最近当ブログでは飛騨地方にちっともスポットライトを当てていないので、今回からしばらくは飛騨の温泉を連続して取り上げます。まずは有名な濁河(にごりご)温泉の市営露天風呂からです。
濁河温泉は御嶽山7合目の標高1800mに位置する、日本で最も高い通年営業の温泉街なんだそうでして、信仰の山の登山口に当たるところですし、入浴剤の名前にも採用されたような場所ですから、それなりに賑わっているのかと思いきや、実際に行ってみると閉鎖された公的施設や休業した旅館が悲しい姿を晒す寂しい温泉街でした。そんな温泉街を貫く一本道を進むと、やがて露天風呂は右に曲がれ、という旨の看板が立っているので、そこを右折するとすぐに露天風呂の駐車場へ到着です。20台はとめられそうな広さを有する駐車場の奥の木陰の向こうに受付棟がたっています。
山小屋を思わせる建物には係員が常駐しています。公営や第三セクターが観光客を呼び寄せるために開設した温泉施設に見られるような、食堂や販売コーナーが充実しているようなものとは正反対の、必要最低限の設備しか用意していない質素な造りで、この建物には受付と小さな休憩スペースと脱衣室があるのみです。下手に観光客に媚び諂うよりは、こちらのように割り切った姿勢の方が、かえって潔く感じられるのは、決して私だけではないはず。
お風呂に内湯は無く、露天風呂があるのみ。吹きっ晒しの状態ながら、シャワー付き混合栓が3基用意されています。露天風呂はとても広く、30人は同時に入れそうな大きさです。この浴槽の奥の方には四阿が掛けられており、その部分の湯船は木の板で仕切られて隔離されたような状態になっていて、屋根が無い他の湯船よりは若干温度がぬるくなっていました。
木の樋を流れてきた源泉はドボドボと音を響かせながら大量に浴槽へ注がれていきます。樋に掛けられているコップでお湯を飲んでみると、金気味+土気味+石膏味+芒硝味が混ざりあった味わいで、金気臭と硫化水素臭が微かに香ってきました。
お湯は微かに橙色に濁っているものの、ほぼ無色透明と言って差し支えないでしょう。浴槽内には橙色の苔のようなものが付着しており、これがかなりヌルヌルして滑りやすく、一部は剥離して恰も湯の花のように湯中に漂っています。また浴槽縁の湯面ではカルシウムが固まって庇のような出っ張りが形成されていました。弱いスベスベを有しながらも、湯中で腕をさすると指がひっかかって重たく感じることもあり、どちらかと言えば引っかかる浴感の方が強いかもしれません。湯加減については、人によってはちょっと熱く感じるかもしれない、やや高めの温度設定でした。湯加減の高さのためか、はたまた温泉成分のおかげか、湯上がりは保温効果が強く、火照りがなかなか取れませんでした。
ちなみに濁河という名前からして濁湯を想像する方が多いんだそうですが、この地名の由来は2本の谷が合流して濁河川となる箇所が濁っているから「濁り河」なのであって、温泉は上述のように濁っていませんので悪しからず。
また、温泉街自体は通年営業ですが、この露天風呂は冬期休業です。男湯はご覧いただいたような開放感のある露天風呂ですが、女湯は外からぱっと見たところでは森林の梢に覆われているため、男湯程の開放感が得られるかどうか、ちょっと厳しいかも。いずれにせよ、シンプルながらも良質のお湯を堪能できる露天風呂であることには間違いありません。
市営泉源の混合泉(市営G泉、濁河温泉、市営泉源の混合泉)
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
51.9℃ pH6.3 759L/min(掘削自然湧出) 溶存物質2.4464g/kg 成分総計2.6735g/kg
Na:341.3mg(46.58mval%), Mg:86.9mg(22.43mval%), Ca:151.8mg(23.75mval&), Cl:139.1mg(13.58mval%), SO4:619.3mg(44.66mval%), HCO3:725.3mg(41.20mval%), 遊離CO2:226.9mg
岐阜県下呂市小坂町落合 地図
(小坂から上がってくる県道441号は、眺めは良いものの、細いクネクネ山道が延々と続くので、木曽方面からのアクセスの方が運転しやすいかと思います)
0576-62-3373
下呂市観光情報HP
9:00~17:00 営業期間:4月17日~11月7日(天候により前後することあり)
500円
ロッカー・ボディーソープあり
私の好み:★★★
濁河温泉は御嶽山7合目の標高1800mに位置する、日本で最も高い通年営業の温泉街なんだそうでして、信仰の山の登山口に当たるところですし、入浴剤の名前にも採用されたような場所ですから、それなりに賑わっているのかと思いきや、実際に行ってみると閉鎖された公的施設や休業した旅館が悲しい姿を晒す寂しい温泉街でした。そんな温泉街を貫く一本道を進むと、やがて露天風呂は右に曲がれ、という旨の看板が立っているので、そこを右折するとすぐに露天風呂の駐車場へ到着です。20台はとめられそうな広さを有する駐車場の奥の木陰の向こうに受付棟がたっています。
山小屋を思わせる建物には係員が常駐しています。公営や第三セクターが観光客を呼び寄せるために開設した温泉施設に見られるような、食堂や販売コーナーが充実しているようなものとは正反対の、必要最低限の設備しか用意していない質素な造りで、この建物には受付と小さな休憩スペースと脱衣室があるのみです。下手に観光客に媚び諂うよりは、こちらのように割り切った姿勢の方が、かえって潔く感じられるのは、決して私だけではないはず。
お風呂に内湯は無く、露天風呂があるのみ。吹きっ晒しの状態ながら、シャワー付き混合栓が3基用意されています。露天風呂はとても広く、30人は同時に入れそうな大きさです。この浴槽の奥の方には四阿が掛けられており、その部分の湯船は木の板で仕切られて隔離されたような状態になっていて、屋根が無い他の湯船よりは若干温度がぬるくなっていました。
木の樋を流れてきた源泉はドボドボと音を響かせながら大量に浴槽へ注がれていきます。樋に掛けられているコップでお湯を飲んでみると、金気味+土気味+石膏味+芒硝味が混ざりあった味わいで、金気臭と硫化水素臭が微かに香ってきました。
お湯は微かに橙色に濁っているものの、ほぼ無色透明と言って差し支えないでしょう。浴槽内には橙色の苔のようなものが付着しており、これがかなりヌルヌルして滑りやすく、一部は剥離して恰も湯の花のように湯中に漂っています。また浴槽縁の湯面ではカルシウムが固まって庇のような出っ張りが形成されていました。弱いスベスベを有しながらも、湯中で腕をさすると指がひっかかって重たく感じることもあり、どちらかと言えば引っかかる浴感の方が強いかもしれません。湯加減については、人によってはちょっと熱く感じるかもしれない、やや高めの温度設定でした。湯加減の高さのためか、はたまた温泉成分のおかげか、湯上がりは保温効果が強く、火照りがなかなか取れませんでした。
ちなみに濁河という名前からして濁湯を想像する方が多いんだそうですが、この地名の由来は2本の谷が合流して濁河川となる箇所が濁っているから「濁り河」なのであって、温泉は上述のように濁っていませんので悪しからず。
また、温泉街自体は通年営業ですが、この露天風呂は冬期休業です。男湯はご覧いただいたような開放感のある露天風呂ですが、女湯は外からぱっと見たところでは森林の梢に覆われているため、男湯程の開放感が得られるかどうか、ちょっと厳しいかも。いずれにせよ、シンプルながらも良質のお湯を堪能できる露天風呂であることには間違いありません。
市営泉源の混合泉(市営G泉、濁河温泉、市営泉源の混合泉)
ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・炭酸水素塩温泉
51.9℃ pH6.3 759L/min(掘削自然湧出) 溶存物質2.4464g/kg 成分総計2.6735g/kg
Na:341.3mg(46.58mval%), Mg:86.9mg(22.43mval%), Ca:151.8mg(23.75mval&), Cl:139.1mg(13.58mval%), SO4:619.3mg(44.66mval%), HCO3:725.3mg(41.20mval%), 遊離CO2:226.9mg
岐阜県下呂市小坂町落合 地図
(小坂から上がってくる県道441号は、眺めは良いものの、細いクネクネ山道が延々と続くので、木曽方面からのアクセスの方が運転しやすいかと思います)
0576-62-3373
下呂市観光情報HP
9:00~17:00 営業期間:4月17日~11月7日(天候により前後することあり)
500円
ロッカー・ボディーソープあり
私の好み:★★★