温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

中神温泉

2011年05月29日 | 熊本県
(1年近い前の訪問レポートで申し訳ございません)

 
私は好きな温泉の要件は、ぬる湯、泡つき、いい匂い、の3点なんですが、肥後球磨の人吉盆地に湧く温泉はそれらの条件をすべて満たすものが多く、盆地の長閑な雰囲気も相俟って私は人吉がとっても大好きなんです。滞在時には常時テンション上がりっぱなし。そんな人吉盆地の温泉の中でも特に気に入っているのが今回取り上げる「中神温泉」。周囲を田んぼに囲まれた質素な共同浴場ですが、お湯が堪らなく良いのであります。
あいにくこの日はバケツをひっくり返したような豪雨が終日降り続いたのですが、そんな中でも湯浴みに訪れるお客さんの姿が絶えず、多くの人から愛されていることがうかがえます。番台には人の姿が見えなかったので、所定の料金入れに100円玉2枚を投入。訪問時は無人でしたが、時間帯によっては管理人さんがいらっしゃるみたいです。

 
あくまで地域のための共同浴場なのでつくりはとってもシンプル。今の湯屋は10年ほど前に改築されたらしく、内部は比較的綺麗でした。
男女別の浴室には浴槽はひとつずつ。カラン(シャワー付き)は計4ヶ所備え付けられています。浴槽中央のポストみたいな形をした湯口からは源泉そのままのお湯がドバドバ投入され、浴槽縁からふんだんにオーバーフローしています。お湯は無色透明、口に含むとほぼ無味ながら微かに苦みが感じられ、にもかかわらずとても軽い口当たりです。またほんのりタマゴのような匂いも香っています。

特筆すべきは泡の量でして、湯口から出るお湯は大量の気泡を伴って浴槽へ落ちるために、湯船のお湯は泡によって占拠されており、場所によっては透明であるはずのお湯が白濁して見えるほどです。こんな状態ですからお湯に浸かると全身は忽ち泡だらけになり、私のような気泡付着が好きな人間にとっては夢のような状態になります。お湯自体も40℃に届かないぬる湯で、ツルツルスベスベ気持ちよい浴感を有し、感触が柔らかいお湯なので、いつまでも長湯していたくなります。実際私は1時間以上長湯しちゃいました。ぬる湯ですが長湯すれば体の芯からしっかり温まり、重曹の効果で湯あがりはとってもサッパリします。

常連さんは誰彼となく湯浴みする人には等しく声を掛け、「こんにちは」「お先に失礼します」などの礼儀も欠かしません。これはここのみならず九州全域の共同浴場に共通して言えることでして、公共の場における声掛けは、訪れる人々とのふれあいのみならず、その場所における治安維持にも大いに有意義であるはずですので、是非全国(特に無愛想な男性の多い関東・東北)に広まってほしい風習だと、九州で温泉巡りをするたびに強く願っている次第です。


ナトリウム-炭酸水素塩温泉 39.5℃ pH8.14 溶存物質1085mg/kg 成分総計1089mg/kg

JR肥薩線・西人吉駅から徒歩15分(約1km)
熊本県人吉市中神町段529-1  地図

13:00~22:00 年中無休
200円
備品類なし(だったように記憶していますが…)

私の好み:★★★
コメント
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