湯田中温泉のランドマーク的な存在である外湯。いままで何故か入ってこなかったのですが、先日入浴する機会を得たので行ってきました。そんなに大きな建物ではありませんが、風格が漂い重厚感に溢れ、1300年の歴史を刻んできた威風堂々とした佇まいに思わず圧倒されそうになります。
温泉ファンの皆さんならご存知のように、この大湯は地元の方あるいは湯田中宿泊者だけが利用でき、一般外来には開放していません(毎月26日は除く)。このカードキーで扉を開けます。
館内は脱衣所と浴室の一体型。石材と木材を組み合わせた伝統的な湯屋です。訪問当日は寒い日でしたが、天井の湯気抜きによって換気がシッカリ行われ、浴室内に湯気が篭るようなことはありませんでした。
浴槽は2分され、それぞれ4人サイズ。縁は木枠で底は石敷き。湯口のある山側の槽はかなり熱く、そこから流れてきたお湯を受けている道路側の槽は若干ぬるめでした(それでも43~4℃はありました)。古典的なつくりのお風呂ですからカランはありません。洗い場は排水用のスリットが入った白木の板敷き。その上を歩くと木の質感が実に気持ちよい。
男女の境は磨りガラス。ドボドボと湯口からお湯が注がれる音だけが湯気に木霊して室内に響いています。
無色澄明、微塩味+出汁味+芒硝味、ちょっと焦げたような出汁のような香りに弱い芒硝の匂いが混じって総じて香ばしい匂い。湯口には白い析出が付着しています。また山側の高温槽の底には白い沈殿が少々見られました。分析表では食塩泉になっていますが、含まれている硫酸塩の影響か、意外とひっかかりのある浴感です。
勿論加水加温循環消毒一切無しの掛け流し。ただ洗い場へだらしなくオーバーフローするのを防ぐためか、排湯はパスカルの原理を用いたパイプによって洗い場の隅までもっていった上で行われていました。
(↑画像クリックで拡大)
明治19年に記された湯田中温泉大湯の入浴法が掲示されています。
余計なものは何も無いのがかえってとっても味わい深い。伝統と風格を兼ね備えた素晴らしい湯屋ですね。
共益会4号ボーリング
ナトリウム-塩化物温泉 93.2℃ pH8.58 成分総計1869.4mg/kg
長野県下高井郡山ノ内町平穏 地図
湯田中温泉観光協会ホームページ
毎月3・11・18・27日と5月7日・10月7日・12月30日の9:00~17:00は清掃時間
湯田中温泉の旅館に宿泊すれば利用可能
備品類なし
私の好み:★★★