WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

もてなしの原点

2004-12-26 | 美味礼讃
クリスマスの喧噪がおわって、しっぽり奥多摩温泉民宿1泊にいってきました。

「蛇の湯温泉たから荘」
ここの夕餉のことを書きたくて…

ひとことでいうと、「素朴でいて心のこもったもてなし」。
秘境の宿…といったおもむきだし、何の飾り気もない、古くからひっそりと佇んでいたであろう宿。
実はわたし、遠い昔にここを訪れたことがあった。
でも、「なんかよかったような…」程度にしか記憶になくて。

昨日の夕餉…
厚ぼったくて見るからに安っぽい瀬戸物の器に
ありがちな冷めた和えものや煮物が並べられて。
ところが、そのひとつひとつ、「えっ?」っていうような隠し味や香りがあって、
お箸をすすめるごとに心がほぐれていく…っていう感じ??
これだったんです。私、以前に訪れたときも、きっと同じことを味わっていた。
でも、ここのお料理はとりたてて「自己主張」をすることもなく、
私の中では「なんかよかった…」ってことで位置付けされていたんだな。

もちろん、「冷めた和え物と煮物」だけじゃありません。
あたたかいお料理はタイミングをみはからって次々出てくるし。
それも「気合いはいってます!」っていう自己主張がなくて。
どこまでも「私たちはお客さまの語らいの脇役です」っていう感じ…

だけど、私もだいぶ自分の料理にも年期がはいってきたので、
これは!?ってのは逃さなくなったのよ。
前八寸の、たった一切れのさつまいもの甘露煮?みたいなヤツの、この隠しスパイスはなんぞや!? な~~んて(^_^;)
パプリカ、山椒、柚子、八角(アニス)、わさび、シナモン、などなど、
口に含んだとたんに意外な香りがするのは、ほんとに楽しうれしかった。

でもやっぱり、こんな秘湯の温泉宿で、夕餉のかくし味の分析するなんて邪道ってもんよ。
「なんかよかった」
「なんかおいしかった」
…また来たいな。

こういう宿って、、、、いいですよね。
また、すぐ帰りたくなる故郷みたいで。
Comments (2)
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