私がいままで最も多く利用してきた温泉は、青森県鰺ヶ沢温泉「水軍の宿」の公衆浴場です。かれこれ100回は優に越えているでしょう。といっても、特段気に入っていたわけでもなく、20歳代半ばに諸般の事情により鰺ヶ沢の某ご家庭で居候していたことがあり、そこから最も近い公衆浴場がここだったために、毎日のお風呂として利用していただけの話です。その後も鰺ヶ沢とはいろんなご縁が続き、現在に至るまで年4回以上の頻度で当地を訪れていますが、先日2年ぶりに「水軍の宿」の風呂を利用したら、浴室の内装や構成がリニューアルされていたため、以前の画像も紹介しながら、どのように変貌したのか、簡単にレポートさせていただきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/45/007938c7c247abe6cf45741a9e78b305.jpg)
鰺ヶ沢駅のちょうど真裏にあたり、国道101号バイパスからも近いとても便利な立地。駅から見て手前が旅館部、奥が公衆浴場部です。旅館の宿泊客もお風呂は公衆浴場部の大浴場を利用することになります。
●リニューアル前
まずはリニューアル前の様子を。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/6b/15c0540c8614a0ba5e848c35a67b76ad.jpg)
毎日のように利用していたお風呂なので、あえて撮ろうという気が起らず、このお風呂に関しては画像が極めて僅少です。申し訳ありません。浴室は浴槽廻りが濃い色調のタイル貼りで、男湯は臙脂色でした。浴室の洗い場を過ぎた左側に「熱めの温泉」が据えられ(画像左(上))、右側には「ぬるめの温泉」「薬湯」「水風呂」が並んでいました。実用本位のお風呂で、特にタイルの色が温泉風情からかけ離れていますから、公衆浴場利用者ならともかく、宿泊利用の方からはあまり良い評価を得られなかったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/a9/e8ec03198f72db1933baa2ff6bc3e359.jpg)
露天風呂はしばしば手が加えられてレイアウトが変更されており、当初はこの画像に写っている四阿に覆われた小さな浴槽だけでした。内湯からこのお風呂までは、庭園状のアプローチをちょっと歩く必要があって、夏は足の裏が砂利だらけになり、冬は雪が凍てついて冷たいため、不評の声がよく聞かれました。このため、数年前にこの小さな露天と内湯の間に和舟の形状をした木造の浴槽を新たに設置し、それを新たな露天風呂としました。この舟の露天風呂については現在も使用されているので、画像などは後程紹介します。
●リニューアル後(現況)
リニューアル後も建物はそのままなので、基本的なレイアウトは同じですが、内装がちょこちょこっと変更されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/75/53f5de7cf4f97656233b7b2219402f6e.jpg)
脱衣所の洗面台手前には藍染の布が暖簾のように上から提げられ、鏡周りも手が加えられて、和風な装飾が施されています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/ba/eb5ef28453889585c754343cd3f37495.jpg)
浴室内も基本的なレイアウトに変更はないものの、色調を含めたデザインが一新され、シックな色使いの落ち着いた空間へと生まれ変わっていました。浴槽の縁は木材が使われています。
洗い場にはシャワー付き混合栓が22基設けられ、水栓もリニューアルに合わせて交換されています。洗い場にはシャンプーやボディーソープが置かれていますが、これは宿泊者専用ですから、公衆浴場としての利用の場合は使用不可です(ここのお風呂では以前も同様の措置がとられていました)。
従前の「熱めの温泉」は「熱湯」と若干表記を変えながらも、湯使いに関しては変わりない様子。浴槽に投入されたお湯は洗い場側の切り欠けから上部排湯されており、しっかりとした放流式の湯使いです(従前は浴槽縁からオーバーフローしていました)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/59/9ef5da1248b323268d83ac15b9e4f3ce.jpg)
一方、かつて「ぬるめの温泉」や「薬湯」があったところには、「足つぼ湯」と称する歩行浴槽に変わっており、底には足裏を刺激する玉砂利が敷き詰められていました。張られているお湯は温泉使用です。なお水風呂やサウナは、タイルこそ張り替えられているものの、設置位置などはそのままでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/8a/213a8c48c32558b6427036a7f79a9ebd.jpg)
上述の「リニューアル前」で軽く触れました和舟形の露天風呂がこれです。これはリニューアル後もそのまま流用されていました。もちろんこちらのお湯も温泉使用です。源泉投入量が少ないため、お湯のコンディションはいまいち。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/bd/8b13eb09a27511d81b4cd2bd29bcb2c7.jpg)
以前からある四阿下のちいさな露天は、現在は完全使用が停止され、すっかりお湯が抜かれていました。
お湯は30万年前の化石海水でして、成分総計31.646g/kgという濃さや塩素イオン18660mg/kgという数値が示す通り、無色透明ながら非常に塩辛く、飲泉許可は下りていませんが、もし口にしたとしても、とても飲むことはできないでしょう。海水由来の有機物の影響か、ヨードのような海藻的な匂いが弱く感じられます。塩素イオンの数値は海水とほぼ同一ですね(地域差はありますが海水は約19000mg/L)。なお源泉温度が高いために加水されています。濃い食塩泉ですので、湯上りの温まりはかなり強力です。寒さの厳しい冬でも、なかなか湯冷めしません。逆に、暑い夏はちっとも汗が引かず、いつまでも体がベトベトするので、真湯で全身に上がり湯をかけるのが吉です。
私がここを頻繁に利用していたのは、まだ温泉の魅力に開眼する前でして、温泉とは何たるものかを全く理解せずに毎日ここへ通っていました。お湯がしょっぱいのは海水由来なんだということは理解できる、でもどうして温泉に入ると却って体力が奪われたり体がベトついたり汗が引かなかったりするのか、という諸々の現象について、その因果関係をちっとも理解できておらず、汗っかきの自分の体質に問題があるのだろうと、とんでもない勘違いをしていました。やがて通っているうちに、そうした現象は食塩泉の温泉が有する温浴効果によるものであることを体で習得し、温泉って泉質やコンディションによって、体に及ぼす効果が異なるんだ、入浴方法も泉質によって変えなきゃいけないんだ、ということを理解するに至りました。いわば、ここのお風呂は私の温泉道の第一歩なのであります。
ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉 55.1℃ pH7.5 200L/min(動力揚湯) 溶存物質31.472g/kg 成分総計31.646g/kg
Na:8850mg(73.96mval%), Ca:2565mg(24.59mval%), Cl:18660mg(98.17mval%)
JR五能線・鰺ヶ沢駅より徒歩5分
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町大字舞戸町字下富田26-1 地図
0173-72-6511
ホームページ
8:00~21:00
420円
ロッカー・ドライヤーあり(ロッカー有料?)、石鹸などは販売
私の好み:★★★
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鰺ヶ沢駅のちょうど真裏にあたり、国道101号バイパスからも近いとても便利な立地。駅から見て手前が旅館部、奥が公衆浴場部です。旅館の宿泊客もお風呂は公衆浴場部の大浴場を利用することになります。
●リニューアル前
まずはリニューアル前の様子を。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/58/3cf94a91fdcbec94a0ad4cad8745f6b6.jpg)
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毎日のように利用していたお風呂なので、あえて撮ろうという気が起らず、このお風呂に関しては画像が極めて僅少です。申し訳ありません。浴室は浴槽廻りが濃い色調のタイル貼りで、男湯は臙脂色でした。浴室の洗い場を過ぎた左側に「熱めの温泉」が据えられ(画像左(上))、右側には「ぬるめの温泉」「薬湯」「水風呂」が並んでいました。実用本位のお風呂で、特にタイルの色が温泉風情からかけ離れていますから、公衆浴場利用者ならともかく、宿泊利用の方からはあまり良い評価を得られなかったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/a9/e8ec03198f72db1933baa2ff6bc3e359.jpg)
露天風呂はしばしば手が加えられてレイアウトが変更されており、当初はこの画像に写っている四阿に覆われた小さな浴槽だけでした。内湯からこのお風呂までは、庭園状のアプローチをちょっと歩く必要があって、夏は足の裏が砂利だらけになり、冬は雪が凍てついて冷たいため、不評の声がよく聞かれました。このため、数年前にこの小さな露天と内湯の間に和舟の形状をした木造の浴槽を新たに設置し、それを新たな露天風呂としました。この舟の露天風呂については現在も使用されているので、画像などは後程紹介します。
●リニューアル後(現況)
リニューアル後も建物はそのままなので、基本的なレイアウトは同じですが、内装がちょこちょこっと変更されていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/75/53f5de7cf4f97656233b7b2219402f6e.jpg)
脱衣所の洗面台手前には藍染の布が暖簾のように上から提げられ、鏡周りも手が加えられて、和風な装飾が施されています。
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浴室内も基本的なレイアウトに変更はないものの、色調を含めたデザインが一新され、シックな色使いの落ち着いた空間へと生まれ変わっていました。浴槽の縁は木材が使われています。
洗い場にはシャワー付き混合栓が22基設けられ、水栓もリニューアルに合わせて交換されています。洗い場にはシャンプーやボディーソープが置かれていますが、これは宿泊者専用ですから、公衆浴場としての利用の場合は使用不可です(ここのお風呂では以前も同様の措置がとられていました)。
従前の「熱めの温泉」は「熱湯」と若干表記を変えながらも、湯使いに関しては変わりない様子。浴槽に投入されたお湯は洗い場側の切り欠けから上部排湯されており、しっかりとした放流式の湯使いです(従前は浴槽縁からオーバーフローしていました)。
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一方、かつて「ぬるめの温泉」や「薬湯」があったところには、「足つぼ湯」と称する歩行浴槽に変わっており、底には足裏を刺激する玉砂利が敷き詰められていました。張られているお湯は温泉使用です。なお水風呂やサウナは、タイルこそ張り替えられているものの、設置位置などはそのままでした。
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上述の「リニューアル前」で軽く触れました和舟形の露天風呂がこれです。これはリニューアル後もそのまま流用されていました。もちろんこちらのお湯も温泉使用です。源泉投入量が少ないため、お湯のコンディションはいまいち。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/bd/8b13eb09a27511d81b4cd2bd29bcb2c7.jpg)
以前からある四阿下のちいさな露天は、現在は完全使用が停止され、すっかりお湯が抜かれていました。
お湯は30万年前の化石海水でして、成分総計31.646g/kgという濃さや塩素イオン18660mg/kgという数値が示す通り、無色透明ながら非常に塩辛く、飲泉許可は下りていませんが、もし口にしたとしても、とても飲むことはできないでしょう。海水由来の有機物の影響か、ヨードのような海藻的な匂いが弱く感じられます。塩素イオンの数値は海水とほぼ同一ですね(地域差はありますが海水は約19000mg/L)。なお源泉温度が高いために加水されています。濃い食塩泉ですので、湯上りの温まりはかなり強力です。寒さの厳しい冬でも、なかなか湯冷めしません。逆に、暑い夏はちっとも汗が引かず、いつまでも体がベトベトするので、真湯で全身に上がり湯をかけるのが吉です。
私がここを頻繁に利用していたのは、まだ温泉の魅力に開眼する前でして、温泉とは何たるものかを全く理解せずに毎日ここへ通っていました。お湯がしょっぱいのは海水由来なんだということは理解できる、でもどうして温泉に入ると却って体力が奪われたり体がベトついたり汗が引かなかったりするのか、という諸々の現象について、その因果関係をちっとも理解できておらず、汗っかきの自分の体質に問題があるのだろうと、とんでもない勘違いをしていました。やがて通っているうちに、そうした現象は食塩泉の温泉が有する温浴効果によるものであることを体で習得し、温泉って泉質やコンディションによって、体に及ぼす効果が異なるんだ、入浴方法も泉質によって変えなきゃいけないんだ、ということを理解するに至りました。いわば、ここのお風呂は私の温泉道の第一歩なのであります。
ナトリウム・カルシウム-塩化物強塩泉 55.1℃ pH7.5 200L/min(動力揚湯) 溶存物質31.472g/kg 成分総計31.646g/kg
Na:8850mg(73.96mval%), Ca:2565mg(24.59mval%), Cl:18660mg(98.17mval%)
JR五能線・鰺ヶ沢駅より徒歩5分
青森県西津軽郡鯵ヶ沢町大字舞戸町字下富田26-1 地図
0173-72-6511
ホームページ
8:00~21:00
420円
ロッカー・ドライヤーあり(ロッカー有料?)、石鹸などは販売
私の好み:★★★