温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

ガルングン火山 後編 野天風呂

2017年03月28日 | インドネシア
前回記事「ガルングン火山 前編 火口見物」の続編です。

かつて飛行機のエンジンを止めたほど激しく噴火したガルングン火山の火口を見学した後は、火山の優しい側面である温泉の恵みを享受すべく、山を下りて温泉エリアへ向かうことにしました。


 
火口側の駐車場から坂道を下って公園ゲート前まで戻り、ゲート目の前の分岐を左折すると、間も無く駐車場と屋台街が現れました。どうやらこの駐車場周辺が、温泉エリアの中心部のようです。


 
駐車場の近くには子供向けのプールが複数あり、ちびっこ達が歓声を上げて水遊びに興じていました。そんな子供たちを横に見ながら・・・


 
屋台街の中に立つ"Wisata Perhutani"と書かれた看板のところから山側の路地に入り、未舗装の屋台街を歩いて行くと・・・


 
左or上画像に写っている門を通過し、小径は小川に沿って伸びるようになります。この周辺には子供向けのプールや個室風呂などがいくつか見られました。


 
川を遡るようにして、屋台が立ち並ぶ小径を奥へ奥へ進んで行くと、途中に川の水が澱んでいるところがあり、そこでマンディ(沐浴)している男性を発見しました。男性はパイプから落ちている温泉のお湯を浴びているようです。この渓流では、川に沿って数百メートルにわたり温泉が無数に自噴しており、あちこちで湧いた温泉をこのように配管に集めているんですね。淀んでいる川の水に触れてみますと、ちょっとぬるく、明らかに温泉が流れ込んでいることがわかりますが、まだ道は奥へ続いていますので、もっと上流の方へ行ってみましょう。


 
奥へ進んでも屋台が続きます。そして屋台の裏手には立派なプールが設けられていました。



川沿いの小径を進んで行くと、途中に上画像のようなゲートが立ちはだかりました。ここから先は入園料が必要のようです。窓口でRp10,000を支払い、ゲートをくぐります。


 
有料ゾーンの渓流沿いには、いくつもの温泉浴槽が設けられており、好みの浴槽を自由に利用することができます。


 
渓流の上には、方々から温泉のパイプが伸びており、打たせ湯が楽しめるようになっていました。川沿いの設置されている浴槽のお湯は、上流へ行けば行くほど温度が上がっていくようなので、私はさらに川を遡ることに。


 
おそらく最も上流側に設置されていると思われる露天風呂にたどり着きました。石で組まれコンクリで縁取られている浴槽には、湯口から無色透明なお湯が絶え間なく注がれていました。


 

湯口から吐出されるお湯の配管を遡ってみると、周辺に点在する源泉から湯つぼに一旦集められ、それから浴槽へと供給されていることがわかりました。その湯つぼはコンクリの小さな浴槽で、渓流の崖下に設けられており、綺麗に済んだお湯が貯められています。温度は42.3℃で、pH値は7.07。テイスティングしてみますと、薄い塩味と土類味、そして少々の芒硝感が得られました。薄い塩化土類泉といったところでしょうか。


 

お湯の素性をひと通り確認したところで、水着に着替えて実際に入浴してみることに。浴槽の底が砂地なので、お湯を動かすと少々の砂が舞い上がって濁ってしまうのですが、湯嵩も湯加減もまずまずで、なかなか良い湯じゃありませんか。満足です。
なおこの浴槽の温度は42.0℃。全てを調べたわけではありませんが、川沿いに複数設けられている浴槽の中でも、私が入ったこの浴槽が最も熱い浴槽ではなかったかと思います。


 
浴槽の上流側には、川が堰き止められてちょっとした淀みができており、そこにもマンディ用のパイプが伸びていました。パイプから吐出される温泉の温度は46.1℃という高温なので、人によってはその熱さに驚き、飛び上がって逃げていましたが、中には澄ました顔で頭から浴び続ける強者もいたので・・・



私も熱いお湯に打たれてみました。流れが細いためか、意外にもさほど熱く感じられず、むしろ肩や首筋のツボに当てると、まるでお灸をしているような感じで気持ち良かったですよ。


 
淀みから川に入って上流へ歩いて行くと、上流に向かって左側、つまり川の右岸で、人が集まってワイワイ賑やかに楽しんでいる箇所に遭遇。そこでは温泉が崖を滴り落ちており、温泉の成分がこびりついて、崖が白く染まっていました。そして崖の下がえぐれており、その中に入ると、ちょっとした温泉ミストサウナになっていたのでした。


 
さらに川を遡ると、沢の上で白い湯気が上がっている箇所を発見。近づいてみると、ここにも温泉の管が伸びており、座って打たせ湯ができるようになっていました。沢水が加わっていない源泉100%だからか、吐出されるお湯はちょっと熱めでしたが、湯量が多くて鮮度感抜群。熱帯の緑と渓流に抱かれながらのワイルドな打たせ湯はとても気持ち良く、いつまでもここで浴びていたかったほど、素晴らしいお湯でした。
川に沿って温泉が自噴する源泉が帯状に長く続くこのガルングン温泉は、お湯の質といい、ロケーションといい、北海道の然別峡野湯群を彷彿とさせます。時として荒々しい姿を現わすガルングン火山も、普段はこのように穏やかで温かい恵みを我々に与えてくれるのですね。


 
後ろ髪を引かれる思いで温泉ゾーンを去り、駐車場エリアに戻った後は、立ち並ぶ屋台の一軒でちょっと遅めのランチをとりました。注文したのはミーバソ。妙にでかいミートボールが印象的ですが、結構美味しかったですよ。

今回の記事をアップすることで、私が抱えているインドネシアの温泉ネタおよび旅行記は、全体の3分の2までを消化することができました。さらに続けて一気に全部を出そうかと考えたのですが、拙ブログは国内記事の需要が多いようですので、インドネシア関係記事はここで再び小休止し、次回から日本国内(青森県)へ戻ります。そして一ヶ月後を目処に、インドネシア温泉旅行記の残りを取り上げさせていただきます。




私の好み:★★★

コメント
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