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只見町の第三セクターが運営するリゾート施設「季の郷 湯ら里」の敷地内のある日帰り入浴施設です。「むら湯」とはその名の通り村の湯、つまり共同浴場ってことですね。施設名を記してある扁額の文字が目立たず、建物自体もシックな外観なので、自己アピールがいささか控えめ。ここに入浴施設があると予め知っておかないと、気付かずに通り過ぎてしまうかも。
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ちなみに↑画像の施設は宿泊・レストラン・大宴会場などを擁する「湯ら里」の本館。さすが公金を大量投入して造られているだけあって、立派で綺麗な建物です(只見町の出資比率は約90%)。宿泊の評判も良いようでして、私も一度泊まってみたいものです。なおこの「季の郷 湯ら里」は国道289号から坂をちょっと上がった小高い丘の上に建てられており、丘からは伊南川やその対岸の山々が綺麗に望めます。
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話を「むら湯」に戻しますと…館内には浴室の他、食堂(軽食)や休憩室も併設されており、このため建物自体も比較的大きな平屋建てとなっていました。予約をすればここで蕎麦打ち体験もできるみたいです。玄関を上がったところにある券売機で料金を支払。この券売機は食堂の食券販売も兼ねています。玄関入って左手が食堂、右手が浴室です。
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オープンしてまだあまり年月が経っていないのか、館内はどこもかしこも綺麗で清潔。よく手入れされています。脱衣所も使い勝手良好です。
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浴室は男女別の内湯が一室ずつ。屋根など室内の高い箇所は木材使用、窓の上辺から下の側壁や床などはワインレッドの石板が用いられており、全体的に暖色系でまとめられた温かい雰囲気です。また、浴槽は大きなガラス窓に面しており、窓越しには伊南川の流れやその向こうに稜線を広げる山並みが一望できます。室内ながら開放感が抜群で、入浴しながらの眺望が素晴らしい!
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洗い場のカランはシャワー付き混合栓が5基。ちょっと数が少ないかな…。
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お湯はギシギシとした浴感で、赤みを帯びた黄土色に強く濁っており、透明度は20cmあるかないか。はっきりとした塩味に弱炭酸味と金気味及び匂いが感じられ、更にゆでタマゴ臭もはっきり確認できます(たまご味は確認できず)。湯口や浴槽などには土類泉的な析出や硫酸塩泉的な白い析出がコテコテと付着しており、お湯の濃さを物語っていました。
湯口から浴槽に注がれたお湯は窓側の切り欠けから排湯されており、洗い場側へのオーバーフローは見られませんが、おそらく掛け流しの湯使いかと思われ、鮮度感は良好です。
奥会津の共同浴場の多くは古く渋くて鄙びており、田舎の共同浴場に慣れていない人は抵抗感を抱いてしまいがちですが、こちらは使い勝手が良好で且つ綺麗であるため、万人受けすること間違いありません。ガラス越しに長閑な眺望を望みつつ、会津らしい個性豊かな濃いお湯が楽しめる点も嬉しいところ。これで露天があれば最高なのですが、ちょっと贅沢な要望でしょうか。
ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉 46.9℃ pH7.0 188L/min(動力揚湯) 溶存物質8859mg/kg 成分総計8929mg/kg
Na:2542mg(79.63mval%), Ca:451.9mg(16.24mval%), Cl:3160mg(63.97mval%), SO4:2185mg(32.65mval%)
福島県南会津郡只見町大字長浜字上平50 地図
0241-84-2888
ホームページ
9:00~21:00(受付20:30まで)
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★