温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

濁河温泉 市営露天風呂

2011年09月19日 | 岐阜県
最近当ブログでは飛騨地方にちっともスポットライトを当てていないので、今回からしばらくは飛騨の温泉を連続して取り上げます。まずは有名な濁河(にごりご)温泉の市営露天風呂からです。

 
濁河温泉は御嶽山7合目の標高1800mに位置する、日本で最も高い通年営業の温泉街なんだそうでして、信仰の山の登山口に当たるところですし、入浴剤の名前にも採用されたような場所ですから、それなりに賑わっているのかと思いきや、実際に行ってみると閉鎖された公的施設や休業した旅館が悲しい姿を晒す寂しい温泉街でした。そんな温泉街を貫く一本道を進むと、やがて露天風呂は右に曲がれ、という旨の看板が立っているので、そこを右折するとすぐに露天風呂の駐車場へ到着です。20台はとめられそうな広さを有する駐車場の奥の木陰の向こうに受付棟がたっています。

 
山小屋を思わせる建物には係員が常駐しています。公営や第三セクターが観光客を呼び寄せるために開設した温泉施設に見られるような、食堂や販売コーナーが充実しているようなものとは正反対の、必要最低限の設備しか用意していない質素な造りで、この建物には受付と小さな休憩スペースと脱衣室があるのみです。下手に観光客に媚び諂うよりは、こちらのように割り切った姿勢の方が、かえって潔く感じられるのは、決して私だけではないはず。

 
お風呂に内湯は無く、露天風呂があるのみ。吹きっ晒しの状態ながら、シャワー付き混合栓が3基用意されています。露天風呂はとても広く、30人は同時に入れそうな大きさです。この浴槽の奥の方には四阿が掛けられており、その部分の湯船は木の板で仕切られて隔離されたような状態になっていて、屋根が無い他の湯船よりは若干温度がぬるくなっていました。


木の樋を流れてきた源泉はドボドボと音を響かせながら大量に浴槽へ注がれていきます。樋に掛けられているコップでお湯を飲んでみると、金気味+土気味+石膏味+芒硝味が混ざりあった味わいで、金気臭と硫化水素臭が微かに香ってきました。
お湯は微かに橙色に濁っているものの、ほぼ無色透明と言って差し支えないでしょう。浴槽内には橙色の苔のようなものが付着しており、これがかなりヌルヌルして滑りやすく、一部は剥離して恰も湯の花のように湯中に漂っています。また浴槽縁の湯面ではカルシウムが固まって庇のような出っ張りが形成されていました。弱いスベスベを有しながらも、湯中で腕をさすると指がひっかかって重たく感じることもあり、どちらかと言えば引っかかる浴感の方が強いかもしれません。湯加減については、人によってはちょっと熱く感じるかもしれない、やや高めの温度設定でした。湯加減の高さのためか、はたまた温泉成分のおかげか、湯上がりは保温効果が強く、火照りがなかなか取れませんでした。

ちなみに濁河という名前からして濁湯を想像する方が多いんだそうですが、この地名の由来は2本の谷が合流して濁河川となる箇所が濁っているから「濁り河」なのであって、温泉は上述のように濁っていませんので悪しからず。
また、温泉街自体は通年営業ですが、この露天風呂は冬期休業です。男湯はご覧いただいたような開放感のある露天風呂ですが、女湯は外からぱっと見たところでは森林の梢に覆われているため、男湯程の開放感が得られるかどうか、ちょっと厳しいかも。いずれにせよ、シンプルながらも良質のお湯を堪能できる露天風呂であることには間違いありません。


市営泉源の混合泉(市営G泉、濁河温泉、市営泉源の混合泉)
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
51.9℃ pH6.3 759L/min(掘削自然湧出) 溶存物質2.4464g/kg 成分総計2.6735g/kg
Na:341.3mg(46.58mval%), Mg:86.9mg(22.43mval%), Ca:151.8mg(23.75mval&), Cl:139.1mg(13.58mval%), SO4:619.3mg(44.66mval%), HCO3:725.3mg(41.20mval%), 遊離CO2:226.9mg

岐阜県下呂市小坂町落合  地図
(小坂から上がってくる県道441号は、眺めは良いものの、細いクネクネ山道が延々と続くので、木曽方面からのアクセスの方が運転しやすいかと思います)
0576-62-3373
下呂市観光情報HP

9:00~17:00 営業期間:4月17日~11月7日(天候により前後することあり)
500円
ロッカー・ボディーソープあり

私の好み:★★★
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御嶽明神温泉 やまゆり荘

2011年09月18日 | 長野県
信州の中でも木曽地方って、長野県ではなく愛知県や岐阜県南部、つまり尾張や美濃に近いイメージがあるんですが、こんな先入観を抱いているのは私だけでしょうか。尾張や美濃には温泉が少ないので、その地域性のイメージを引き摺ってしまって木曽地方も温泉が無いんじゃないかと勝手に思い込んでいたのですが、よくよく考えれば御嶽山という立派な火山が聳えているわけでして、その麓に温泉が湧いていないはずはなく、先入観を打破すべく御嶽山東麓の開田高原へ行ってみたら、私の思い込みを覆すような立派な温泉に巡り会うことができました。


開田高原の奥の方にズッシリと構える平屋構造の立派な建物。無駄に大きな公営の温泉施設は、大抵の場合、お湯が「ハズレ」なことが多いのですが、果たしてここはどうなんでしょうか。駐車場も広く、訪問時は休日ゆえ多くの車がとまっていました。人気のほどが窺えます。


天井が高くて開放感あふれる館内。内装デザインはいかにも公営っぽいコントラストが弱めで地味な色調ですが、開放感や明度・清潔感がそのマイナス分を補っていました。ロビーで地元の物産が販売されているのはこの手の施設の定番であり、その食傷気味な村おこし商法は、没個性の中の「個性」ではないのかと疑問に思う今日この頃。


玄関を挟んだロビーの反対側には温泉を引湯した足湯が設けられており、晴れていれば足湯に浸かりながら御嶽山が眺望できるんだそうです。

 
広々とした館内を歩いて浴室へ。館内に2つある浴室のうち一つは、御嶽山を一望できる展望露天風呂が付帯しており、男女入れ替え制で奇数日は男性、偶数日は女性が、その展望露天風呂が付いている浴室を利用できるんだそうです。訪問日は偶数日だったので、残念ながら男の私は展望露天風呂とは御縁無し。
脱衣所も広々として十分なスペースが確保されており、多客時でもストレスなく利用できました。なお脱衣所は2つのシンメトリな空間が合体して一室になったような造りになっていました。

 
公営施設らしい実用本位の面白みに欠ける浴室ですが、ロビーなどと同様、床面積や天井高さなど、空間の広さはとても立派で、浴槽に面したガラス窓も大きいため、室内にいながら十分な開放感が得られました。洗い場のカランはシャワー付き混合栓が18基とシャワーのみが2基設置されています。

 
内湯の湯口は飲泉所を兼ねており、他の浴場でよくある「自己責任で勝手に飲んでくれ」というものではなく、ちゃんと保健所の許可を受けているれっきとした飲泉施設です。傍に置かれているコップを手に取り、白い硫酸塩の析出がこびりついているステンレス製飲泉専用の湯口からお湯を汲んで飲んでみると、鉄錆のような金気味+土気味+明瞭な炭酸味などが混ざり合った複雑な味が口の中に広がり、あまり美味しいものではありませんが、説明表示によれば糖尿病に良いらしいので、頓に尿酸値が上昇している私は不味さを堪えてコップ3杯ほど飲ませてもらいました。

その湯口から浴槽へと注がれるお湯は黄土色に濁り、浴槽の底が見えないほどです。味から想像できる通り、金気臭と土気臭が感じられます。飲めるお湯をそのまま投入しているのですから、消毒循環は行われていませんが、加水は適宜実施されているようです。濁りや味・匂いからして、とっても土類泉的なキシキシ浴感なのかと思いきや、重曹のおかげなのか意外にもスベスベ浴感が得られ、しかもそんなに熱い湯加減じゃないのに火照りやすく、寧ろドシッと体に負担がのしかかって湯疲れしてしまうほどパワーのあるお湯でした。肌への泡付きこそありませんでしたが、遊離炭酸ガスが多いので、この炭酸ガスの影響なのかもしれません。こうした強い温浴効果のためか、混雑していたにもかかわらず、内湯・露天ともに客の回転が早いので、少なくとも私の訪問時は湯船が混むようなことはありませんでした。また、湯上りの温まりも強く、なかなか汗が引きませんでした。味や匂いは決して濃くはありませんが、入浴することによって、はじめてこのお湯の底力が実感できました。恐れ入りました。


こちらは露天風呂。偶数日の男湯なので、御嶽山が一望できるこの施設ご自慢の「展望露天風呂」ではありませんが、周囲は若干の間隔を措きながら森によって囲まれており、木々の緑と高原の爽快感が同時に楽しめる開放的な環境です。内湯同様に加水されたお湯ですが、露天はさらに加温も行われているそうです。訪問時は思いっきりガスっていましたが、晴れていればこの露天からも木々越しに御嶽山を望めそうです。
秘湯ファンには触手が伸びにくい施設ですが、秘湯的なこだわりが無ければ十分に訪れる価値がある、使い勝手の良い施設だと思います。


御嶽明神温泉1号泉・2号泉の混合
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩・硫酸塩温泉
45.6℃ pH6.49 溶存物質2667mg/kg 成分総計3113mg/kg
Na:393.2mg, Ca:152.4mg, Mg:91.5mg, Cl:202.3mg, SO4:380.0mg, HCO3:121.6mg, 遊離CO2:445.8mg

長野県木曾郡木曽町開田高原西野6321-1211  地図
0264-44-2346
ホームページ

10:00~21:00 火曜定休(祝日の場合は営業)
600円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり、各種販売有

私の好み:★★
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千手温泉 千年の湯

2011年09月16日 | 新潟県
兎口温泉の露天風呂「翠の湯」で後客として入ってきた方とお話していたら、その方はなんと十日町市の観光課にお勤めで、地元の観光に携わる人間としてどんな温泉なのかを体感すべく翠の湯へやってきたんだとか。その方に「十日町周辺で評判の温泉はどこですか?」と訊いたところ教えてくれたのが「千手温泉千年の湯」だったので、その日のうちに早速行ってみることにしました。

 
旧川西町の中心部に位置するこちらの浴場へ夕刻に訪れてみると、週末だからか駐車場はほぼ満車状態。ひっきりなしにお客さんが入ったり出たりしています。


古民家を模したような外観。敷地の関係か、ウナギの寝床の如く、縦(奥)に長い構造です。正面には無料の足湯もあり、多くの方が利用していました(画像の写っている簾の向こう側です。利用客に配慮してこのような撮り方をしました)。

 
伝統的な建築様式を取り入れながらも現代風に思いっきりアレンジされた館内空間は、天井が高く広々しており、それでいて温かさと落ち着きが存分に伝わってくるデザインで、休憩スペースがしっかり確保され、寛ぎをとてもよく重視している設計になっています。2階には仮眠室までありました。券売機で料金を支払って中へ。


2つある浴室を日によって定期的に男女入れ替えにしているらしく、この日男湯は左側の浴室でした。ロッカーも荷物を置く棚も十分な数が用意されており、洗面台はとっても綺麗。
混雑していたので内湯の様子はほとんど撮影していませんのであしからず。脱衣所から浴室へ入ってすぐのところにある洗い場にはシャワー付き混合栓が計11基用意され、スペースの関係か、4つのブロックに分かれて配置されています。
内湯の浴槽は窓に面して据えられており、室内ながら開放的で明るく入浴できました、浴槽はL字形で縁を玉石で囲んでおり、フクロウが2羽立つ湯口からお湯が注がれています。浴槽で画像に写っていない箇所(右の方)には泡風呂やジャグジーがありました。また、浴室内にはサウナ(&水風呂)があり、これの利用者が多い多い。


いかにも現代和風な趣の露天風呂は、浴槽こそコンクリですが、縁は檜材が用いられています。頭上には簾が覆っていますが、この簾には雨樋が設置されていたので、夏の日差しを遮るためだけではなく、季節を問わず常に掛けられているのかと思われます。

お湯は麦茶に赤みを増したような色で透明。湯中にはちらほら褐色の浮遊物が舞っています。ほろ苦い味を有しており、モール泉的な匂いとタールのような匂いがそれぞれ仄かに混ざり合いながら湯面から香ってきます。重曹が主成分なため、ヌルヌルツルツルスベスベ感がとても強く湯上りはすっきり爽快です。内湯は常時加水、露天は夏季の暑いときに加水されるそうです。加温や循環の無い掛け流しですが、実質公営な第三セクターが運営する公衆浴場の悲しい宿命、常時塩素系薬剤により消毒が行われています(館内にその旨が明示)。でも消毒に関してはほとんど気になりませんでした。

使い勝手が良く、空間構成も雰囲気も優れ、しかもお湯も良質となれば、混雑するのは当然の理であり、特に週末の午後は覚悟を要するかと思いますが、そんな人気や混雑が納得できてしまう、万人におすすめできるお風呂だと思います。

 
ちなみにここの近くには私が大好きなへぎそばの名店「小嶋屋総本店」があります。フノリ(海藻)をつなぎに使った蕎麦は独特の歯ごたえと喉越し、そして海藻ならではの風味が味わえるので、私はこの妻有地方へ訪れた際には、必ずここへ立ち寄り、そばを手繰って腹を満たします(画像は「へぎそば」ではなく「天ざる」ですが…)


ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉 53.5℃ pH8.1 350L/min(動力揚湯) 溶存物質1053mg/kg 成分総計1053mg/kg
Na:257.5mg(92.87mval%), Cl:87.7mg(20.58mval%), HCO3:493.1mg(67.33mval%)

新潟県十日町市水口沢121-7  地図
025-768-2988
ホームページ

10:00~22:00 無休(メンテナンスに伴う不定休あり)
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類(リンスもあり)・ドライヤーあり

私の好み:★★★
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原町温泉 ゆくら妻有

2011年09月16日 | 新潟県
 
私は行政が村おこしのために設けたような大きな複合施設はあまり好きではないのですが、そこに掛け流しの温泉があるとなれば話は別、たちまち触手が伸びてしまいます。十日町市(旧中里町)の「ゆくら妻有」はそんな施設のひとつでして、2004年に火事で烏有に帰してしまいましたが、翌年見事に建て直されて再オープンし、過日の大震災にもめげず営業を続けています。


目の前にはバス停もあって交通は至極便利…と言いたいところですが、便数が少ないんですよね。

この施設に付せられた名目は「地域農産物等活用型総合交流促進施設」。抽象的な熟語の羅列なので、いまいち意味が把握しかねますが、咀嚼して解釈すると、都会の人にここへ来てもらって、地域の農産部を買ってもらい、温泉にも入ってもらって、以て地域との交流を図ってもらいたい、ということのようです。一言でいえば「村おこし」ですよね。

外装は木造建築を模しており、周囲の環境に馴染むような、黒基調の渋くて落ち着いた雰囲気です。新しい施設ゆえに入口にはスロープが設けられているなど、バリアフリーがきちんと図られていました。
玄関入って右に受付があり、料金はそこで直接支払います。受付係員の方は愛想が良くてとても好感が持てます。中央に小さな休憩スペースが確保され、その右が女湯、左が男湯というように対称に分かれていました。


浴室はログハウスをイメージしたような造りで、全体として扇のような形状となっており、天井の梁は扇の軸から放射状に渡されていて、単純ながらも幾何学的な美しさが感じられました。側壁には木材が用いられ、洗い場のタイルは炭のような黒色、浴槽廻りのタイルもチャコールグレー等々、所謂現代風のモダン和風と称されるような、全体的にシックで落ち着いた色調でまとめられています。洗い場のカランは12箇所あって、全て新しいシャワー付き混合栓です。

浴室へ入った途端に鼻孔をくすぐるタールのような油臭が特徴的のお湯は、薄い黄色を帯びた透明で、口に含むとかなりしょっぱく、焦げたような苦みと微かな鉄味も混じっています。湯中では黄土色や褐色の小さな浮遊物がちらほら確認できました。それほど印象的ではないにせよ、ツルスベ浴感が得られます。湯使いは加温循環無しの掛け流しですが、夏季は加水され、また常時塩素による消毒が実施されているそうです。消毒に関してはほとんど気になりませんでした。

 
内湯から一歩屋外へ出ると、清津川の河原に面して露天風呂が設けられています。完全に屋根が架かっているので、半露天と表現した方がよいかもしれません。お風呂から望む河原には公園が整備され、川の対岸には丘陵の緑が広がっていて、とっても長閑な環境です。
内湯・露天共通なのですが、湯口には金属製の三角コーナーのような金網が置かれ、そこでお湯の浮遊物を漉し取ってから湯船へお湯を流していました。湯中でちらほら見えた浮遊物はこの金網をすり抜けてきたものなんでしょう。
内湯は43℃、露天は44℃強と、この日はやや熱めの湯加減でした。その上成分総計7954mg/kgというかなり濃い目の食塩泉なので、すぐに体が火照ってあまり長湯できず、湯上がりもなかなか汗がひきませんでした。でも豪雪に見舞われる厳冬期には湯冷めしない温泉としてその真価が発揮されること間違いありません。施設建設の目的通りに都会の人間がどれだけ来館しているかはわかりませんが、使い勝手が良いからか、訪問時には周辺集落から住民の方がたくさん集まって利用していました。


ナトリウム-塩化物温泉 57.4℃ pH7.6(採水24時間後) 309L/min(動力揚湯) 溶存物質7940mg/kg 成分総計7954mg/kg
Na:2447.0mg(79.13mval%), Ca:526.0mg(19.53mval%), Cl:4689mg(98.25mval%)

JR飯山線および北越急行・十日町駅より南越後観光バスの路線バス田代行で「ゆくら温泉」下車すぐ(所要約40分・土市駅からのバスもあり。本数僅少ゆえ注意)
新潟県十日町市芋川乙3267  地図
025-763-2944
ホームページ

10:00~21:00(最終受付20:30) 水曜定休(祝祭日の場合は前日)、年末年始・GW・お盆は無休
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
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宮野原温泉 宝山荘

2011年09月15日 | 新潟県
2011年9月16日夕刻に(16:31長野発越後川口行から)、飯山線が全面復旧します。震災による路盤流出から見事に蘇った飯山線にエールを送るべく、今回はその沿線の温泉を取り上げてみます。なお、私が訪問したのは震災発生前ですので、もしかしたら泉質などに微妙な変化が顕れているかもしれません。あしからず。

 
長野県最北端の駅である森宮野原駅は1945年2月12日に7.85mのとんでもない積雪を記録し、JR日本最高積雪地点の駅としても知られていますが、この駅から国道117号に出て東へ歩き、千曲川(信濃川)の橋を渡って対岸の新潟県側へ出ると、河岸の崖にしがみつくように一軒の宿「宝山荘」が立っています。ここはお湯が良いと温泉ファンからの評判が頗る良いので、是非行ってみたかったのです。

 
こちらのお宿は蕎麦処も兼ねているようですが、訪問時はお昼時を過ぎた中途半端な時間帯だったためか、玄関に入ってみると館内は真っ暗で妙に静まり返っており、「ごめんください」と声をかけても誰も出てこないので、どうしたものかと思って建物の裏手へまわってみると、宿のご夫婦は裏庭で野良仕事の真っ最中でした。お仕事の邪魔をしちゃったので恐縮しながら入浴料金を支払うと、ご夫婦は「気付かなくてごめんなさいねぇ」と実に明るくにこやかにお返事してくれ、仕事の手を休めてお風呂へと案内してくださいました。建物の外観はやや草臥れた印象が拭えませんが、館内はとてもよく手入れされています。

 
お風呂は男女別の内湯のみ。民宿のようなこじんまりとしたお風呂です。浴槽はひとつで、総タイル貼り。宿の建物は古びていますが、このお風呂だけはリニューアルしたのか、明るい造りで綺麗です。洗い場にはシャワー付き混合栓が4基用意されています。
信濃川の河岸の崖上にせり出すように建てられているので、窓からは信濃川の奔流が間近に見下ろせます(ただし木が茂っているため、あまり視界は開けていませんが…)。また視線を川面から水平方向へ上げると国道の橋が目の前で横切っているのがわかります。
源泉温度から察するにお湯は加温されているはずですが、にもかかわらず浴槽の縁から絶え間なく贅沢にオーバーフローしています。お客さんがいないときぐらいはボイラーを止めちゃえばいいのに、と余計な世話を焼きたくなってしまいました。でも、いつ行ってもいい湯加減で掛け流しのお湯に入れるわけですから、とってもありがたいですね。


お湯はごく薄い黄色を帯びた透明。浴室に入った途端香ってくるタマゴの匂いが芳しく、口にしてみるとタマゴ味の他に微かな金気のような味も感じられました。黒い溶岩のような材質の湯口には、硫黄分による白い析出が薄く膜のように付着しているため、黒の上に白のベールが被さることによって、お湯の流路がちょっと青っぽく見えました。
お湯に体を沈めると、気泡がびっしりと肌に付着し、全身泡だらけになりました。特にお湯が上から落ちてくる湯口付近は泡でお湯が白く濁っているようにも見え、アワアワなお湯が大好きな私は思わず狂喜乱舞。脱衣室内の分析表にはpH値が記されていませんでしたが、かなりアルカリ性に傾いているのか、あるいは単純泉とはいえ重曹型の泉質であるためか、ヌルヌルツルツルスベスベ、とっても気持ち良い浴感で、思わず肌を何度もさすってしまいたくなる程でした。加温しないと浴用には適さないのかと思いますが、夏の暑い時期なら加温せずとも大丈夫な温度でしょうから、ぜひ非加熱の源泉で一度入浴してみたいものです。きっとこの上なく爽快な浴感とさっぱりした湯上りを楽しめることでしょう。お風呂自体はごくごく普通ですが、評判通り、お湯は本当にすばらしいものでした。再訪必至です。


アルカリ性単純温泉 33.6℃ pH不明 溶存物質542.1mg/kg 成分総計542.5mg/kg
Na:125.7mg(91.50mval%), Cl:84.8mg(40.08mval%), HCO3:179.3mg(49.21mval%)

JR飯山線・森宮野原駅より徒歩10分弱(1.3km)
新潟県中魚沼郡津南町上郷宮野原65-1  地図
TEL:025-766-2600
津南町観光協会サイト内の案内ページ

平日15:00~20:00、土日祝12:00~20:00
500円
ドライヤー・シャンプー類あり(ドライヤーは共用洗面台にあり)

私の好み:★★★
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