温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

網張温泉 仙女の湯

2011年11月10日 | 岩手県
晩秋の某日、岩手山麓のいで湯、網張温泉の露天風呂「仙女の湯」に行ってきました。


まずは「休暇村岩手網張温泉」の正面を通過。

 
正面玄関の右脇にひっそりと佇む「仙女の湯」専用入口より奥へと進みます。案内看板の左下には料金を投入する小さなポストが用意されているので、ここに所定料金300円を入れました。


展望デッキからは雪を頂に載せた岩手山が望めました。

 
建物を通り過ぎると森の中を歩く短いトレイルに突入。木々はすっかり葉を落とし、辺りは冬の装いでした。フワフワした落ち葉の上を踏みしめながら歩みを進めます。道は険しくなく、むしろ手軽に森林浴を楽しむにはもってこいです。浮かれ気分でハミングしながら温泉を目指しました。


トレイルの開始点から150mほどで沢へおりる階段を下ります。

 
階段を降り切った小径の突き当たりには木造の小屋が建っていました。ここまで200m程度。標準では所要7分らしいのですが、私は3分で着いちゃいました。この小屋はもちろん脱衣室。男女別に分かれており、右が女性用、左が男性用となっていました。


小屋の中は棚と籠があるだけで、至ってシンプルです。ちょっと寒い日でしたが、全裸になってお風呂へ突進です。


脱衣小屋から出て桟道を進むと、そこには森の中を落ちる一条の滝、そして水色を帯びた白濁のお湯を湛えた露天風呂が姿を現しました。なんと麗しい光景なんでしょう。岩造りの露天風呂は10人サイズで混浴です。

 
浴槽内などお湯が触れる箇所は成分析出によって真っ白にコーティングされており、特に湯口まわりは綺麗な乳白色に染まっていました。その美しい色合いは仙女が纏うであろうシルクの着物を想像させてくれます。
一見すると濃いお湯のように思われますが、分析表によれば成分総計0.3069g/kgという数値が示す通り、意外と薄めなのです。しかし硫化水素臭とともに明礬的な匂いがはっきりと嗅ぎ取れ、口に含むと硫黄的な味や弱い酸味とともに、金気っぽさや苦み・渋みが混じった明礬味が感じられました。山椒は小粒でピリリと辛いというべきか、薄い成分ながらしっかり知覚的な個性を発揮しているわけです。お湯そのものは無色透明ですが、無数の微細な白いコロイドのために白濁して見えます。
源泉温度が高いために加水されていますが、それでもちょっと熱めの湯加減でして、この時の温度計は約45℃でした。


混浴ですがお風呂には一切の仕切りが無いため、混浴慣れしていない女性にはハードルが高いかもしれませんね。
私にとっては以前から行ってみたかったお風呂でして、現地まで何度も訪れていたのですが、どういうわけか、ここを訪れるのは露天がクローズした後の11月中旬が多かったので、入浴の機会には恵まれませんでした。今回は例年の予定をちょっと繰り上げたため、ようやく入浴にありつくことができ、念願叶って本当に良かったです。


元湯新湯
単純硫黄泉(硫化水素型) 76.7℃ pH4.1 溶存物質0.1401g/kg 成分総計0.3069g/kg
Ca:4.6mg(16.9mval%), Al:6.7mg(54.41mval%), SO4:68.2mg(95.30mval%), 遊離H2S:24.8mg
源泉温度が高いため加水

(所在地や連絡先は休暇村岩手網張温泉)
岩手県岩手郡雫石町網張温泉  地図
019-693-2211
ホームページ

8:00~18:00(雨天及び冬季は利用不可)
300円
備品類なし

私の好み:★★★
コメント (2)
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