温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

バンドゥン南部 パトハ山麓 レンガニス地獄の野天風呂

2017年03月13日 | インドネシア
前回記事で訪れたパトハ山の白い火口湖「カワ・プティ」は、硫黄たっぷりの強酸性泉が作り出す景観が大変幻想的かつ神秘的でしたが、その特徴的な湖水への立ち入りが禁止されているため、湯浴みをすることはできませんでした。でも山域の別の地熱地帯に行けば温泉入浴が楽しめるらしいので、期待に胸を膨らませながらその場所へ向かうことにしました。


 
パトハ山の周辺はジャワティー栽培の本場。一帯には美しい茶畑が広がっていました。


 
茶畑の中を縫うようにパトハ山麓を南へ進んで行くと、緑の絨毯の中に忽然とゲートが現れました。ここが今回の目的地である地熱地帯「カワ・レンガニス(Kawah Rengganis)」への入口です。まずはゲートで入園料を納めます。ゲートから地熱地帯まで若干離れているらしく、受付小屋の前ではバイクタクシー(オジェッ(Ojet))が待機していました。どのくらい離れているのかわからないので、試しに乗ってみたのですが(料金Rp30,000)、実乗時間は1分あるかないか。1km程度しか離れていないので、歩いて行っても全く問題なかったのでした。



オジェッを降ろされた広場にはワルン(屋台小屋)が立ち並んでおり、その広場は見晴台になっていて、目下に広がる谷ではあちこちから真っ白な噴気が濛々と上がっていました。こりゃすごいぞ! 「カワ・レンガニス」を直訳するとレンガニス火口ですが、浅い谷のガレ場全体が地熱地帯になっているこの場所は、日本で言えばいわゆる地獄ですから、今回の記事では「レンガニス地獄」と呼ばせていただきます。


 
ガレ場のあちこちから白い蒸気や火山性ガスが噴出しており、岩には硫黄の黄色い結晶がこびりついていました。もちろん辺りには湯気とともに硫化水素臭が立ち込めています。


 
随所から温泉が滲み出るように少しずつ湧き、それらが集まってひとつの湯の沢となって、谷を流れて落ちていました。


 
谷頭付近には、まるで湯釜のように温泉が盛んに自噴する箇所があり、そこのお湯を計測したところなんと約90℃! 直に触れたら火傷必至だ。


 
 
インドネシア人はマンディと呼ばれる水浴び(沐浴)が大好き。このレンガニス地獄では、湧出したばかりの熱い温泉と山から流れてくる沢水をブレンドさせてよい湯加減にし、木の幹の中をくりぬいた樋からそのお湯を落として打たせ湯にしていました。私もその場で水着に着替えてマンディにチャレンジ。樋から出てくるお湯の温度は41℃という最高の湯加減。うひゃー、とっても気持ち良いぞ! 



谷の下流にも、大きなプールを備えたマンディ場があり、何本もの樋からお湯が落とされていました。


 
私がこのマンディ場を撮ると、すぐ後に家族連れがやってきて、親子で打たせ湯を楽しんでいました。老若男女、みんなマンディが大好きなんですね。



大きなマンディー場の隣には、このように大きな野天風呂も併設されていました。お風呂というより石ゴロの池みたいな造りですが、肩まで浸かれる深さがあり、大変広々していて実に開放的です。


 
大きな露天なので場所によって温度にムラがあり、熱いところで42.6℃、湯尻のぬるいところでは38℃という長湯仕様となっていました。これだけ湯加減に幅がありますから、熱い風呂がお好きな方も、ぬるいお湯で長湯したい方でも、湯浴みが楽しめるかと思います。
上流のマンディ場のお湯は無色透明でしたが、こちらでは灰色に濁っており、底には同色の湯泥が溜まっていました。沢水がブレンドされていますが、それでも酸性の硫黄泉であることに違いなく、この露天で計測してみますとpH3.39という数値が表示され、お湯を口に含んでみますとはっきりとした酸味が感じられました。



入浴中の私。本当に超気持ちいい!!
開放的な温泉が好きな方には是非おすすめしたい、最高の野天風呂でした。


 
最後に、猫ちゃんがお昼寝している谷の最下流から谷頭の方を向いて、レンガニス地獄を眺めてみました。通路や東屋、そしてマンディ場や野天風呂などが、それぞれうまい具合に配置されていますので、ここまで来れば誰でも気軽に大地の息吹を身近に楽しむことができるでしょう。とっても素晴らしい観光地でした。




入園料Rp50,000

私の好み:★★★




コメント (8)
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