ヨモギ色の外壁が印象的な原鶴温泉の旅館。この温泉地では規模が大きな部類に含まれ、目の前には観光案内所もあり、大橋の袂でもあるというなかなかの好立地です。駐車場のエントランスには温泉のお湯が流れる3体のお地蔵さんが行きかう人を見守っていました。道路に沿って「立ち寄り入浴 源泉掛け流し」の幟が何本もはためいており、立ち寄り入浴を積極的に受け入れていることがわかります。私もその幟につられて玄関へと導かれていきました。
フロントで入浴を乞うと「どうぞどうぞ」と快く対応しれくれました。和風旅館ですし、フロントの手前と奥でステップが色分けされているため、てっきり土足厳禁かと思いきや、靴を履いたままで入って良いとのこと。
館内表示に従って建物の奥へと進みます。窓の外にはプールと思しき施設がありました。冬なので閉鎖中だなのでしょうが夏は使えるのかしら?
浴室入り口。館内はとても綺麗で整然としていますが、個人的な感想として、内装からは90年代によくみられた公営のホールや体育館のような印象を受けてしまいました。
三角のミラーやチャコールグレーの内装など、脱衣室もやっぱりバブル期後半かそれ以降のビジネスホテル風なデザイン。でも非常に綺麗で清潔で、使い勝手は良好です。
お風呂は内湯と露天の両方が楽しめます。まずは内湯の主浴槽から。
大きなガラス窓に面した室内は明るくて開放的。浴槽も広々としており、10人同時利用は余裕なサイズ。こちらの温泉の特性のため、中段のステップがやや滑りやすいのでちょっと注意を要します。
湯口から加温加水は一切ない源泉がドバドバと惜しげもなく投入され、浴槽縁の切り欠けからたっぷりと排湯されています。大量排湯の他、人が湯船に入るとザバーっと勢いよく溢れ出すので、とっても豪快です。
無色澄明、タマゴ的な味と匂いがほんのり感じられ、微かに金気も帯びているようでした。浴槽やオーバーフロー流路は少々赤く染まっていましたが、これはその金気に由来しているのでしょうか。
感動的だったのは夥しい気泡の付着。湯船に体を沈めると、全身が忽ちビッシリと気泡だらけになるのです。お湯の中も泡だらけ。この気泡のおかげでツルツルスベスベ感が強く、入浴中は何度も肌をさすってしまいました。
洗い場にはシャワー付き混合栓が6基。
露天風呂は川に面しており、ちょうど湯船の真上辺りまで屋根が伸びている構造。
湯船に浸かると低いながらも塀が視線の邪魔をしてしまいますが、立てば筑後川を一望できます。川面を福風が湯船まで届き、なかなか心地よい環境。しかも上述のような心地よい浴感である上、露天は外気に冷やされるためか若干ぬるい湯加減となっており、長湯に適した温度のためにいつまでも長湯したくなります。本当に夢心地でした。
湯口の上にはお地蔵さんが立ち、入浴客を見守っていました。内湯同様こちらも完全掛け流しで切り欠けからしっかり排湯されています。お風呂の使い勝手は良いしお湯も良質。温泉ファンでも満足できる一湯だと思います。
延命の湯
単純温泉 45.6℃ pH8.0 220L/min(動力揚湯) 溶存物質0.59g/kg 成分総計0.59g/kg
Na+:160mg(94.18mval%),
HCO3-:300mg(75.81mval%),
H2SiO3:63mg,
西鉄朝倉街道駅より西鉄バス「杷木」行(41番)か日田バス「日田」「高塚」行で原鶴温泉バス停下車、徒歩4~5分(約300m)
福岡県朝倉市杷木志波15-2 地
0946-62-1133
ホームページ
立ち寄り入浴時間8:30~20:30
500円
ロッカー(有料100円)・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★