温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

長万部温泉 丸金旅館

2011年05月13日 | 北海道
 
長万部温泉の旅館のうち、露天風呂があるのは唯一ここだけという情報を入手したので、入浴をお願いしてきました。場所は共同浴場が併設されている長万部温泉ホテルの真向かいです。夜の忙しい時間でしたが、玄関には「日帰り入浴歓迎」の札が立てかけてあり、中に入ると和服の女将が笑顔で受け入れてくれました。

 
玄関正面の廊下を真っ直ぐ進んで突き当たりの左側が浴室です。浴室手前はソファーが置かれた休憩スペースになっており、雰囲気つくりを頑張っている宿の姿勢が伝わってきます。

 
浴槽は2分されており、湯口がある手前側は4人サイズ。タイル貼りですが縁は木。湯口や木の縁には温泉成分の析出によるトゲトゲができていました。また浴槽内は全体的に赤褐色に染まっているようでした。お湯は源泉がそのまま投入されているらしく、湯口には「44℃」と表記されていますが、この時は外気温が低かったためか、42度くらいでした。

その隣の槽(窓際)は3人サイズでややぬるく、「41℃」の表記がありますが実際には40℃ほどでした。こちらの槽に湯口はないので、お湯は隣から流れてくるのでしょう。この時は利用客が多かったのか、お湯の嵩が減っており、お湯のコンディションも若干なまり気味でした。


「飲泉用」と書かれたコックがありましたが、開けてもお湯は出てきませんでした。


なお洗い場のカラン(シャワー付き)は4基です。


露天は無理やり作ったような小さなもので、2人入ればいっぱいになってしまいそうなサイズ。
高い塀に囲まれ、頭上も屋根に覆われているので、開放感はありません。でも屋外ですから火照った体をクールダウンさせるにはもってこい。お湯も外気に冷やされ、長湯できちゃいそうな温度になっていました。


露天風呂の傍らには同じ長万部町内にある二股ラジウム温泉の放射性石灰華が置かれていました。

使用源泉は四国屋と同じ長温R2号源泉ですので、うすい黄色で透明の見た目やしょっぱい味、そしてガス臭はほぼ変わりありませんが、こちらのお湯は若干金気のような味と匂いが加わり、その一方で臭素臭的な匂いは弱くなっているようでした。湯使いによって変わってくるのかもしれませんね。
掛け流しの湯使いであることに間違いはありませんが、内湯も露天も源泉投入量がちょっと少ないような気がします(私の訪問時だけかもしれませんが)。
いずれにせよ長万部温泉で唯一の露天風呂は十分に価値のあるものであり、火照りやすい泉質ゆえに屋外で体を冷やせるスペースがあるのはとっても助かります。こちらのお宿は料理が良いという情報も得ているので、次回はお食事を含めてお世話になりたいものです。


長温R2号源泉
ナトリウム-塩化物泉 49.5℃ pH8.0 600L/min(動力揚湯) 蒸発残留物10.41g/kg
(平成3年7月)

JR長万部駅より徒歩10分ほど
(駅の東側に掛かっている人用跨線橋で駅裏へ出て、温泉街を東へ)
北海道山越郡長万部町長万部403  地図
01377-2-2617
ホームページ

7:00~22:00
500円
ロッカーあり(フロント正面に貴重品用がある)、ドライヤー・シャンプー類あり

私の好み:★★

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長万部温泉 ホテル四国屋

2011年05月13日 | 北海道

昭和30(1955)年、天然ガス試掘中にたまたま発見されたのが長万部温泉。長万部駅の裏手に小規模旅館が並んでちょっとした温泉街を形成していますが、列車の乗り継ぎで時間を潰そうとこの温泉街をうろうろしていたら、旅館群の中でも駅に近い「ホテル四国屋」の玄関に「日帰り入浴歓迎」と書かれた札が立てかけてあったので、入浴をお願いすることにしました。場末のパブみたいな外観ですが、れっきとした旅館です。女将さんは快く入浴を受け入れてくださいました。

 
赤いジュータンの廊下を真っ直ぐ進んだ右奥が浴室。薄暗くて鄙びている内装に哀愁を感じます。


いかにも昭和の駅前旅館って雰囲気の脱衣所。室内に飾ってある花は造花でした。

 
浴室入った途端、臭素臭みたいな匂いとガス臭が香ってきて、思わず嬉しくなっちゃいました。でも外気との温度差で室内はものすごい湯気が篭って視界不良でした。左側の画像は浴槽を写したのですが、くもっているためちっとも解りませんね。すいません。浴槽は二つに分かれており、湯口側がやや熱くて3人サイズ、その隣は一般的な湯加減で2人サイズとなっています。岩の湯口から絶え間なくお湯が供給され、循環されていない掛け流しの湯使いです。湯口から3人サイズの槽→2人サイズの槽の順に流れてオーバーフローしていきます。人が入るとお湯がザバーっとあふれ出してくれるので豪快な気分が味わえました。
お湯はごく薄い黄色透明。典型的な海水性の温泉で、なめてみるとしょっぱさに出汁のような味が加わって感じられます。食塩泉的なツルスベ感もしっかり得られます。食塩泉ですから保温効果が高く、湯上りはいつまでもポカポカです。なお洗い場にはシャワー付き混合栓が5基設けられています。

 
(↑両画像ともクリックで拡大)
館内の廊下には温泉が発見された当時の様子を記録した写真が飾られていました。
掘削に成功したガスに火を灯している写真がありますが、天然ガスは現在でも長万部町営ガス事業で用いられています。また当時の露天風呂も写っていますが、狭い湯船に女性が芋洗い状態で入っているのがわかります。今ではとても想像できない光景ですね。


ナトリウム-塩化物泉 49.6℃ pH8.0 600L/min(動力揚湯) 蒸発残留物9.410g/kg

JR長万部駅より徒歩10分ほど
(駅の東側に掛かっている人用跨線橋で駅裏へ出ればすぐ)
北海道山越郡長万部町字長万部403  地図
01377-2-2311
ホームページ

13:00~19:00
500円
ドライヤー・シャンプー類あり、貴重品は帳場預かり

私の好み:★★
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