前回記事の続編です。
前回記事で取り上げた「八幡の湯」はどちらかといえば実用的なお風呂でしたが、もうひとつのお風呂である「鹿の湯」こそ、和泉屋旅館のシンボル的な存在であり、且つ湯岐温泉の発祥にまつわる歴史ある湯でもあります。安土桃山時代に鹿が湯に浸かって傷を癒していたという開湯伝説が残る当地にあって、「鹿の湯」という名前はまさにその伝説を受け継ぐ由緒あるお風呂なのであります。
脱衣室こそ男女別ですがお風呂は混浴です。さすが象徴的なお風呂だけあり、完全な内湯ですが浴室は広々しています。しかも水気が多い空間でありながらシミや汚れなど一切見当たらず、隅々まで大変綺麗で清潔感に満ちています。そして奥には小さな祠が祀られています。お宿がいかにこの「鹿の湯」を大切にしているかがよく伝わってきます。
室内にはシャワーが1つしかありませんが、このお風呂は湯治をするようにゆっくり長く湯船に浸かるためのものですから、体をしっかり洗いたい場合は前回記事の「八幡の湯」を利用すると良いでしょう。室内には大小の湯船が一つずつあり、いずれもグレーの御影石の縁に、コバルトブルーのタイル貼りなのですが、両者の違いについては後述します。
館内表示によると小さな浴槽は上がり湯であり、気温の低い時期には加温されるとのことですが、私の訪問時は非加温掛け流しでした。槽のサイズは(目測で)1m×1.5mですから、1~2人サイズといったところ。底面にはSUSの目皿が取り付けられており、そこから時折ボコボコという音やたくさんの気泡とともにお湯が大量供給されます。小さい浴槽だからか、後述する大きな主浴槽より若干温かいので、湯上がりにしっかり温まりたい方はこちらを利用するとよいでしょう。
一方、大きな浴槽は「鹿の湯」のメイン浴槽。非加温非加水の完全掛け流しであり、浴室内の花崗岩の隙間70cm下から自然湧出したお湯が、底より絶え間なく供給されています。ここでないと体験できない極めてフレッシュな源泉です。お湯の供給量も多く、浴槽縁の下の穴から惜しげも無くオーバーフローしていました。ふんだんに湧き出るお湯によって常時入れ替わっている浴槽のお湯は大変クリア。見ているだけでも心が浄化されそう…。実際にお湯に浸かってみますと、トロントロン&ニュルンニュルンというあたかもローションを思わせるような大変滑らかな浴感によって全身がツルツルスベスベになり、誰しもが美人になれること請け合い。お湯からはほろ苦味と少々のタマゴ感が得られます。
分析書によれば炭酸イオンが31.3mg(52.53mval%)も含まれているんだとか。このイオンが2桁あれば誰もがツルスベ浴感をはっきりと実感できるのですが、30以上は驚くべき数値です。現在の温泉法の規定に基づけば「アルカリ性単純温泉」というつまらない泉質名になってしまいますが、私個人としては温泉法を改正して「炭酸イオン泉」という泉質を新たに設けたい。そうすることにより、この温泉は単純泉という味気のない泉質名から脱却できますし、そうした別箇の名前が必要なほど特徴的なお湯なのです。国会で是非法改正を議論していただきたいなぁとボンヤリ考えながら湯浴みしていると、久しぶりに頭を使ったためか眠くなり、いつの間にやら瞑想を飛び越えて、湯船の中で睡眠してしまいました。震災以降、湯岐のお湯は温度が若干上がったらしく、以前と比べて長湯しにくくなったという声も聞かれますが、それでも一般的なお風呂よりはぬるいため、今でも長湯するにはもってこい。
しっかり湯船に浸かった後は、体が芯から温まるので驚くほど全身ポカポカです。血行が促進されますから、健康や美容には最適ですね。
さすが歴史ある「鹿の湯」は素晴らしい!
私は宿泊中に何度も入浴してその浴感を堪能しました。泊って大正解でした。
和泉屋旅館(混合泉。2源泉混合)
38.6℃ pH9.6 78L/min(自然湧出・掘削自噴) 溶存物質0.1774g/kg 成分総計0.1774g/kg
Na+:41.8mg(95.29mval%),
Cl-:4.5mg, OH-:0.7mg, SO4--:11.5mg, HCO3-:28.7mg(23.74mval%), CO3--:31.3mg(52.53mval%),
H2SiO3:55.5mg,
(平成27年7月3日)
福島県東白川郡塙町湯岐字湯岐17
0247-43-0170
ホームページ
日帰り入浴10:00~16:00(水曜定休)
500円?/2時間
「八幡の湯」にシャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★
前回記事で取り上げた「八幡の湯」はどちらかといえば実用的なお風呂でしたが、もうひとつのお風呂である「鹿の湯」こそ、和泉屋旅館のシンボル的な存在であり、且つ湯岐温泉の発祥にまつわる歴史ある湯でもあります。安土桃山時代に鹿が湯に浸かって傷を癒していたという開湯伝説が残る当地にあって、「鹿の湯」という名前はまさにその伝説を受け継ぐ由緒あるお風呂なのであります。
脱衣室こそ男女別ですがお風呂は混浴です。さすが象徴的なお風呂だけあり、完全な内湯ですが浴室は広々しています。しかも水気が多い空間でありながらシミや汚れなど一切見当たらず、隅々まで大変綺麗で清潔感に満ちています。そして奥には小さな祠が祀られています。お宿がいかにこの「鹿の湯」を大切にしているかがよく伝わってきます。
室内にはシャワーが1つしかありませんが、このお風呂は湯治をするようにゆっくり長く湯船に浸かるためのものですから、体をしっかり洗いたい場合は前回記事の「八幡の湯」を利用すると良いでしょう。室内には大小の湯船が一つずつあり、いずれもグレーの御影石の縁に、コバルトブルーのタイル貼りなのですが、両者の違いについては後述します。
館内表示によると小さな浴槽は上がり湯であり、気温の低い時期には加温されるとのことですが、私の訪問時は非加温掛け流しでした。槽のサイズは(目測で)1m×1.5mですから、1~2人サイズといったところ。底面にはSUSの目皿が取り付けられており、そこから時折ボコボコという音やたくさんの気泡とともにお湯が大量供給されます。小さい浴槽だからか、後述する大きな主浴槽より若干温かいので、湯上がりにしっかり温まりたい方はこちらを利用するとよいでしょう。
一方、大きな浴槽は「鹿の湯」のメイン浴槽。非加温非加水の完全掛け流しであり、浴室内の花崗岩の隙間70cm下から自然湧出したお湯が、底より絶え間なく供給されています。ここでないと体験できない極めてフレッシュな源泉です。お湯の供給量も多く、浴槽縁の下の穴から惜しげも無くオーバーフローしていました。ふんだんに湧き出るお湯によって常時入れ替わっている浴槽のお湯は大変クリア。見ているだけでも心が浄化されそう…。実際にお湯に浸かってみますと、トロントロン&ニュルンニュルンというあたかもローションを思わせるような大変滑らかな浴感によって全身がツルツルスベスベになり、誰しもが美人になれること請け合い。お湯からはほろ苦味と少々のタマゴ感が得られます。
分析書によれば炭酸イオンが31.3mg(52.53mval%)も含まれているんだとか。このイオンが2桁あれば誰もがツルスベ浴感をはっきりと実感できるのですが、30以上は驚くべき数値です。現在の温泉法の規定に基づけば「アルカリ性単純温泉」というつまらない泉質名になってしまいますが、私個人としては温泉法を改正して「炭酸イオン泉」という泉質を新たに設けたい。そうすることにより、この温泉は単純泉という味気のない泉質名から脱却できますし、そうした別箇の名前が必要なほど特徴的なお湯なのです。国会で是非法改正を議論していただきたいなぁとボンヤリ考えながら湯浴みしていると、久しぶりに頭を使ったためか眠くなり、いつの間にやら瞑想を飛び越えて、湯船の中で睡眠してしまいました。震災以降、湯岐のお湯は温度が若干上がったらしく、以前と比べて長湯しにくくなったという声も聞かれますが、それでも一般的なお風呂よりはぬるいため、今でも長湯するにはもってこい。
しっかり湯船に浸かった後は、体が芯から温まるので驚くほど全身ポカポカです。血行が促進されますから、健康や美容には最適ですね。
さすが歴史ある「鹿の湯」は素晴らしい!
私は宿泊中に何度も入浴してその浴感を堪能しました。泊って大正解でした。
和泉屋旅館(混合泉。2源泉混合)
38.6℃ pH9.6 78L/min(自然湧出・掘削自噴) 溶存物質0.1774g/kg 成分総計0.1774g/kg
Na+:41.8mg(95.29mval%),
Cl-:4.5mg, OH-:0.7mg, SO4--:11.5mg, HCO3-:28.7mg(23.74mval%), CO3--:31.3mg(52.53mval%),
H2SiO3:55.5mg,
(平成27年7月3日)
福島県東白川郡塙町湯岐字湯岐17
0247-43-0170
ホームページ
日帰り入浴10:00~16:00(水曜定休)
500円?/2時間
「八幡の湯」にシャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★★