温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

なかま温泉

2017年03月05日 | 大分県
 
今回取り上げるのは、国道212号線沿いの「道の駅やまくに」に隣接している「なかま温泉」です。大分県中津市の某温泉浴場に入っている時、そこの常連さんから勧められたので、実際にどんなお湯なのか体感すべくやってまいりました。道の駅と隣接していると申し上げましたが、実際には両者の間にお寺の参道が伸びており、その参道を挟んだ東側が道の駅で、西側が温泉浴場となっています。国道沿いに看板が立っており、駐車場も用意されているので、初めて当地を訪れた人でも利用しやすいかと思います。


 
こちらの温泉は受付小屋と湯小屋が別箇になっているため、まずは受付小屋にいるおばちゃんへ湯銭を直接支払い、そこから国道側に離れて設けられている湯小屋へと向かいます。そのルートの途中にある流し台には、湯上がりに水分補給ができるよう、冷やされた温泉水が用意されていました。


 
湯小屋のど真ん中に細い通路が伸びており、その突き当たりの右側が女湯、左側が男湯というように分かれていました。


 
お風呂は内湯のみですが、木材の温もりと石材の重厚感をマッチさせたその内装からは、公衆浴場らしからぬ落ち着きと風情を兼ね備えた、格式のある旅館のような趣きが伝わってきました。洗い場にはシャワー付きカランが4基並んでおり、設置間隔が広くとられているため、隣客との干渉を気にせず利用することができます。この床には御影石が敷かれているのですが、滑り止めとして細い溝が彫られており、そうした細かな配慮にも感心させられます。


 
浴槽内はタイル張ですが、側面には赤みを帯びた御影石が採用されており、また縁には洗い出しのような加工が施されていました。浴槽の大きさは(目測で)2m強×3mで、10人は同時に入れそうな容量があります。供述する湯口からお湯が絶え間なく注がれており、その全量が湯尻から惜しげもなくオーバーフローしていました。



上向きの湯口から吐出されるお湯は、入浴に適した温度にするため少々加温されていますが、加水循環消毒などは行われておらず、純然たる放流式の湯使いです。お湯は無色透明でほぼ無味無臭。湯の花や泡付きなどは見られませんでした。いわゆる「うなぎ湯」程ではないにせよ、いかにもアルカリ性泉らしいツルツルスベスベの浴感がよく表れており、湯船に浸かっていると、まるでローションの中にいるような気分になりました。また身体、とくに肌への当たりが優しいため、多少長湯しても湯疲れを覚えることはありませんでした。
惜しむらくは、浴場内に掲示されている分析書の内容が不完全である点。一般的に温泉成分の数値を表す場合は、その温泉1kg当たりの各イオンや物質の量(絶対量)を記載し、その後にミリバル値やミリバル%等の換算値および相対的数値を表示するものですが、こちらで掲示されていたものは、ミリバル%のみという他に例を見ないスタイルでした。相対的な数値のみでは温泉の姿がちっとも見えてこず、どう判断してよいものか困ってしまいます。でもそんな屁理屈を捏ねる人間なんて私のような面倒臭い野郎だけなのでしょう。数値がどうであろうと、お湯そのものが良ければ大多数のお客さんは満足するのであり、事実、私が訪問した時点では独占状態でしたが、その後、続々とお客さんがやってきて、あっという間に10人近いお客さんで大賑わいとなったのでした。


アルカリ性単純温泉 36.5℃ pH未記載(観光協会の紹介ページによればpH8,97とのこと) それ以外の数値は見当たらず
(平成27年4月30日)

以下の数値は浴室内掲示のデータです
50L/min(動力揚湯・掘削500m)
Na+:(88.28mval%), Cl-:(5.26mval%),HCO3-:(74.72mval%), CO3-:(16.67mval%)
(平成11年9月30日)
加水循環消毒なし
加温あり(源泉温度が低いので)

大分県中津市山国町中摩3485-1  地図
0979-62-2655

11:00~21:00 無休
300円
ロッカーあり(有料100円)・他備品類なし

私の好み:★★+0.5
コメント (3)
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