温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

博多温泉 富士の苑

2012年03月15日 | 福岡県

福岡市内南区の那珂川沿いに高く聳えてひときわ目立つ建物が今回の目的地である温泉旅館「富士の苑」です。前回取り上げた「元湯」とは川を挟んだ対岸に位置しています。なおお隣はゴルフの打ちっぱなしとなっており、私がその脇をすり抜けてロビーへ向かおうとしたとき、下手っぴなオッサンがシャンクさせたボールが私に向かって飛んで、ちょっと肝を冷やしました(もちろんネットが張ってありますけどね)


 
本業は旅館ですが日帰り入浴も積極的に受け入れており、むしろ日中は公衆浴場のように地元から集まってくる多くのお客さんで賑わいます。旅館というよりマンションみたいな外観ですね。最上階は展望レストランなんだそうです。

靴箱の施錠には100円玉が必要で、お金は戻ってきません。靴箱のカギを手にしながらフロントへ向かうと、そのカギを確認した受付の方曰く「すでに100円お支払いいただいているので、あと300円分をお願いします」とのこと。何の事だかよくわからないまま券売機を見てみると、ベンダーのボタンには入浴料などといったサービス名は全く書かれておらず、ただ単に100円だの200円だのと、金額のみが書かれています。なるほど、ここは目的別の券を買うのではなく、料金に応じた金券を買うのですね。入浴料は1時間400円ですが、靴箱で100円払っているので、残額は300円ということでしょう。ベンダーにお金を投入して300円のボタンを押し、その額がプリントされた券を靴箱のカギとともにフロントの方に手渡しました。なお券には発券時刻も印字されており、所定の1時間をオーバーしている場合は、その券で超過時間を確認するようです。


 
お風呂へはロビーから階段を下りた一階層下のフロアへ。脱衣所入口には塩ビの配管がむき出しになっていましたが、よく見ると「床暖房 温泉ゆ」とマジックで書かれています。日本を代表する都市部なのに、床暖房の熱源が温泉で賄われているとは、いやはや恐れ入りました。


 
脱衣所内の様子。洗面台は広くて使い勝手が良いのですが、ロッカーは柱を挟むように向かい合わせで一か所に固まって設置されており、あまりゆとりが無いため他客と干渉しやすい状態です。実際に常連さんの口からも「ここは着替えるところが狭いんだよなぁ」という意見が聞かれました。



脱衣室内で「あせもは1回で枯れて来ます。枯れないお方には代金はお返し致します」と自信満々な文言を発見。


 
浴室内は混雑していたので、撮影は一部のみとさせていただきました。
浴室への入口は衝突を防ぐために入口と出口が別々になっているのがちょっとユニーク。
↑画像は主浴槽です。思いっきり曇った画像で申し訳ありません。真四角の内湯で10人は入れそうな大きなもので、一角ではジェットバス装置が稼働していました。こちらのお風呂には温泉熱を利用したサウナも併設されているのですが、そちらへ向かうにはこの主浴槽の中を通っていかなきゃいけない不思議な構造になっています。奥の壁に掲示された説明曰く「日本温泉協会より(中略)最高の好評価を頂きました」「この様な全国25,000軒の営業店の中でも殆ど無い」とのこと。


 
露天風呂は横長で浅く窪んでいる造りとなっており、じっくり肩まで浸かる湯船ではなく、寝湯として利用することを前提としているようです。横にずらっと並べば12人ぐらいは同時利用できそうなサイズがあり、浴槽の縁の若干低くなっているところからしっかりとお湯がオーバーフローしていました。実際に横たわってみると、若干ぬるい湯加減も相俟ってなかなか良い心地。頭上はガラス張りとなっていて、その両端のみが網戸になっていました。構造的には露天というより半露天といった方がしっくりくるかもしれませんね。



シャワー付き混合栓は内湯ゾーンに6基、露天ゾーンに5基の計11基設置されています。こちらのお風呂で注目すべきは…


 
11基中6基のカランからは源泉がそのまま出てくるのであります。温泉を床暖房に使ったり、カランへ配管したりと、湯量が豊富なんですね。温泉と赤く書かれた札がそのカランの目印。温泉カランの上に貼ってある説明書きにはこのお湯が飲めると記されており、更に使用方法に関しては「洗髪…シャンプーでOKです 洗体…ナイロンタオルでOKです」とのこと。つまり源泉で洗えばリンスだとか石鹸だとか余計なものは要らないよ、ということなのでしょう。また別の場所に掲示されている能書きには「上り湯をせず浴槽のままでは少し不衛生です。温泉札のある温泉湯をふんだんにかかり湯して下さい。ベトベトしません」とも書かれています。自分の温泉のパワーに対してもの凄い自信をお持ちなんですね。なお浴室入口脇にある上がり湯も源泉です。

ちなみにお湯の質は近所の元湯に似ており、見た目は無色透明、飲んでみると塩味とニガリのような苦みがはっきりと舌に残ります。元湯ではタマゴ的な知覚が感じられたのですが、こちらではあまり確認できず、そのかわりニガリ味はこちらの方が若干強いように思われました。

完全掛け流しの良質な温泉というだけあって、訪問時(平日夕方)は大繁盛していました。温泉風情はありませんが、お湯の質はホンモノ。こんなお湯が街中で湧く福岡という街が羨ましいなぁ。


カルシウム・ナトリウム-塩化物温泉 45.4℃ 100L/min(動力揚湯) 
Na+:984.8mg, Ca++:901.3mg,
Cl-:2749.0mg

西鉄井尻駅より徒歩20分(1.6km)、西鉄バス「和田」(博多駅・天神・大橋駅から47・48・62番など)より約300m、「横手小学校前」(700番・西鉄大橋駅~福大病院(福大前駅))より約500m
福岡県福岡市南区三宅3-19-7  地図
092-551-4126
ホームページ

10:00~22:00 火曜定休(ただし火曜日も夕方は入浴のみ営業)
400円/1H(1時間超過ごとに200円)
ロッカー有料(10円)、シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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