前回記事の続編です。
「旅行人山荘」には複数の貸切風呂があり、宿泊者は事前予約をすることによって希望のお風呂1ヶ所を無料で利用できるのですが、その中でも群を抜いて人気があるのが「赤松の湯」。このお風呂を目当てに宿泊するお客さんもいるんだとか。今回は夕暮れの時間帯に予約を取りましたので、まだ明るい薄暮の姿と日没後の姿の両方を目にすることができました。
貸切風呂を利用する際には、予約時間の5分程前にフロントへ行き、浴室名が書かれた札をもらって、指定の浴室へと向かいます。「赤松の湯」へは大浴場があるフロアへ下り、飲泉所を左に見ながら、芝生の庭を突っ切って向かいの林へと歩いていきます。庭を出るところまではスタッフの方が同行して道案内してくださいました。
庭と森の境界にひっそりと佇む門を通ってお風呂へ。フロントで手渡された札をこの門に下げて、利用中である旨を示します。
森の小径を歩いた先に建つ小屋が「赤松の湯」専用の脱衣小屋。
貸切風呂だというのに、小屋の更衣スペースにはカゴがたくさん用意されていました。ある程度まとまったグループでも利用できそうな感じです。しかもこの小屋には贅沢なことにシャワーまで設置されていました。
これが人気の「赤松の湯」全貌。
ひっそりと静まる霧島の森に抱かれた隠り沼は、美しい白濁の硫黄泉だったのでした。
浴槽はメガネのような感じで丸いのが二つ並んでおり、それぞれが結構大きいため、私のような一人客ですと持て余しちゃいますが、せっかくですから、殿様気分で贅沢に楽しませていただきましょう。このお風呂では眺望が得られるわけではないのですが、木々に抱かれているというなんとも言えないatmosphereが心を落ち着かせてくれます。森を深く入ったところにあるので、目隠しなど余計なものは一切無く、湯浴みしている自分が霧島自然が一体となれる、実に開放的な環境です。
2つの浴槽へそれぞれ形状の異なる湯口が設けられており、いずれからも硫黄泉がチョロチョロと注がれていました。前回記事で取り上げた2つの大浴場の露天風呂と同じ丸尾97号源泉です。両浴槽は若干大きさが異なっていましたが、両方とも41〜2℃の湯加減となっており、湯口以外で特に目立った違いはありません。入浴前の湯船のお湯は透明度があり、底には湯の花がたくさん沈んでいるのですが、私が湯船に入ると、その湯の花が舞い上がって黄色みを帯びた白濁に変化しました。お湯からははっきりとした硫化水素臭が漂っていますが、そうした強い濁りや匂いに反して、浴感はあっさりとしており、皮膚で得られる癖も少なかったように記憶しています。脱衣小屋に掲示されている説明プレートによればこの硫黄泉は「硫黄谷温泉」という名称を有しているらしく、「源泉は100度から130度の蒸気と熱湯でこれに湧き水を加水して温度を調整しています」とのことですから、文章通りに解釈すれば、熱湯状態で湧出した温泉と蒸気造成泉をミックスさせた上で加水しているのでしょうね。湯の花が多いわりに浴感があっさりしているのは蒸気造成泉の特徴であり、神奈川県・箱根の大涌谷でつくられる蒸気造成泉はその典型ですね。サッパリしているのに硫黄泉の特徴を味わえちゃうので、私はこの手のお湯が結構好きなんです。
至極ご満悦の私。貸切利用は(フロントからお風呂までの往復と着替えの時間を含めて)45分間と決められていますから、長湯するわけにはいきませんが、それでも制限時間いっぱいまで、森林浴と温泉浴の両方を楽しませていただきました。
湯上がりの時間が近づくと、徐々に日が暮れて、日中とは違う姿を見せてくれました。淡い照明に照らされた日没後の「赤松の湯」もいい雰囲気ですね。
丸尾97号
単純硫黄温泉(硫化水素型) 81.6℃ pH5.5 溶存物質210.5mg/kg 成分総計259.8mg/kg
Na+:17.1mg(42.77mval%), NH4+:3.8mg(12.14mval%), Ca++:11.3mg(32.37mval%),
Cl-:13.7mg(22.03mval%), HS-:0.1mg, S2O3--:2.3mg, SO4--:42.8mg(50.28mval%), HCO3-:26.9mg(24.86mval%),
H2SiO3:79.7mg, CO2:44.0mg, H2S:5.3mg,
(平成27年10月17日)
日帰り利用も可能(11:00〜最終受付14:10)・1回50分
1000円+税(貸切露天風呂利用後は大浴場の入浴可能)
電話での予約は不可。詳しくは公式サイトでご確認ください。
次回に続く
「旅行人山荘」には複数の貸切風呂があり、宿泊者は事前予約をすることによって希望のお風呂1ヶ所を無料で利用できるのですが、その中でも群を抜いて人気があるのが「赤松の湯」。このお風呂を目当てに宿泊するお客さんもいるんだとか。今回は夕暮れの時間帯に予約を取りましたので、まだ明るい薄暮の姿と日没後の姿の両方を目にすることができました。
貸切風呂を利用する際には、予約時間の5分程前にフロントへ行き、浴室名が書かれた札をもらって、指定の浴室へと向かいます。「赤松の湯」へは大浴場があるフロアへ下り、飲泉所を左に見ながら、芝生の庭を突っ切って向かいの林へと歩いていきます。庭を出るところまではスタッフの方が同行して道案内してくださいました。
庭と森の境界にひっそりと佇む門を通ってお風呂へ。フロントで手渡された札をこの門に下げて、利用中である旨を示します。
森の小径を歩いた先に建つ小屋が「赤松の湯」専用の脱衣小屋。
貸切風呂だというのに、小屋の更衣スペースにはカゴがたくさん用意されていました。ある程度まとまったグループでも利用できそうな感じです。しかもこの小屋には贅沢なことにシャワーまで設置されていました。
これが人気の「赤松の湯」全貌。
ひっそりと静まる霧島の森に抱かれた隠り沼は、美しい白濁の硫黄泉だったのでした。
浴槽はメガネのような感じで丸いのが二つ並んでおり、それぞれが結構大きいため、私のような一人客ですと持て余しちゃいますが、せっかくですから、殿様気分で贅沢に楽しませていただきましょう。このお風呂では眺望が得られるわけではないのですが、木々に抱かれているというなんとも言えないatmosphereが心を落ち着かせてくれます。森を深く入ったところにあるので、目隠しなど余計なものは一切無く、湯浴みしている自分が霧島自然が一体となれる、実に開放的な環境です。
2つの浴槽へそれぞれ形状の異なる湯口が設けられており、いずれからも硫黄泉がチョロチョロと注がれていました。前回記事で取り上げた2つの大浴場の露天風呂と同じ丸尾97号源泉です。両浴槽は若干大きさが異なっていましたが、両方とも41〜2℃の湯加減となっており、湯口以外で特に目立った違いはありません。入浴前の湯船のお湯は透明度があり、底には湯の花がたくさん沈んでいるのですが、私が湯船に入ると、その湯の花が舞い上がって黄色みを帯びた白濁に変化しました。お湯からははっきりとした硫化水素臭が漂っていますが、そうした強い濁りや匂いに反して、浴感はあっさりとしており、皮膚で得られる癖も少なかったように記憶しています。脱衣小屋に掲示されている説明プレートによればこの硫黄泉は「硫黄谷温泉」という名称を有しているらしく、「源泉は100度から130度の蒸気と熱湯でこれに湧き水を加水して温度を調整しています」とのことですから、文章通りに解釈すれば、熱湯状態で湧出した温泉と蒸気造成泉をミックスさせた上で加水しているのでしょうね。湯の花が多いわりに浴感があっさりしているのは蒸気造成泉の特徴であり、神奈川県・箱根の大涌谷でつくられる蒸気造成泉はその典型ですね。サッパリしているのに硫黄泉の特徴を味わえちゃうので、私はこの手のお湯が結構好きなんです。
至極ご満悦の私。貸切利用は(フロントからお風呂までの往復と着替えの時間を含めて)45分間と決められていますから、長湯するわけにはいきませんが、それでも制限時間いっぱいまで、森林浴と温泉浴の両方を楽しませていただきました。
湯上がりの時間が近づくと、徐々に日が暮れて、日中とは違う姿を見せてくれました。淡い照明に照らされた日没後の「赤松の湯」もいい雰囲気ですね。
丸尾97号
単純硫黄温泉(硫化水素型) 81.6℃ pH5.5 溶存物質210.5mg/kg 成分総計259.8mg/kg
Na+:17.1mg(42.77mval%), NH4+:3.8mg(12.14mval%), Ca++:11.3mg(32.37mval%),
Cl-:13.7mg(22.03mval%), HS-:0.1mg, S2O3--:2.3mg, SO4--:42.8mg(50.28mval%), HCO3-:26.9mg(24.86mval%),
H2SiO3:79.7mg, CO2:44.0mg, H2S:5.3mg,
(平成27年10月17日)
日帰り利用も可能(11:00〜最終受付14:10)・1回50分
1000円+税(貸切露天風呂利用後は大浴場の入浴可能)
電話での予約は不可。詳しくは公式サイトでご確認ください。
次回に続く