※2020年4月に経営者が変わり、「湯宿あかまつ」としてリニューアルオープンしました。当記事は2011年時点旧「さかえ館」の様子を取り上げています。

月岡温泉のお宿は、立派でお高めの旅館と湯治宿的な小規模施設のふたつに分類できますが、「さかえ館」は後者の典型例でして、月岡温泉で観光客がもっとも集まるであろう足湯「月姫広場」の斜め前、新湯エリアのど真ん中に位置する絶好のロケーションにもかかわらず、周囲の立派な旅館群と異なり、この宿一軒だけぽつねんと鄙びた雰囲気を漂わせています。

隣には新湯の源泉分湯小屋が立っています。この小屋から最も近い場所でお風呂に入れる施設が「さかえ館」です。鄙びたお宿で宣伝などは特に行っていないにもかかわらず、ネットで月岡温泉を検索するとこの「さかえ館」を取り上げた温泉ファンのサイトやブログがたくさんヒットするんですから、それだけ温泉に一家言持っている御仁を満足させるお湯なんでしょうね。期待に胸を膨らませて日帰り入浴をお願いすることにしました。

玄関には木彫りで「旅舎榮館」と記された大きな札が立てかけてありました。以前はこれを表に出していたのかもしれませんね。中に入って声を掛けると、右側の部屋から犬を抱きかかえながらお婆ちゃんが登場。日帰り入浴を乞うと「ちょっと待ってくださいね」と奥へ行ってお風呂の状況を確認し、「大丈夫ですよ」とOKをいただいて、晴れて入浴できることに。その間、お婆ちゃんの腕に抱かれたワンちゃんはキャンキャンとけたたましく吠えて私を威嚇し続けていました。常連らしき爺さんが現れたときには吠えていなかったので、ワンちゃんは一見の客を見抜く力を持っているのかも。
浴室は玄関の左側。シンプルな内装です。湯治宿・自炊宿とはいえ、その手の施設にありがちな老朽感はあまりなく、手入れの行き届いた綺麗な館内でした。
浴室に近づくにつれ、月岡らしい油臭が漂ってきます…。

浴室は大小の2室があり、それぞれ貸し切りで使用します。こちらは小浴室で「家族風呂」として使われているようです。1~2人入ればいっぱいになってしまいそうなお風呂です。

もうひとつの浴室はご覧の通りの大きさで、3~4人は入れそうな浴槽がひとつ据えられています。全面タイル貼りで明るく綺麗なお風呂です。今回は先客がいなかったため、こちらの浴室を一人で使わせていただきました。こちらの宿のお風呂は男女の区別がないため、普段は利用客同士で譲り合いながら、うまい具合にやりくりしているそうです。

浴室にはシャンプー類の他、画像のように石鹸とヘチマのスポンジが備え付けてありました。これで体を洗ってくれ、ということなんでしょうが、他の人が使ったヘチマスポンジはあまり使いたくないなぁ。なお洗い場には水の蛇口しか無いので、掛け湯のときには浴槽から桶で直接汲むことになります。

コップが置かれた湯口から源泉が投入されています。加温循環消毒などは為されていない掛け流し。お湯は浴槽縁に開けられた二つの切り欠けから排湯されており、人が入るとしっかりオーバーフローしていきます。月岡らしく綺麗な翠色の透明のお湯で、焦げたような硫黄臭と油臭が混じりあった強い刺激臭や、苦味・渋み・塩味・硫黄味が混淆した味もしっかり月岡らしさを主張しています。湯口まわりや浴槽の縁に見られる黒ずみは油が原因でしょうね。こちらで使われているお湯は新湯源泉ですが、前回取り上げた「浪花屋旅館」で利用されている旧湯より匂い・味ともに若干マイルドであるように感じられました。
湯面には油が沢山浮いており、窓から差し込む日の光を反射して虹色に輝いています。湯中では細かくて灰色を帯びた綿状の湯の華が沢山舞っていました。さすが美人の湯だけあってツルツルスベスベ感が強く、よく温まります。
含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉 50.0℃
(HS-:88.4mg/kg)
JR羽越本線・月岡駅より新潟交通観光バス(路線バス)で約10分、月岡新湯下車、徒歩1分
またはJR白新線・豊栄駅よりシャトルバスで23分・200円、月岡新湯下車、徒歩1分
新潟県新発田市月岡温泉552-24 地図
0254-32-2424
日帰り入浴館可能時間:要問合せ
300円
シャンプー類あり、ドライヤー貸し出し、貴重品帳場預かり
私の好み:★★★

月岡温泉のお宿は、立派でお高めの旅館と湯治宿的な小規模施設のふたつに分類できますが、「さかえ館」は後者の典型例でして、月岡温泉で観光客がもっとも集まるであろう足湯「月姫広場」の斜め前、新湯エリアのど真ん中に位置する絶好のロケーションにもかかわらず、周囲の立派な旅館群と異なり、この宿一軒だけぽつねんと鄙びた雰囲気を漂わせています。

隣には新湯の源泉分湯小屋が立っています。この小屋から最も近い場所でお風呂に入れる施設が「さかえ館」です。鄙びたお宿で宣伝などは特に行っていないにもかかわらず、ネットで月岡温泉を検索するとこの「さかえ館」を取り上げた温泉ファンのサイトやブログがたくさんヒットするんですから、それだけ温泉に一家言持っている御仁を満足させるお湯なんでしょうね。期待に胸を膨らませて日帰り入浴をお願いすることにしました。


玄関には木彫りで「旅舎榮館」と記された大きな札が立てかけてありました。以前はこれを表に出していたのかもしれませんね。中に入って声を掛けると、右側の部屋から犬を抱きかかえながらお婆ちゃんが登場。日帰り入浴を乞うと「ちょっと待ってくださいね」と奥へ行ってお風呂の状況を確認し、「大丈夫ですよ」とOKをいただいて、晴れて入浴できることに。その間、お婆ちゃんの腕に抱かれたワンちゃんはキャンキャンとけたたましく吠えて私を威嚇し続けていました。常連らしき爺さんが現れたときには吠えていなかったので、ワンちゃんは一見の客を見抜く力を持っているのかも。
浴室は玄関の左側。シンプルな内装です。湯治宿・自炊宿とはいえ、その手の施設にありがちな老朽感はあまりなく、手入れの行き届いた綺麗な館内でした。
浴室に近づくにつれ、月岡らしい油臭が漂ってきます…。

浴室は大小の2室があり、それぞれ貸し切りで使用します。こちらは小浴室で「家族風呂」として使われているようです。1~2人入ればいっぱいになってしまいそうなお風呂です。

もうひとつの浴室はご覧の通りの大きさで、3~4人は入れそうな浴槽がひとつ据えられています。全面タイル貼りで明るく綺麗なお風呂です。今回は先客がいなかったため、こちらの浴室を一人で使わせていただきました。こちらの宿のお風呂は男女の区別がないため、普段は利用客同士で譲り合いながら、うまい具合にやりくりしているそうです。

浴室にはシャンプー類の他、画像のように石鹸とヘチマのスポンジが備え付けてありました。これで体を洗ってくれ、ということなんでしょうが、他の人が使ったヘチマスポンジはあまり使いたくないなぁ。なお洗い場には水の蛇口しか無いので、掛け湯のときには浴槽から桶で直接汲むことになります。


コップが置かれた湯口から源泉が投入されています。加温循環消毒などは為されていない掛け流し。お湯は浴槽縁に開けられた二つの切り欠けから排湯されており、人が入るとしっかりオーバーフローしていきます。月岡らしく綺麗な翠色の透明のお湯で、焦げたような硫黄臭と油臭が混じりあった強い刺激臭や、苦味・渋み・塩味・硫黄味が混淆した味もしっかり月岡らしさを主張しています。湯口まわりや浴槽の縁に見られる黒ずみは油が原因でしょうね。こちらで使われているお湯は新湯源泉ですが、前回取り上げた「浪花屋旅館」で利用されている旧湯より匂い・味ともに若干マイルドであるように感じられました。
湯面には油が沢山浮いており、窓から差し込む日の光を反射して虹色に輝いています。湯中では細かくて灰色を帯びた綿状の湯の華が沢山舞っていました。さすが美人の湯だけあってツルツルスベスベ感が強く、よく温まります。
含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉 50.0℃
(HS-:88.4mg/kg)
JR羽越本線・月岡駅より新潟交通観光バス(路線バス)で約10分、月岡新湯下車、徒歩1分
またはJR白新線・豊栄駅よりシャトルバスで23分・200円、月岡新湯下車、徒歩1分
新潟県新発田市月岡温泉552-24 地図
0254-32-2424
日帰り入浴館可能時間:要問合せ
300円
シャンプー類あり、ドライヤー貸し出し、貴重品帳場預かり
私の好み:★★★