるお湯はどんなものだろうという小さな興味が湧いたため、気持ちよく晴れた春の某日、沼尻温泉のお宿のひとつである「沼尻高原ロッジ」を日帰り入浴で訪れてみました。

 
目の前は沼尻スキー場のゲレンデ。雪が無い時期は広大な原っぱが広がり、この上なく爽快です。子供達を連れてきて、ここで全力で走らせてあげたいですね。いくら駆けっこしても暴れても大丈夫。

 
私が尊敬する田部井淳子さんが運営するログハウス風のロッジ。玄関には手書きで「温泉500円」と書かれた板が立てられていました。この手作り感がいいですね。料金も沼尻温泉では最安値のはずです。


館内には暖炉が置かれ、ヨーロッパの民宿を思わせるようなとっても洒落た雰囲気。受付では若い男性の方が快く爽やかに対応してくださいました。

 
内湯です。ほぼ半円の浴槽には沼尻元湯から引かれてきた硫黄のお湯が張られています。
溶岩を模したような湯口から温泉が投入されていますが、熱いために全て注がれているわけではなく、湯量を絞るために半分近くは木の樋に流れてそのまま捨てられていました。
なお洗い場にはシャワー付き混合栓が4基。強い酸性の温泉を含む排水を公共の下水に流すことができないためか、お風呂の排水はそのまま川へ流しており、そんな事情ゆえボディーソープは環境負荷が少ない備え付けのものを使ってくださいとのこと。


こちらは露天。屋根がかかっているので雨天や雪でも大丈夫ですね。6人は入れそうな大きさです。特に展望がひらけているわけではありませんが、高台なので圧迫感は無く、森の中での静かな湯浴みを楽しむことが出来ました。内湯同様、露天も湯口からお湯を直接投入せず、樋で迂回させて冷ました上で浴槽へ注がせており、半分近くは捨てられていました。それでもちょっと熱め。

薄いレモンイエローで透明のお湯は、口に含むと歯がキシキシするような強い酸味を帯び、それとともに渋み・えぐみも感じられ、硫化水素の匂いもはっきりと鼻を刺激します。加水加温循環消毒一切なし。浴槽の中には白い沈殿がちらほら。強い酸性泉によくみられるヌルヌル&ツルツルの浴感が得られます。源泉地帯の元湯で入浴するときは、沢の水で薄まってちょうどよい湯加減の所を狙って入るわけですが、こちらは引湯されているとはいえ源泉そのままを投入しているのですから、元湯で入るよりも濃い状態のお湯であると言え、実際に入ってみた感触としては元湯の野湯よりも酸性っぽさ(知覚や刺激)が強いように感じられました。

この沼尻温泉、最近の調査によると、湧出量が毎分13,400Lにも及び、秋田の玉川温泉を凌いで日本一である可能性が出てきたそうです。数値をきちんと精査して改めて日本一が証明されれば、沼尻は俄然脚光を浴びるかもしれませんね。沼尻には何軒かのお宿がありますが、アウトドア派の方やお子さん連れの方にはこの「沼尻高原ロッジ」がおすすめです。


沼尻元湯
酸性-カルシウム・アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉
71.8℃ pH1.9 10000L/min(自然湧出) 溶存物質3002mg/kg 成分総計3002mg/kg 

福島県耶麻郡猪苗代町蚕養字沼尻山甲2855  地図
0242-64-3722

11:00~18:00(繁忙時は16:00でclose)
500円
ロッカー有料(100円)、ドライヤー・ボディーソープ(シャンプー兼用型)あり

私の好み:★★★

コメント (1)
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