パパと呼ばないで

再婚した時、パパと呼ばないでくれと懇願した夫(←おとうさんと呼んで欲しい)を、娘(27)「おやじ」と呼ぶ。良かったのか?

三つ子の魂百まで〜霊編

2023年11月11日 | Weblog
11月11日(土)晴れ

おばちゃんが言う。
「ここ、出るのよ」
n「何が?」
三年前に亡くなったおじちゃんが出るらしい・・・
夜中、衣装部屋と茶の間の間の暖簾が風も無いのにふわりふわりそよぐ。
おばちゃんだけじゃなく、泊まりにきた娘や婿、孫達も見たり感じたりしているとのこと。

ワタクシは、霊を信じていないわけでない。
ただ、怖いからワタクシの前には現れないでくださいと常々思っている。
肩に乗ってて結構ですが、なにとぞワタクシに気づかれないようにしてくださいと。
だが、おばちゃんの語るおじちゃんの霊とやらは、おばちゃん達の心の闇が見せている物体のように思える。
と言うのも、詳しいことは知らないが、おじちゃんが亡くなった時、散骨した。
おばちゃんの散財のせいでおじちゃんが建てた家を売ることになり借家住まいとなり、おじちゃんは退職後も葬儀屋さんやら色々な所で働いた。
晩年は癌に罹り亡くなった。
お墓を建てるお金が無かったのかと思いきや、老母の話だと、一人娘だったおばちゃんが墓を守ってるから入れようと思えばそこに入れられたはず。
今でこそ散骨という選択肢も出てきたとは言え、おじちゃんがそれを切望したと聞いた事はない。
ではなぜ???
自分が死んだ時に入るお墓に、おじちゃんを入れたくなかったのではないか。
夫婦間、家庭内のことは外からはわからない。
もしかしたらおばちゃんの散財のせいで家を失った事やらをずっと責められていたのかもしれない。
娘達までもが散骨に反対しなかったくらいなんらかの理由はあるのかもしれない。
でも、心のどこかに後ろめたい気持ちがあって、夜中おじちゃんを見てしまうのではないか。

ワタクシの幼い頃の記憶では、おじちゃんは無口ながら優しくていい人だった。
子供とずっと遊んでくれる人だった。
うちの父親とは大違いだった。(父さんごめんよ、でも、あたしゃ父さんの事、大好きだよ)
だからつい「おじちゃんじゃないよぉ〜この家になんかいるじゃない?」と言うも、娘のT美ちゃんが泊まった時は、夜中に「T美さんT美さん」と呼ばれたとか、
夜中、具合が悪くなり救急車を呼ぶ寸前までいったとか。
おばちゃんが憎々しげに「おじちゃんしか考えられないでしょっっ」

帰り道の車の中で老母が言う。
泊まりに行った日、仏壇にお線香あげようとしたら、おばちゃんの両親の写真の横に、パタンと伏せられた写真立て。
そしてその前には小皿に山盛りの塩。
聞くと、おじちゃんが夜中出るから!との事。
さすがに母が「そういうことしちゃいけないよ」と写真立てをちゃんと起こして、塩もやめなさいと言ったらしい。
そして、寝る時には暖簾を結び出すおばちゃん。
ゆらゆらすると怖いからと。
老母に、「で、おじちゃん、出た?」と聞くと、「何にも出ないけど、どこを見ても演歌歌手で寝づらいかったわ」
つ、強い。
メンタルの強い人だ。
わたしゃ、その話を聞いた時点で、もうこの家には泊まれない、泊まりたくないと思うけどねえ。

散骨した事の後ろめたさが霊を見てしまうのではないか。
あるいは、本当におじちゃんが居場所がなくて困ってるのか。
夫が「せめて墓石に名前を刻んであげたら?」と言い、老母が今度おばちゃんにアドバイスするよと言ってた。
塩を盛るより絶対そっちの方がいいよね。
コメント
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